ライムスターのライブで感じた仕事観~進化し続けること~

こんばんは、フォルテの文系担当の上村です。

今回は、先日参戦してきたライムスターのライブで感じた仕事観についてです。社会人になってからというもの、それがたとえ仕事外のことでも、どうにか自分の仕事に活かせることはないか?という視点を常に持っているのですが(独立してから一層強くなりました)、完全に個人的な趣味であるヒップホップのライブで、長い間業界の第一線で活躍するプロの仕事観をびんびんに感じ、仕事へのモチベーションが非常に高まりました。

 

2019年の振り返り

本題に入る前に、これが今年最後の記事なりますので、2019年の振り返りを簡潔に。

今年は言わずもがな、大手塾退社・フォルテ開校という、私個人的に大きな変化のある年でした。そして、本当に多くの方との出会いや支えがあり、おかげさまで本当に充実した日々を送ることができました。

まずは多くの保護者の方や子どもたちに出会うことができました。3月26日に開校してから、まだ塾としての知名度や実績が全くないにもかかわらず、開校前から多くの方に問い合わせをいただきました。3月半ばまでは教室も未完成だったので、近くの喫茶店で面談をさせてもらいました。中には、私とお母さんがコーヒーを、横では子どもがパフェを食べながら三者面談をするという、金輪際経験しないであろう貴重な経験も出来ました(笑)。

またメールやLINEでのやりとりを多くしていく中で、保護者の方からの余りあるほどの感謝やお褒めの言葉に思わずニヤニヤしたり(これを肴に飲む酒が美味い!)、保護者の方のお子さんへの大きな愛情を感じる言葉に一層身が引き締まったりと、大手塾時代になかった保護者の方との関わり方に大きな刺激と手ごたえを感じています。

次に多くの同業者の方と出会いがありました。開校前からアドバイスいただいた先生方、4月の塾ブログフェスでお会いした先生方、TwitterやLINEグループ(爆裂個人塾長会議)をきっかけに知り合った先生方など。これら多くの先生方との交流の中で、たくさんの教えと刺激を受け、それらを大いにフォルテの運営や授業に反映させてもらいました。

新規開業という、個人塾としてはペーペー中のペーペーの私たちに、皆さん本当に優しくしてくださり、特に同じ神奈川の個人塾の先輩方には感謝してもしきれないほどお世話になりました。全国的に見てもこれほど個人塾同士で繋がりを持っている都道府県も珍しいのではないかと思います。いつか私たちも先輩方に受けた恩を返し、また自分たちよりも後の世代の人たちの役に少しでも立てればと思います。「恩送り」の精神です。

そして、開校してからは開校前には想像もできなかったような初めての経験(もちろん良いことも悪いことも!)が多く、理系の佐々木とも「いや~、本当にやってみなきゃわからないことばかりですね。」とよく話しています。ただ、どれも貴重な経験で、今後の私たちにとって必ずや大きな財産になるでしょう。

改めて2019年、フォルテに関わってくれた全ての方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。そして、2020年もよろしくお願いいたします。

 

そして、本題・・・。

ここからが本題です。すでに1000字を超えていますが(笑)。さて、先日29日はフォルテが休校日だったため、ライムスター(Rhymester)というアーティストのライブに行ってきました。

私は中学生の頃からヒップホップにハマり、洋邦問わず今でもよく聴くんですが、その中でも日本のライムスターというグループは一番のお気に入りです。今までにリリースされたアルバムはCDで全て持っていますし、それだけでなくアナログのレコードも何枚も持っています。ちなみに大学時代にメンバーの一人にサインをいただいた↓のアナログレコードは私の宝物の一つです。

高校~大学時代には何度もライブに足を運んでいましたが、前職の大手塾に就職後は中々ライブに行くタイミングが合いませんでした。それでも、リリースされた音源は必ずチェックしていましたし、常に彼らの活動は追っていました。

 

ライムスターのライブの魅力とは?

