2024年度神奈川公立入試「社会」全問解説

こんにちは、文系担当の上村です。

今回は、先日行われた2024年度(令和5年度)の神奈川県入試「社会」を全問解説します。

※昨年度(2023年度版はこちら

問題全体の形式と難易度

まず全体としては大問7つの計34問(昨年度よりも1問増加)の構成で、昨年同様すべて記号選択形式でした。ただし、複数の空所の穴埋めが完答で初めて得点になるものが多いため、34問のうち選択肢が9つある問題が1問、8つある問題が6問、6つある問題が8問となっています。ですので、他県の一般的な入試問題に比べると選択問題でありながら、問題によっては正答率がとても低くなるものもあるでしょう。

ちなみにほぼ同様の形式で出題された昨年土では、最も正答率が低い問題が公民の□6の(オ)で30.2%(一昨年度は歴史の□4の(ウ)で、39.2%)でしたが、今年はさらにそれよりも正答率が低い問題もありそうです。

私の全体的な印象としては、知識で解ける問題が多くなった一方で、細かい知識まで問う問題が複数あるので、昨年度以上に9割以上を取るのが難しいかなというところ。ちなみに昨年度の入試では91~100点を取れている受験生は全体の9.5%(うち100点が1%)でした。

実際にフォルテの生徒の自己採点の様子を見ていると、昨年度の合格者平均が58.4点に対して5点近く下がって53~55点くらいになるのではないかと思います。

 

問題ごとの解説□1

(ア)について。日本の気候や日本の周りについての出題です。(あ)は季節風に関してで、「夏が南東の季節風」で「冬が北西の季節風」であることをふまえて Q を選びます。(い)は日本の周りの海に関しては大陸棚(→日本の周りの水深200mくらいの浅瀬)と海溝(→海底のプレートが沈み込んで水深が深いところ)の知識から 海溝 を選びます。(う)は日本の東側に広がっている海洋なので 太平洋 です。なので答えは5です。

(イ)について。まず、設問に注目して緯線と経線が5度ずつ引かれていることを確認しましょう。そして、以下のように書き込みをします。このように常に赤道や日付変更線(に加えてもちろん本初子午線も!)は世界地図の中で線を引く癖をつけましょう。そこで、灰色に塗られている範囲が 北緯30度~南緯15度 であることを読み取ります。そして、日本の標準時子午線が東経135度で、国A(=カンボジア)の経線が東経105度なのでその差は30度分。そこで時差を求めると、30度÷15=2時間です。なので答えは2です。

(ウ)について。東南アジアの宗教について、東南アジアは国によって主に信仰されている宗教が大きく異なるので注意が必要です。今回は国B(=フィリピン)なのでキリスト教です。なので答えは3です。ちなみに1は仏教、2はイスラム教、4はヒンドゥー教についてです。東南アジアの国の分布と宗教は以下を確認しましょう。

(エ)について。これは地図上から赤道付近の島々なので1を選びましょう。2の「フィヨルド」と言えばヨーロッパのスカンディナビア半島。3の「永久凍土」は高緯度の寒帯地域。4の「梅雨」は日本の太平洋側のこと。

(オ)について。まずはオセアニア州とアジア州の結びつきについてなので、貿易に関するYを選びます。次に同じくアジア州を含む太平洋沿いの国々で年に1度開かれているAPEC(アジア太平洋経済協力)についての a を選びます。なので答えは4です。白豪主義はかつてオーストラリアで行われていた「ヨーロッパ系以外の移民を制限する政策」です。また、先住民などに関しては以下を覚えておきましょう。

 

問題ごとの解説□2

(ア)について。雨温図の問題で、つくば市と富山市と高松市を判別する問題。富山市は日本海側なので冬の降水量が多いQ、高松市(香川県)は瀬戸内の気候で年間を通して降水量が少ないのでP、つくば市は消去法でRと判断します。なので答えは6です。

(イ)について。レポートの中の「火山灰が堆積してできた赤土」に注目して関東ロームと判断します。なので答えは3です。ちなみに、シラス台地は九州南部に広がる火山灰が降り積もった台地、フォッサマグナは日本列島を東西に分ける地溝帯、カルデラは火山の噴火でできたくぼんだ地形です。

