時事問題対策・注目ニュース(2019年7月②)

こんばんは、フォルテの文系講師の上村です。

フォルテでは、塾内でのお便り(フォルテレポート)に毎号、文系担当の上村が注目したニュースについて書くコーナーがあります。しかし、紙面のスペースの関係上、本来書きたい内容を大幅にカットして掲載しています。なので加筆版(完全版)をこちらに載せたいと思います。

特に南中学校はどの学年の定期試験にも時事問題が出題されますし、今年は蒔田中学校の3年生も出題が予告されていますので、中学生は意識的に日々のニュースに対してアンテナを張っておきましょう。

今月21日に行われた参議院議員選挙について書いた前回の記事の続きです。

今回の選挙結果

以下、各政党の獲得議席数です。

自民党:57議席
公明党:14議席
立憲民主党:17議席
国民民主党:6議席
共産党:7議席
日本維新の会:10議席
社民党:1議席
れいわ新選組:2議席
NHKから国民を守る党:2議席
無所属:9議席

与党(自民党と公明党)としては合わせて71議席を獲得したため、選挙前の最低限の勝利ラインであった53議席はクリアできました。しかし、安倍政権の大目標であった憲法改正に向けて前向きな改憲勢力では81議席にとどまり、目標の85議席クリアできませんでした。

一方、れいわ新選組やNHKから国民を守る党といった既存政党(今までの政党)とは一線を画す政策や選挙戦を繰り広げた新興勢力の政党が議席を獲得したのは大きなニュースでしょう(ともに比例代表で議席獲得)。特にれいわ新選組は前回の記事でも触れた通り、今回の選挙から導入された「特定枠」をつかって、重度の障害を持つ2名を当選させました(これにより、比例代表で最多得票を獲得した山本太郎氏は落選しました)。そして、重度の障害を持つ議員でも活躍できるように、様々な面での国会関連の施設改修が進むでしょう。

 

新たな改憲勢力?公約違反?

そして、ここで新たな展開を迎えました。7月25日にインターネットのある番組内で国民民主党の玉木代表が「私は生まれ変わりました。憲法改正議論をしっかり進めまていきましょう。」という主旨の発言をしたのです。今回の選挙で、国民民主党は立憲民主党・共産党・社民党などの同じ野党と共に13項目の政策を共通にして掲げ、選挙区によっては野党同士で票が割れないように候補者を一本化するなどして戦いました。その共通政策の中には明確に「憲法改正反対」が掲げられていました。

つまり、選挙前には「憲法改正反対」を掲げながら、選挙が終わった直後に「生まれ変わった。憲法改正に向けて話し合おう。」と態度を変えたわけです。選挙では、どのくらいの数かはわかりませんが、「憲法改正反対」を支持して国民民主党やその候補者に投票した人々もいたことでしょう。なので、このような国民民主党の発言・動きに対しては「公約違反だ!」と批判も多いです。

しかし、安倍政権からすると、まさに「棚からぼたもち」。今回の選挙で国民民主党は6議席を獲得していますから、従来からの改憲勢力で獲得した81議席と合わせると合計87議席となり、憲法改正に必要とされる参議院議員全体の3分の2以上の議席を確保できたからです。

何はともあれ、今後も憲法改正についての議論が国会では進められるでしょう。

 

やはり低かった投票率

今回の参議院議員選挙、全体の投票率は48.8%でした。このように国政選挙(衆議院議員総選挙と参議院議員選挙のこと)で全体の投票率が50%を割ったのは、1995年以来24年ぶり2度目です。

特に10代(18歳・19歳)の投票率は31.3%と、3分の1にも満たない結果でした。理由としては、「各党の掲げる政策があまり若者に馴染みのあるトピックではなかった」「選挙前には、ジャニー喜多川氏死去や京都アニメーションの事件、吉本の闇営業などが多く取り上げられ、選挙に関する報道が少なかった」などが挙げられるかと思います。特に参議院議員選挙では、いわゆる政権交代にはならない(たとえ、自民党が大敗しても自民党のリーダーが内閣総理大臣であることは変わらない)ので余計関心が薄くなりがちなのかもしれません。

これ、前回も書いたことですが、このような状況が今後も続いたら、一部の志の高い政党や政治家以外は若者向けの政策を掲げなくなってしまいますよ。選挙は当選してナンボですから、絶対数も少なく投票率の低い若者より、接待数が多く投票率の高い中高年の票を狙う方が高い確率で選挙に勝てます。ですから、若者よりも中高年の利益を優先した政策を真っ先に掲げるようになりますよね。ですから、何にせよ投票に行こうよ、と思います。今まで投票に行かなかった人も、いざ投票に行くとなると、投票前に各候補者や政党について調べるし、ちょっとは考えるようになると思います。そういう小さな変化が起きないと、何も変わらないでしょう。

そして個人的には、オーストラリアやスイスなどで導入されている投票の義務化を導入しても良いのではないかと思っています。特に、罰金などの罰則を厳格に課している国では投票率が軒並み高くなっているという事実もあります。ただ、これは「投票する権利」がある一方での「投票しない権利」もあるので、それを侵害してしまう危険性もあります。

あとは、やはりネット投票のように手軽な投票システムの導入も効果があると思います。もちろん、それに伴って投票システムのセキュリティや有権者のメディアリテラシー(情報を自分で見極めて取捨選択する能力)を高める必要性は出てきます。

いずれにせよ、何かしらの大きな改革がない限り、このような低い投票率の選挙は続いていくでしょう。

今回は以上です。ではまた!

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