そもそもライムスターとは、どんなグループなのか。メンバーは、宇多丸とマミーDという2人のラッパーとDJジンの3人で、日本で今ほどヒップホップやラップがメジャーじゃなかった90年代からシーンの最前線で活躍していて、今年で結成30年を迎える、まさに日本のヒップホップ界のレジェンドといえるグループです。近年では本業以外にも、ラジオパーソナリティー、雑誌での執筆、俳優、バラエティ番組への出演など活動の幅を大きく広げています。

彼らが日本のヒップホップ界のレジェンドたる所以は、彼らの活動期間が単に長いというだけではありません。もちろん、実力がなければ30年もの間シーンの第一線で活動することは当然できないのですが、それだけでなく日本のヒップホップ史上に残る数々の名曲を残していますし、そして何より彼らの代名詞と言えば自らを”キングオブステージ”と称するほど自信を持っているライブです。今年、彼らは47都道府県を巡るツアーをしていますが、多くの地方でチケットは完売し、またその中で全く同じセットリストは1つもないというこだわりぶりです。

私も初めて彼らのライブに参加したときには、衝撃を受けました。まずは、CDなどの音源で聞く声とライブでの声にほとんど違いがないこと。技術の進歩で録音時にはいくらでも盛ることができてしまう中、これは本当にすごいと思いました。余談ですが、これと同じことはMr.Childrenのライブでも感じました。いずれもライブに力を入れているアーティストです。

話を戻して、ライムスターのライブです。彼らのライブの骨格はごくシンプルで、DJが流す音に乗せてMC(ラッパー)がラップを乗せるというもの。ただし、骨格がシンプルである故に、何の工夫もなければライブ自体が単調になってしまいます(大げさに言うとカラオケ大会のようになってしまう)。しかし、彼らは長い年月で磨き上げてきた唯一無二の技術と工夫の数々により、ライブを極上のエンターテイメントに昇華しています。以前、こちらの記事のタイトルで使った「神は細部に宿る」を地で行くライブと言えます。

その工夫の数々を挙げだすと、それこそ枚挙に暇がないのですが、大きな工夫の一つが観客との一体化です。彼らのライブでは、歌詞の一部をお客さんが歌う場面が多々あります。ですので、観客の多くが歌詞を暗記しています。また、いわゆるコール&レスポンスも多くあります。

これは、簡単に言うと、

メンバー「言えよ!ライムスター!」

観客「ライムスター!!!!」

という感じのやりとりです。字面だけだとあまり臨場感が伝わりませんが、これがライブだと一体感が演出され、観客も専ら受動的には全くならないわけです。おっと、すでに2000字をオーバーいます。先を急ぎます。

 

今回のライブについて

そして、今回のライブ。場所は新木場スタジオコースト。最近では、火曜の深夜にテレビ朝日で放送されている、「フリースタイルダンジョン」の会場としても有名なところです。

個人的には2007年の武道館ツアー以来のライムスターのライブへの参戦でした。そこで感じたことをまず箇条書きスタイルで挙げると、

「客の年齢層が高い!」
「異様にリピーター率が高い!」
「いまだに進化しつづけている!」

の3つです。

まずは「客の年齢層が高い!」について。私は中学生の時に彼らのことを知り、それが今から約20年前(正確には18~19年前)です。彼らがちょうどメジャーデビューアルバム『ウワサの真相』をリリースしたときでした。当時の私のクラスでライムスターを知っている同級生はほぼいなかったでしょう。つまり、その時点で私より上の世代がファンの大半だった状態です。また、それもあってか、ライブに中にスマホ片手に動画を撮影するような野暮な輩は皆無でした。これは素晴らしい!