(ウ)について。神奈川の入試で地形図の断面図の出題は久々ですね。断面図の問題の鉄則としては、まずは「両端の高さに注目する」ことです。そして、等高線をヒントに考えると今回はXとYがほぼ同じ標高であることがわかるので、1か2に絞ります。次のポイントは「間の地形に注目する」ことです。そうすると、等高線から山が2つあることがわかるので1が答えだとわかります。

(エ)について。そもそも昼夜間人口比率というのは【昼間人口÷夜間人口×100】で求められます。そう考えると、この比率が高まるということは、「夜間人口に対して昼間人口の方が増えている」ということです。なのでXは反対のことを言っているので誤りです。また、つくば市の人口を考えると、夜間人口がそれに限りなく近いので、夜間人口の推移を読み取ります。すると、年々増加し続けているのでYも誤りです。なので4が正解です。

(オ)について。ここでは1~4の選択肢に目を通すと2の選択肢が割合の計算を必要とするので、正誤を判断するのに手間がかかるとわかります。こういった面倒な計算を必要とする選択肢は後に回して、他にすぐに判断できる選択肢から見ていくのが良いでしょう。すると、今回の表中の国は全部北半球なので1は×。表中でのEU加盟国はドイツとフランスとイタリアで、その合計は271,124で、日本を上回っているので3は×。第二次世界大戦中に日本が同盟を結んだ国はドイツとイタリアで、この2カ国は表中に含まれているので4も×。ということで消去法で2が正解とわかります。

 

問題ごとの解説□3

(ア)について。【あ】は「東大寺」「仏教の力で国家を守ろう」に注目して、奈良時代の聖武天皇と判断します。桓武天皇は都を平安京に移した天皇ですね。【い】は聖武天皇の頃の天平文化に関連した正倉院のことなので、「西アジアやインドから中国にもたらされ、遣唐使が持ち帰った」の方だとわかります。「唐風の文化をもとにしながらも、日本の風土や生活に合わせてつくられた」の方は、平安時代の後半に栄えた国風文化についてですね。なので答えは4です。

(イ)について。aは地形図を参考にすると荘園の南端付近は等高線になっているので×。bは地形図の地図記号に注目すると「田」が広がっていることがわかるので〇。cは、743年に定められた墾田永年私財法によって「新たに開墾された土地の所有」が認められ、それがのちに荘園と呼ばれるようになったという知識から〇。dは「地頭」は鎌倉時代に登場するキーワードなので、8世紀後半という資料の年代とは合わないので×。なので答えは3です。

(ウ)について。ここはシンプルな時代判別で、Ⅰは「鎌倉府」とあるので室町時代、Ⅱは「豊臣秀吉」となるので安土桃山時代、Ⅲは「後鳥羽上皇」とあるので鎌倉時代。なのでⅢ→Ⅰ→Ⅱとなり、答えは5です。

(エ)について。「う」は、写真2から鎌倉時代につくられた東大寺南大門の金剛力士像と判断しましょう。阿弥陀如来像は、平安時代後半に浄土信仰に基づいて建てられた平等院鳳凰堂や中尊寺金色堂に代表される阿弥陀堂に置かれたものです。「え」は同じ鎌倉時代のことなので「モンゴル帝国が建設された」を選びます。「ヨーロッパで宗教改革が始まった」のは1517年で室町時代の後半。「唐が滅亡した」のは907年で平安時代(894年に遣唐使が停止されたすぐ後と覚えておこう)。なので答えは2です。

(オ)について。17世紀は1601年~1700年なのでXを選びます。ちなみに17世紀は江戸時代前半で初代将軍・徳川家康~5代将軍・徳川綱吉までの期間というイメージを持っておきましょう。次にaの「質を落とした貨幣が大量に発行され」は江戸幕府の5代将軍・徳川綱吉の政策で17世紀後半のことなのでaが正解です。なので答えは1です。bの「士族の特権が奪われた」のは、明治維新のころなので19世紀後半です。cの「天明のききん」は老中・田沼意次の頃に起こったので18世紀後半です。

 

問題ごとの解説□4

(ア)について。「お雇い外国人」は、明治初期の殖産興業で活躍した外国人の技術者です。なので答えは3です。ただし、それを知らなくても表の右側に「岩倉使節団がアメリカ合衆国に到着した」とあるので明治初期に関連した言葉だと判断します。そこで、1は「満州事変」とあって1931年~なので昭和の前半。2は「日本政府に対して、大日本帝国憲法の改正を指示した」のは戦後のGHQのことなので1945年~で昭和の前半。4は「鎖国」とあるので江戸時代。ということで消去法でも3が選べます。

