模擬試験の解き直しの重要性と偏差値の見方

こんにちは。フォルテの文系講師の上村です。

フォルテでは、中学生には年に数回模擬試験受けてもらいます(中3はほぼ毎月、中1・2は年に4回)。模擬試験は、学校の定期テストに比べて範囲が広く、問題の形式も大きく異なります。これは、既習内容の知識の確認だけでなく、先々の高校入試に向けた応用力を養うことを目的としているためで、その分だけ難易度が高くなっています。恐らく、多くの生徒が学校の定期テストに比べると、模擬試験の方が点数は低く、間違えている問題の数も多くなるでしょう。そこで重要となるのが模擬試験の解き直しです。解き直しをしっかりすることで、自分の弱点を把握し、なおかつ同様の形式の問題や同様の知識を問う問題に備えることが出来ます。この解き直しは、しっかりやれば本当に効果があります。これは私自身の学生時代の経験上からも間違いないです。今日はそのことについてお話しします。

 

大学受験のころの私のヒーロー

思い返すと、大学受験の記憶が蘇ってきます。私は大学受験で自分の第一志望の大学に合格することが出来ました。当時、私が通っていた塾の先生方は本当に熱心に指導してくださり、まさにプロの講師として常に的確なアドバイスを私にくれました。特に日本史の先生は当時の私にとってヒーローでした。授業が抜群に面白く、なおかつわかりやすくて、「この先生についていけば絶対大丈夫だ。」と初回の授業を受けた時から自然に思えました。今思えば、それはとても幸運な出会いでした。そして、その先生に習っていることが私の誇りでもありました。高校3年生当時、学校の担任の先生との進路面談では「その大学はお前には絶対に無理だ!受験校を考え直せ。」と散々言われていた中でも、私には不思議と自信があり、結果的に第一志望の大学に無事合格することが出来ました。その合格を報告した際に、日本史の先生とした握手の感触はいまだに覚えています。

 

解き直しの重要性

改めて成功の要因を考えてみると、塾での素晴らしい授業やアドバイスがあったことはもちろんですが、それらだけでは合格することは出来ません。というのも、塾で勉強する時間は限られており、それ以外の家庭学習の時間の方が圧倒的に長いからです。そこで当時の私は、過去問や模擬試験を解いて自己採点をした後には、必ず解き直しをしっかりやっていました。また、それだけでなく、毎回の授業の復習(授業を受けた24時間以内にテキストの見直しとその部分の問題を解くこと)も必ずやっていました。当時は、塾の先生にやれと言われていたのでやっていたというのが正直なところでしたが、今思い返すとこれらがあったから、私は着実に力を付けていくことが出来、それが自信となり、その結果として第一志望に合格出来たのだと思います。しっかりとした解き直しや復習を習慣化することで必ず成績は上がるのです。

 

実際の解き直しの例

解き直しの重要性はわかったけど、どのようにやれば良いかわからないですよね。ここで、実際に私が指導した卒業生の例をお見せします。

 

このように「自分自身の解答、「模範解答」、「解く上でのポイント・答えの根拠」を書くようにしましょう。このような解き直しをフォルテでは専用のノートで管理します。その際には、子どもたち一人ひとりにそれぞれノートをこちらが準備します。こんな感じです。

細かいことですが、このように全て異なった表紙(偉人の名言やマスキングテープを色々変えてます。)でノートを作成しています。これは大前提として私自身が楽しんでやっているというのもありますが、私なりに子どもたち一人ひとりに向けてメッセージを込めて作っていて、それぞれに“エクスクルーシブ感”を出したいと思っています。この場合のエクスクルーシブ(exclusive)は本来の単語の意味である「排他的な」「閉鎖的な」という意味ではなく、アパレル業界や音楽業界などで使われる「〇〇限定の」という意味です。

つまり、「その子のためだけの」世界に1冊のノートを作っています。今までの経験上、こうすることで、子どもたちの解き直しのクオリティや提出率が格段に高くなると強く感じています。そして、提出されたノートには必ず各担当講師(と言っても、二人しか講師はいませんが・・・)から学習面のアドバイスや解き直し自体に対するコメントを付けて返却していきます。

  

