授業動画を約150本作った末に得たもの。

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

先週27日に緊急事態宣言が解除され、横浜市立の小中学校は本日から実に3カ月ぶりに再開します。それを受けて、フォルテでも本日から全面的に通常授業が再開します。今回はこの期間中のフォルテを振り返ります。

 

緊急事態宣言発令期間中のフォルテの対応

4月7日に緊急事態宣言が出されてから、フォルテでは、各家庭のニーズにお応えするために「十分な予防措置を取った上での通塾」または「映像授業&LINEにより学習管理」のどちらかを選択できるようにしました。実際には、約7割が通塾、約3割が映像授業という内訳でした。

また、上記の希望に関係なく、中学部の理社はすべて映像授業に切り換えて通塾日を減らし、さらにこちらの記事の通り、新型コロナウィルスの感染予防のための対策を講じてきました。

これに加えて学習面では、しっかりと量を確保するために全体として宿題量を増やし、さらに家庭の希望に応じて個別に課題を出すようにしました。しかも、それをただ出すだけではなく、LINEでまたは通塾時に直接進捗状況を確認し、アドバイスをするようにしました。

このリアルタイム感はとても大事で、フォルテが小回りの利く個人塾だからこそできる対応です。

 

動画制作について

4月8日以降、上記の通り映像授業を希望するご家庭のために、我々は通常授業に加え、そのほとんどの授業を事前に動画撮影し、編集した上でYouTubeにUPしてきました。これは動画の撮影→編集→出力→アップロードの手順で行のですが、実は思いのほか時間がかかります。

例えば、約30分の動画を制作する場合。動画自体の撮影に1時間以上はかかります(ホワイトボードへの板書や思わぬ取り直しなどがあるので)。次に編集作業では、動画の不必要な部分を削ったり、重要な部分や補足が必要な部分へのテロップ&効果音入れに1時間以上かかります。そして、出力&アップロードは時間帯によってまちまちですが30分程度はかかります。

このように約30分の動画を制作するのに私の場合は2時間~3時間程度かかります。そして、この期間にUPした授業動画の本数は文理合わせて約150本。手前味噌ながらかなり頑張ったと思います。ちなみにこういった話を同業者の知り合いにすると、「動画だけ外注すれば?」とよく言われます。しかし、それでは意味がありません。あくまでフォルテの主力商品は文系・上村と理系・佐々木の授業なのです。

実際にこの期間中に集団授業の塾で、フォルテと同じように授業動画を配信している大手塾をいくつか知っていますが、そのほとんどが全社統一の動画になっています。つまり、ほとんどの生徒からすると「この人・・・誰?」という先生の授業を見させられるわけです。

もちろん、全社統一で配信するくらいなのでその先生自身は授業が上手でしょうし、大手塾のスケールメリットや合理性からするとこういった選択は間違いではないかもしれません。ただし、それはあくまで塾側の都合であって、その塾に通う子どもたちにとってはどうでしょうか?名前すら知らない大人の上手な授業よりも、(たとえ多少拙かったとしても)普段から教えてくれている先生の授業の方が授業内容がすっと入ってくるものではないでしょうか。むしろ、ここで動画に負けるような授業なら・・・(以下、省略)。

実際に大手塾でも配信されている授業動画に対して「内容がわかりづらい」というクレームや相談が多くあったようです。しかし、その原因のほとんどは授業自体の問題ではなく、受け手側のモチベーションや意識の問題でしょう。

余談になりますが、先日ふと見たテレビ番組で、インターネットの2ちゃんねる(現5ch)の創設者である ひろゆき氏 が学校の先生の役割について「授業は上手い先生の動画とかに任せて、もっと個人のケアをすれば良い」という主旨の発言をしていました。それを見ていて、私は”ひろゆき氏らしいな”と思いました。彼はとても合理的な方です。この件に限らず、彼がテレビやネット上でのコメントは常に合理的です。しかし、じゃあ小中学校の授業を上手な先生の動画で統一して、現場の先生方は授業以外のことに専念すれば子どもたちの学力は上がるのでしょうか。

私はそうは思いません。理由は、既述した通りであまりに子ども気持ちを無視しすぎていると感じます。もちろん授業以外の部分で、今の学校のシステムの中で合理化すべきことはあるとは思いますが。

 

大量の動画制作の功名

このような動画制作。ただ単につらい作業であったからと言うと、実はそうでもありません。パッと思いついただけでも、以下の良い面がありました。

通常授業のクオリティが上がる。

もともと授業はフォルテの主力商品なので、普段から常にクオリティの高いものを提供していると自負しています。それが今回、事前に自分で動画用の授業を撮影し、さらにそれを自分で編集するので通して2回くらいチェックします。こうすることで、最初の自分の授業の改善点が見えてきて、元の授業にさらに磨きがかかります。そして実際に通塾生の前での授業はかなり仕上がったものになっています。

 

授業スキルが上がる

これは、以前の記事でも触れかと思いますが、学校や塾の先生で授業が上手くなりたければ、自分の授業を撮影してセルフチェックするのはかなり有効です。

というのも、キャリアが浅いうちは先輩や同僚に見てもらって指導やコメントをもらう研修であったり、上手な先生の授業を見学することが有効だと思います。しかし、ある程度キャリアを積んで自分自身が指導するような立場になると、自分自身がプレイヤーとして研修に参加するという機会は少なくなります。私自身も、大手塾時代に研修担当官や新人育成担当を経験しましたが、それくらいのキャリアや実力になると自分の授業に対して厳しいコメントをしてくれる人はほぼいなくなりました(仮にいたとしても、素直にそのコメントを受け入れていたのかという別問題もありますが・・・笑)。

キャリアがこのようなフェーズになると、自分の授業を自分自身の厳しい目で見ることが、一番の授業力向上につながります。

 

動画が通塾生の復習用としても機能する。

対面での授業を希望する通塾生についても、希望者にはその日の授業動画を配信しました。改めて動画を見直すことで、苦手な単元をより理解しやすくなります。ただし、その場合も単に動画視聴だけでなく、視聴した上で演習問題でしっかりアウトプットすることが大切であるというのは伝えています。

これは確信を持って言えることですが、どんなに配信する授業動画が優れたものでも、その後のアウトプットがないと力は付きません。ですので、フォルテでは映像授業での受講希望の家庭には授業中や宿題の演習問題をLINEで送ってもらい、それを添削して返信するというスタイルを取ってきました。この添削のクオリティもフォルテの規模だから出来るもので、フォルテの何倍も生徒のいる大手塾にはできないサービスでしょう。

 

結論

この休校期間中、ほとんどの塾は新規の募集はかなり厳しい状況だったでしょう(もちろん、フォルテも良くはないです)。ただし、厳しい状況下でしっかりと塾生と向き合い、とことん試行錯誤した塾ほど、このコロナ禍を期にアップデートすることができた(子どもたちの実力を上げるために提供するサービスの幅が広がった)のではないでしょうか?かくいうフォルテも確実のパワーアップできました。そして、ここで得たものを今後のフォルテ生のために大いに活かします。

そして、各塾の対応は期間中の子どもたちの学習状況にももちろん影響しているでしょう。私たちもフォルテ生が周囲に圧倒的な差をつけられるようにガムシャラに突き進んできました。さあ、どの程度差をつけることができたか。ここから真価が問われます。

今日はここまでです。ではまた!

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

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