(イ)について。Xは、南満州鉄道のことで、日本は日露戦争後のポーツマス条約でその利権を得たので〇です。Yは、1915年の二十一か条の要求は日本が中国に対してドイツ領の山東半島の権益を求めたものです。当時、「い」で示された朝鮮半島は日本が統治していたので×です。Zは、「う」の島は台湾で日本は日清戦争後の下関条約で日本が得た島です。日本が第一次世界大戦後に委任されたのは南洋諸島です。南洋諸島は、サイパン島などの太平洋の赤道付近の島々です。個人的にはこの問題が今年の入試で最も正答率が低い問題なのではないかと思います。

(ウ)について。線③の時期は東京オリンピックとあるので、1964年です。つまり高度経済成長期(1955~1973年)のことです。1は、「初めて鉄道が敷設」に注目し、横浜ー新橋間に鉄道が開通されたのが1872年。2は、「テレビが一般の家庭に普及」に注目し、三種の神器や3Cといった家庭電化製品の普及が1950年代後半~1970年代なので2が正解です。3は、「義務教育の就学率が初めて90%をこえた」に注目し、明治末期の1900年頃。4は、「個人による携帯電話の保有」に注目し、それは2000年代と判断します。

(エ)について。ここでは選択肢9つということで、去年にない形式でした。ただし、冷静に判断すればそこまで難しくはありません。労働者の権利に関することなのでZのストライキを選びます。Xのレジスタンスは、第二次世界大戦中にドイツに占領されたフランスで起こった反対運動のことです。Yのリコールは、地方自治で首長や議員の解職請求のことです。次のaは日本国憲法の条文なので×。bは、日本国憲法で認められた団結権は労働組合を結成する権利なので〇です。なので8が正解です。cは、戦後間もなくの1940年代後半~50年代前半にかけて労働組合の数減少しています。ただし、これを知っている中学生はほとんどいないので、bの内容で判断しましょう。

(オ)について。ここはシンプルな年代暗記で解きます。Ⅰは「イタリアのエチオピア侵略」は1935年(1929年の世界恐慌のすぐ後と覚える)、Ⅱは「大西洋憲章」は1941年、Ⅲは「中華人民共和国建国」は1949年です。なのでⅠ→Ⅱ→Ⅲとなり、1が正解です。

 

問題ごとの解説□5

(ア)について。1は、財やサービスの代金の支払いは「家計→企業」なので×。2は、公共事業は政府が企業に仕事を発注して、その費用を支払う「政府→企業」なので〇となり、2が正解です。3は、消費税は間接税で「家計→企業」に支払われたものが、「企業→政府」に納付されるので×。4は、紙幣の発行は日本銀行の仕事なので×です。ちなみに日本銀行の役割は、「発券銀行(紙幣の発行)」「政府の銀行」「銀行の銀行」の3つです。

(イ)について。社会保障(制度)は憲法25条の生存権を具体的に保障した制度です。なので憲法25条についてのXを選びます。またその社会保障制度の財源は税金と保険料なのでaを選びます。なので1が正解です。bのような政府が整備する施設は社会資本です。ちなみに以下が社会保障制度の四本柱です。

(ウ)について。1ドル=86.55円が1ドル=132.56円になるということは、円安になるということ。なので円の価値が低くなることです。これは商品の価格と一緒で、「需要が多ければ価値が高く」なり、「需要が少なければ価値が低く」なります。なので、円の価値が低くなるのは「円の需要が少ない(=円をドルに交換する人が多い)」ときです。また、円安の際は、日本企業にとって輸出が有利になります。なので答えは7です。以下を基本として覚えておきましょう。

(エ)について。銀行を仲介とするお金のやり取りを間接金融で、銀行の利子について。基本は、【貸し付けの利子>預金の利子】でその差額が銀行の利益になるので3が正解です。

(オ)について。日本銀行の金融政策について問われているので答えは4です。ちなみにデフレーションは、不景気の際に起こりやすい「物価が下がり続ける現象」です。1~3はすべて政府が行う財政政策です。金融政策と財政政策についての基本は以下です。

 