模擬試験での偏差値の見方

模擬試験は受験してから約1か月後(受験者が多い模試の場合、模試業者のデータ処理の関係で返却までこれくらいの時間がかかります。)に成績表が返却されます。その際に、点数とともに偏差値が出ます。この偏差値ですが、簡単に言うと「同じテストを受けた集団の中で自分がどの位置にいるかを知る数字」だと思ってください。その集団内の平均点をとると、偏差値はちょうど50となります。つまり、100点満点中で同じ点数をとったとしても、同じ問題を解いた集団内の平均点によって自分の偏差値は変わるのです。例えば、平均点が60点のテストで70点を獲れば偏差値は50を上回りますが、平均点が75点のテストで70点をとれば偏差値は50を下回ります。

このように模擬試験においては、自分が何点をとったかよりも、平均点と比べて何点をとったかが大切です。(細かい話だと、同じ平均点でも受験者ごとの点数のバラつきによっても偏差値変わります。)

 高校においてもこのような偏差値を用いてランク付けがされています。ここで気を付けていただきたいのが、高校の情報誌やインターネットの情報サイトに載っている偏差値をとらなければ、その高校に合格できないかというと、必ずしもそうではないということです。特に中1と中2は実際に合格している生徒の多くは、情報誌やサイトに乗っている偏差値よりも低い偏差値です。これは実際に高校を受験する層と中1・2の段階で模擬試験を受験する層のレベルが大きく異なっているからです。イメージはこんな感じです。

中1・2の段階で模擬試験を受験しているのは、中1・2の段階で塾に通っている子、または塾には通っていないが自主的に模試を受けている子です。この両者に共通することは、本人または保護者の勉強に対する意識が高いことです(個人差はあります)。そしてもちろん、その意識の高さは学力の高さにもつながりますので、中1・2の段階で模擬試験を受験する層は、集団全体のレベルが高いと言えます。これが実際の入試本番や中3の模擬試験になってくると、今まで塾に通っていなかった層までもが受験します。この今まで塾に通っていなかった層は全体で見ると、早いうちから塾に通っていた層と比べるとどうしても学力は低くなります。もちろん、独学・自学でしっかりと力を付けている子もいますが、それは全体から見ると明らかに少数派と言えます。

 そのため、もともと塾に通っていたメンバー内での偏差値は変わらなかったとしても、中1・2のころに比べると、言い方は良くないかもしれませんが、中3では自分よりも低い層が多く受験するようになるので、同じテストを受けた集団内(この場合だと、同じ塾内の生徒&塾外で同じ模擬試験を受けた受験者)での平均点を基準にしている偏差値は相対的に上がるのです。

 

中1における模擬試験の偏差値感覚

私の今までの経験上の感覚値ですと、中1のころから塾に通っている生徒であれば、規模の大きい模擬試験においての偏差値は中1から中3にかけて5~10は平均的に上がると思っています(もちろん個人差はあります)。なので、イメージとしては情報誌や情報サイトで偏差値65くらいの高校(この地域で受験者がいる学校だと光陵高校や横須賀高校)に進学したいと思っているのならば、中1の段階で偏差値50台後半~60くらいが目安になるでしょう(もちろん高いに越したことはないです)。ただ、あくまでも合格目安というよりも受験目安と思ってください。

 

中学・高校・大学の偏差値の違い

最後に、今までの模擬試験の偏差値の話と同じようなことが言えるのが、中学受験・高校受験・大学受験における学校の偏差値です。そもそも学校の偏差値はどのように決まっているのでしょうか?これは大手の模試業者が、模試の受験者とその志望校、そして実際の入試の結果を踏まえて決めています。

 つまり、それぞれの受験をする人々が偏差値の対象となる集団になります。中学受験をするのは神奈川県だと小学生全体の25%程度、大学受験をするのは全国だと高校生全体の55%程度と言われています。それに対して、高校受験をするのは公立中学校に通うほぼ100%です。

 そして、中学受験と大学受験は対象となる集団は多くが学力上位層となるので、当然集団自体のレベルが高くなります。そのため、同じ偏差値50でも、「中学受験・大学受験における偏差値50」と「高校受験における偏差値50」では大きく異なります。ですから、予め覚えていただきたいのは、例えば偏差値50の高校に通う高校生が偏差値50の大学に合格したいと思ったら、その高校内で上位1~2割の成績をとっていないと厳しいということです。

 このような点を踏まえた上で、高校選びをしていきましょう。

それでは今日はここまで。ではまた!

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