その世代の方々がそのままファンであり続けていて、この2019年のライブにも参加しているのです。周りを見回すと40代や50代のおじさん・おばさん(失礼!)が多くいました(感覚的にはお客さんの半数以上は私よりどう見ても年上)。こんな年齢層の高いヒップホップのライブは他にあるでしょうか?・・・いや、ない!反語表現です。

次に「異様にリピーターが高い!」について。今回のライブは、47都道府県ツアーの終盤に行われており、ライブ中に「今日以前に今回のツアーに参加した人ー?」という問いかけに私の周りの8~9割近くが手を挙げていました。これにはさすがに驚きました。そして、これは彼らのライブに対するファンの満足度や信頼度の高さを表していると思います。

最後に「いまだに進化し続けている!」について。前述の通り、今回のライブが10年以上ぶりのライムスターのライブ参戦でした。前回参戦した武道館でのライブはまさに伝説的なライブであったことや多少の思い出補正もあり、かなりハードルが上がった状態でしたので、逆に「ちょっと残念なライブだったらどうしよう・・・。」と一抹の不安も実はありました。ライムスターは、中学時代から今に至るまでずっと私のアイドルであり、自分がヘコんだときや迷ったときには、「弱者・敗者の視点」を尊重する彼らの楽曲にたくさんの勇気をもらってきました。そんな私の人生の大きな一部ともいえる彼らの久々のライブで、「昔は良かったのにな~」なんて失望をしたくなかったわけです。

ところが、それは単なる杞憂にすぎませんでした。10年余りのこの期間で彼らのライブはとんでもなく進化していました。今回のライブのセットリストは最新曲からインディーズ時代の曲までやるというベスト的なものでした。なので、昔懐かしい彼らの名曲(いわゆるクラシック)も多く、それは個人的には大満足な内容でしたが、それ以上に彼らの飽くなき向上心、言い換えると、「進化し続けること」という仕事観にとんでもない刺激を受けた、本当に最高のライブでした。

楽曲のレベルが高くなっているのはもちろん、楽曲間のトークや3人のステージ上での立ち振る舞い、観客との一体化という面での演出力は格段にレベルが上がっており、約3時間があっという間に感じるほどでした。

 

進化し続けること

この「進化し続けること」という仕事観は本当に大切で、私たちの仕事においても絶対に重要なことです。大学入試の制度改革に関する話題は今年大きく報道された通りで、教育は時代に合わせて日々変化しています。そして、その教育に携わる私たちも軸をブラさないことは大前提としても、様々な面で変化・進化することは必要でしょう。何よりも、私たちは子どもたちに成長を促す立場なんですから、その私たちが進化し続けていないと話にならないわけです

私が尊敬する個人塾の先生方全員に共通することは、まさに進化し続けているということです。リアルにお会いした方やTwitterやLINEグループ(爆裂個人塾長会議)で絡ませてもらっている先生方の中には、10年以上、いや塾によっては20年以上もそれぞれの地域で生き残っている方も多くいらっしゃいます。それだけでも十分凄いのに、常に現状で満足せずに新しいチャレンジや変化をされています。それは講師個人としてもそうですし、塾自体としてもそうです(まぁ、個人塾の場合は講師=塾でもありますが)。

もちろん、この「進化し続けること」が大切なのは個人塾に限ったことではありません。私の大手塾時代にも、身近で常に進化・成長を求める講師は何人もいましたし、そのような先生方には無条件で尊敬の念を抱いていました。しかし一方で、明らかに5年前や10年前の焼き直しにしかなっていないような(あえて良くない言葉を使うと)ショボい授業をする講師も残念ながらたくさんいました。

私が大手塾を辞めた理由の一つには、このような環境があったと思います。そして「大手塾の教室長」という枠の中ではなく、最も大きな世界で進化・成長したいと思うようになったのです。幸いにも、前述の通り、今の私の周りには進化を続けている先輩方だらけです。そして、最も身近な存在である理系の佐々木も確実に進化しています。こんな最高な環境があるでしょうか?・・・いや、ない!反語表現です

2020年、私・上村個人もフォルテも当然進化し続けます。それでは皆様、よいお年をお迎えください。

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