問題ごとの解説□6

(ア)について。1は、国際連合の設立は第二次世界大戦後の1945年なので×(冷戦の終結は1991年)。2は、安全保障理事会は15カ国で構成され、アメリカ・フランス・ロシア・中国・イギリスの5カ国が常任理事国、その他の10カ国は2年ごとに変わります。拒否権を持っているのは常任理事国の5カ国だけなので×。3は、PKO(国連平和維持活動)のことなので〇となり、3が正解です。4は、1968年の核拡散防止条約では安全保障理事会の5カ国以外の核兵器保有を禁止すると定められました。ちなみにそれ以降もインドやパキスタンや北朝鮮などが核実験→核兵器の保有をしています。

(イ)について。「あ」は貧困地域なので、「サハラ砂漠以南のアフリカ諸国」を選びます。「ペルシア湾岸の西アジア諸国」は原油の産出国が多いため、貧困地域とは呼べません。また、現在多く使われている化石燃料(石油や石炭)を用いると、大量の二酸化炭素を発生することから、環境への悪影響が叫ばれています。それに対して、環境にやさしい代替燃料が使われるようになっており、その例がサトウキビなどを原料にしたバイオ燃料です。なので「い」はバイオマスを選びます。なので答えは2です。

(ウ)について。Xは、各省の長である国務大臣は、内閣総理大臣が「その過半数を国会議員から任命しなければならない」ので×。Yは、内閣の構成員(内閣総理大臣とその他の国務大臣)による会議が閣議なので〇。Zは、弾劾裁判は国会で行われる裁判を裁く裁判なので×。なので答えは6です。

(エ)について。Xについては、選挙権についてのことので〇。ただし、ここで判断できなくてもYの「法律が憲法に違反してかどうかについての国会の判断は、最高裁判所の判断に優先される」の部分が明らかに誤っているのでXが正しいと判断できる。Yの違憲立法審査権は裁判所が持つ権限で、その中でも最高裁判所の決定が優先されます。aは三権分立における内閣の仕事の1つなので〇です。なので1が正解です。bは、三審制についてですが、3回の裁判はそれぞれ別の裁判所で行うので×です。三審制については、第一審に不服の場合に第二審へ進むための手続きを「控訴」、第二審に不服の場合に第三審へ進むための手続きを「上告」というのを覚えておきましょう。

(オ)について。ここでは、事業者が「必要かつ合理的な配慮」を行うことによって、障がい者の権利の保障する、という内容なので4が正解です。

 

問題ごとの解説□7

(ア)について。ネパールとブータンということで一見難しそうだが、基本的な知識で解け、なおかつ消去法でも十分対応できる。1は、AUはアフリカ連合なのでアジアの両国には関係ないので×。2は、世界で最も面積が大きい国はロシアで、この2カ国が隣接しているのは中国なので×。3は、アルプス・ヒマラヤ造山帯に位置しているので〇。なので3が正解です。4は、乾燥帯のステップで有名なのはモンゴルなので×です。

(イ)について。日本の国際社会復帰は1951年のサンフランシスコ平和条約での話なので、Xが正しいです。Yの世界恐慌は1929年のことなので年代がまったく違います。Zは、日本は常任理事国ではないので×です。aとbに関してもサンフランシスコ平和条約のことなのでbを選びます。なので答えは2です。

(ウ)について。「あ」の前の「製品を先進国の人々が公正な価格で購入する」に注目してフェアトレードを選びましょう。なので1が正解です。2のエコツーリズムは、観光業と環境保全を両立させる考えで、北海道の知床半島(世界自然遺産)で習いましたね。3のモノカルチャー(経済)は、国の収入を特定の農作物や鉱産資源の輸出に依存している状態です。4のマイクロクレジットは、主に発展途上国の人々の起業をしたい人々に対して、少額の資金を無担保・低金利で貸し出すことです。マイクロクレジットは、他県の入試でも最近よく見かけます。

(エ)について。Xは、資料3の対インド・バングラデシュ・フィリピン・インドネシアの数値をすべて足すと7656.4で、これは世界計の42.9%にあたるので〇。Yは、「一人あたりの国民総所得」が小さい国はネパール。「贈与」は資料2によると「無償資金協力」「技術協力」の2つの項目を指しているとわかります。そして、資料4からスリランカとネパールそれぞれの合計に占めるこの2つの項目の割合を求めると、スリランカは12.6%、ネパールは49.7%なので×です。Zは、資料5によると「債務の罠」と批判されているのは港湾や鉄道などのインフラ案件なので、人材育成を目的とする技術協力とは別なので×です。なので4が正解です。

 

まとめ

今年も上位層は、地理はほぼノーミスでいけるはずなので、歴史と公民で如何に失点防ぐかが高得点へのカギです。そして、歴史で確実に点数を確保するためには時代判別と年代暗記が不可欠です。さらに、今年の入試は問4(イ)のように領土や条約の内容に関する細かい知識まで問われる問題がありました。この辺の問われ方の細かさは、どちらかというと中学校の定期テストに少し近い感じを受けました。

資料の読み取り問題は相変わらずありますが、単なる読み取りだけでなくある程度の知識を前提としたものあるので、受験生は早い段階で地理と歴史を仕上げて、夏以降で多く演習問題を通して細かい知識を身につけていきましょう。解説でも何度も登場していますが、正解に直接つながるピンポイントの知識がなくとも、ある程度の知識があれば消去法で解ける問題も多数あります。

今回は以上です。ではまた!

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2023年度神奈川公立入試「社会」全問解説

こんにちは、文系担当の上村です。

今回は、先日行われた2023年度(令和5年度)の神奈川県入試「社会」を全問解説します。

問題全体の形式と難易度

まず全体としては大問7つの計33問の構成で、昨年同様すべて記号選択形式でした。ただし、複数の空所の穴埋めが完答で初めて得点になるものが多いため、33問のうち選択肢が8つある問題が7問、6つある問題が7問となっています。ですので、他県の一般的な入試問題に比べると選択問題でありながら、問題によっては正答率がとても低くなるものもあるでしょう。

ちなみにほぼ同様の形式で出題された昨年では、最も正答率が低い問題が歴史の□4の(ウ)で、39.2%でしたが、今年はそれ以上に正答率が低い問題もありそうです。

実際にフォルテの生徒の自己採点の様子を見ていると、昨年度の合格者平均が62.4点に対して5点近く下がって57~58点くらいになるのではないかと思います。

※追記:後日、教育委員会から発表されたデータによると、合格者平均は58.4点でした!

 

問題ごとの解説□1

(ア)について。農作物の生産量ランキングに関する問題です。まずオリーブといえば、ヨーロッパの地中海式農業を頭に浮かべて、ヨーロッパの地中海沿岸のスペインやイタリアがランクインしているYを選びます。次にとうもろこしは、世界一の生産量を誇るのがアメリカというのは覚えておくべき知識ですが、万が一それがわからなければブラジルでのバイオ燃料(バイオエタノール)で さとうきび や とうもろこし が原料として用いられているという知識をヒントにしてXを選びます。また綿花に関しては栽培が盛んな具体的な場所として1位のインドのデカン高原は覚えておくべきで、2位の中国の印象はなかったかもしれませんが、3位のアメリカは南東部でかつて黒人の奴隷による綿花栽培がさかんであったという歴史的な背景も含めて覚えておいてほしいレベルのものなので、そう考えるとZを選べます。なので正解3です。

(イ)について。この手の問題はまず地図中に「赤道」「本初子午線」「日付変更線」を確実に書き込めるようにしましょう。また、問題文に緯線や経線が何度ごとに引かれているのかが書かれているので、そこも正確に把握しましょう。すると、Pの線は赤道から2本分南にあり、今回緯線は45度ごとに引かれているから南緯90度とわかります。また、Qが日付変更線で、日付変更線を東から西にまたいでいるので日付を遅らせます(1日戻します)。なので正解は6です。

(ウ)について。ここはAの国がニュージーランドなので、その先住民であるマオリを選びます。また、以下は覚えておきましょう。なので正解は5です。

(エ)について。Bの国はブラジルです。南アメリカ州はブラジルだけが元々ポルトガルの植民地だったのでポルトガル語を公用語としており、その他の国々は元々スペインの植民地だったのでスペイン語を公用語としています。このようにスペインやポルトガルが世界の中心だったのは大航海時代(15世紀~16世紀=日本の室町時代後半~安土桃山時代)の話です。なので正解は1です。

(オ)について。まずは設問の「適切でないもの」を選ぶというのに注意。あとは、この手の読み取り問題では注目すべき部分が「量や金額自体の数字」なのか「割合」なのかを正確に判断することが必要です。4が正解ですが、これは「工業製品」がどの品目を指すのかを判断する必要があります。エチオピアでは「衣類」で5.5%、ザンビアは「セメント」「機械類」で3.1%、ボツワナは「機械類」「ソーダ灰」で4.3%(ちなみに「ソーダ灰」とは高純度の炭酸ナトリウムのことです)、南アフリカ共和国は「自動車」「機械類」で17.4%です。なので正解は4です。

ここはどれも正答率が高いでしょう。世界地図に関しては、どのような地図が出題されても、見慣れているであろうメルカトル図法でいうとどの部分なのか?という置き換えが出来るようにしましょう。そのために、(繰り返しになりますが)ヒントとなる「赤道」「日付変更線」「本初子午線」を正確に書き込めるようにしましょう。教科書に載っている農作物や鉱産資源の生産量に関する上位国をしっかり押さえておきましょう。

 

問題ごとの解説□2

(ア)について。ここでも「適切でないもの」を選ぶので注意。地形図の読み取りで、答えは3ですが、今回は地形図の下に「2万5千分の1」という縮尺が載っているので、計算すると「2cm×25000=50000cm」となり、単位を変換すると「500m」ですね。1については、このような鍵穴のような形の古墳を前方後円墳と言います。2については、古墳の中に44という数字があるのが分かります。4は「∴」という地図記号と共にいくつかの古墳名が周りにあります。

(イ)について。まずXは、以下のように65歳以上部分に書き込みをすることで、パッと見で2022年の方が割合が高いとわかるので×。次にYも同様に、該当する部分を書き込んで囲むと2012年の15~24歳の方が割合が高いとわかるので×。なので正解は4です。

(ウ)について。今回は「適するもの」を選びます。答えは4です。資料3に注目し、人口密度は「人口÷面積」で求めるので、各区を計算すると「北区」が最も数字が大きくなります。そして、資料4で北区を確認すると地下鉄御堂筋線が通っていることが分かります。1は、人口が12万人未満の区は「中区」と「東区」と「美原区」の3つですが、そのいずれの区もJR阪和線は通っていません。2は、面積が20km²の区は「中区」と「東区」と「北区」と「美原区」で、そのうち「東区」と「中区」は1つの路線しか通っていなく、「美原区」には1つも路線が通っていない。3は、面積が最も小さい区は、「東区」で南海高野線と泉北高速線が通っている。

(エ)について。今回は問われているのが連雲港市(中国)で、温帯の温暖湿潤気候なので、「四季の変化がある」「季節風の影響で夏に降水量が多い」ことが基本。その時点で、1を選べます。ちなみに他は、4が「一年中気温が高く」「APEC首脳会議が開催」からダナン市(ベトナム)、2は「気温は7~8月が低く1~2月に高い」とあるので南半球と判断してウェリントン市(ニュージーランド)、3は「夏に極端に雨が少なく乾燥しており」から地中海性気候のバークレー市(アメリカ合衆国)とわかる。

ここでもそこまで難しい問題はないため、それぞれ正答率は高いでしょう。資料の読み取り問題は、地図同様に直目すべき部分に書き込みをして、視覚で判断できるようにすると時短や正答率アップにつながるでしょう。

 

問題ごとの解説□3

まずここでは、旧石器時代~江戸時代までのことがらの時代判別ができるようにしておくのが大切です。最初の表には以下のような書き込みができると良いですね。

(ア)について。[ あ ]は「農地を増やすため」とあるので墾田永年私財法が入ると判断できます。班田収授法は「6歳以上の男女に口分田を与えること」を定めた法令です。[ い ]は「荘園や公領ごとに」なので地頭が入ります。守護は地頭と同じ時期に「国ごとに」おかれました。[ う ]は太閤検地の内容なので石高(米の収穫量)が入ります。地価は、明治維新の地租改正(1873年)のときに用いられる語句ですね。なので正解は6です。

(イ)について。Aの期間は「奈良時代半ば~平安時代の最後」の内容なので、3を選びます。1は「日蓮」とあるので鎌倉時代、2は「雪舟」とあるので室町時代、4は「最初の仏教文化」とあるので飛鳥時代。

(ウ)について。ここでも各選択肢のキーワードを拾っていって時代判別すればいいだけです。Ⅰは「フランシスコ=ザビエルが、日本にキリスト教と伝えた」とあるので1549年(室町時代末期)、Ⅱは「元軍」とあるので鎌倉時代、Ⅲは「足利義満」とあるので14世紀末(室町時代前半)となります。なので、Ⅱ→Ⅲ→Ⅰで4が正解です。

(エ)について。まずは資料は真ん中の写真が銅鐸で、左のイラストは臼(うす)と杵(きね)で米を付いている様子で、右のイラストは収穫した稲を保管した高床倉庫です。なので、稲作が伝わった弥生時代の内容を選ぶので2とわかります。1は「打製石器」とあるので旧石器時代、3は「海面が上昇し」は氷河時代の終わりを指しているので縄文時代。4は「渡来人」とあるので古墳時代。

(オ)について。まずはグラフが「百姓一揆の発生件数」なのですぐにXは選べます。Yは、1792年にロシア人使節・ラクスマンが根室に来航して以降の話なのでグラフ中の年代としては間違えではないですが、内容的に関係ないです。またa~dに関してはそれぞれの時期を年代で覚えているかどうかなので、ちょっと難易度が高いかもしれません。aは松平定信の政策なので老中在任期間が1787年~1793年なので〇です。bは日本人の海外渡航の禁止は鎖国政策の1つで1635年ですから×です。cは田沼意次の政策なので老中在任期間は1760年~1786年ですから×です。dは日米和親条約の内容なので1854年なので×です。なので答えは1です。ちなみにYに関連して、外国船の接近関連は以下を覚えておきましょう。

ここではほとんどが時代判別と基本的な知識で正解できるのですが、(オ)は江戸時代の中での判別となるので正答率が最も低くなるでしょう。

 

問題ごとの解説□4

ここでは何と言っても幕末以降の出来事の年代暗記が点数を取るカギです。ですから、表に以下のような書き込みができると良いですね。

(ア)について。これは下関条約の内容なので、この条約では遼東半島・台湾・澎湖諸島などが日本の領土になりましたので、[ あ ]は台湾とわかります。また、ワシントン会議の内容は国ごとに海軍の主力艦の保有数を宣言することだったので[ い ]は「海軍の軍備を制限する」とわかり4を選びます。また、年代暗記をしていればワシントン会議は1921年、国際連盟発足は1920年となるので間違えることはありません。

(イ)について。ここでは、「樺太が日本の領土ではなく、千島列島が日本の領土になっている」ことを読み取りましょう。このようなロシアとの国境に関しては日露和親条約(1854年)と樺太・千島交換条約(1875年)が関連して、日露和親条約では「樺太が日本領、千島列島がロシア領」となりましたが、樺太・千島交換条約では「樺太がロシア領、千島列島が日本領」となりました。なので、Yの樺太・千島交換条約の方だとわかります。また、a~cに関しては、aがシベリア出兵(1918年)、bが北海道の開拓のことで明治初期(1868年~1870年代前半)、cは太平洋戦争の最後(1945年8月)なのでbとわかり、答えは5になります。

(ウ)について。資料1中の第1条に注目して2を選びましょう。表の内容からこれがサンフランシスコ平和条約(1951年)とわかっていれば、1は日中共同声明(1972年)、3は小笠原諸島返還(1968年)、4は日ソ共同宣言→日本が国連加盟(1956年)と判断できるので消去法でもいけます。

(エ)について。まず自衛隊の結成は1954年です(1950年警察予備隊→1952年保安隊→1954年自衛隊)。そしてこのころの日本経済は、1950年に起こった朝鮮戦争による特需で1955年~1973年の高度経済成長へとつながります。ですから1とわかります。2は第一次世界大戦中(1914~1918年)の大戦景気、3は第四次中東戦争→石油危機(1973年)、4は世界恐慌の影響(1929年~)となるのでいずれも時期が違います。

(オ)は、1は大正デモクラシーのころで大正時代は1912~1925年、2は犬養毅首相が暗殺された五・一五事件で1932年、3は国家総動員法で1938年、4は戦後初の衆議院選挙で1946年なので、時期が一致しているのは3となります。

□4こそ用語やその内容、前後関係、そして年代暗記ができていないとポロポロと落としてしまう問題ばかりなので、差が出やすい大問と言えるでしょう。おそらく(ア)と(エ)が比較的正答率が低いでしょう。

 

問題ごとの解説□5

ここでは、公民の経済分野の基本知識と資料の読み取りがメインです。ただし、資料の読み取り問題では選択肢の内容を理解できるかどうかが大きなポイントになりそうです。

(ア)について。これは一定数の受検者がいかにも引っかかりそうな良い問題ですね。ただ、為替相場について知識があれば2020年が円高になっているとわかるので3とすぐにわかります。それ以外だと見た目の数値ですぐわかるのは1ですが、これは明らかに誤りとわかります。2と4はそれぞれ割合なので計算が必要です。ただし、何もそこまで厳密な計算をする必要はありません。2であれば、「労働力人口」に対して「第2次産業の就業者数」が約何分の1かをざっくり計算すると、1964年が約3分の1くらい(=33%前後)で、2020年が約4分の1~5分の1くらい(=20~25%前後)となります。4であれば、「テレビ1台の価格」自体の値段はそこまで大きく変わっていませんが、「世帯の収入」が約10倍に増えているので、その分テレビの価格の占める割合は下がっているとひっ算などを書いて計算するまでもなくわかります。こういったざっくりとした計算の感覚があるかないかは、この手の問題を解く上で大きい差になります。

(イ)について。Xは、表を見ると「1世帯当たりの人員」が減っているので、その分単独世帯が増加したことが予想できるので〇。Yは、2020年の「平均週間就業時間」は39.6時間ですが、労働基準法での上限は40時間なので×。

(ウ)について。ここは日本銀行による金融政策と政府による財政政策、そして価格についての知識が問われるシンプルな問題でした。金融政策と財政政策についての基本は以下です。

このため、1が正解で、2が誤りとすぐわかります。またインフレーションは「継続的に物価が上がること」で、デフレーションは「継続的に物価が下がり続けること」なので、3は希少性が高くなると価格は上がるはずなので誤りです。4は、水道代や電気代のような国や地方公共団体が認可・決定する価格は「公共料金」といいます。この他、需要量や供給量のバランスで決まる価格は「均衡価格」、少数の企業が一方的に決める価格は「独占価格」といいます。

(エ)について。ここは株式会社と金融に関する知識を問う問題です。まず金融は「直接金融」と「間接金融」に分かれます。株式会社が株式を発行し、投資家が証券取引所でそれを購入することを「直接金融」といい、銀行や信用金庫などの金融機関を介したお金のやり取りを「間接金融」と言います。なので[ あ ]と[ い ]は「直接金融」と「証券取引所」とわかります。あとは、株式会社での株主の権利と責任で、「株主総会への出席や利益の一部を配当として受け取る」権利がある一方で、「出資額を失う以上の責任を負う必要はない」ので4が正解とわかります。

(オ)について。Xは、給付額の合計が圧倒的に増えているので、年金の給付を受ける人の数は増えていると思われるので×。Yは、「国民所得に占める給付額の割合」は「給付額」÷「国民所得」×100で求めて、1965年が約6%なのに対して2019年は約30%と高くなっているので、財政上の役割は増していると考えられるので×。Zは、まず前提として「社会保障の負担額」のうちの「公費」に当たる部分が「社会保障の財源に占める税金の割合」であるということがわかるかですが、正直中学生には難しいと思います。ただ、それがわかると1965年が約32%に対して、2019年は約39%と高くなっているので〇。なので7が正解です。

ここはやはり(オ)の正答率が低いのではないかと思います。

 

問題ごとの解説□6

ここでは、公民の政治分野と国際関連の知識を問うのがメインです。

(ア)について。問3同様に時代判別で一発です。Ⅰは「観阿弥・世阿弥」「能楽」とあるので室町時代、Ⅱは「歌舞伎」「近松門左衛門」とあるので江戸時代、Ⅲは「千利休」とあるので安土桃山時代でⅠ→Ⅲ→Ⅱで2が正解とわかります。

(イ)について。大意としては「1人の人物や1つの機関に権力が集中すると自由がない」とのことで三権分立とわかるので4が正解とわかる。

(ウ)について。公共の福祉による人権の制限の例として最も挙げられやすいのは経済活動の自由についてです。これは、一部の職業に資格が必要なことで職業選択自由が制限されたり、感染症による入院や隔離の措置で居住・移転の自由が制限されたり、地域の条例によって財産権が制限されたりします。なので今回は3が正解とわかります。他にも、他人への人権侵害やプライバシー侵害によって表現の自由が制限されたり、公務員が労働基本権の一部が制限されたりというのもあります。

(エ)について。ここでは選択肢のつくりから、「aとb」「cとd」「eとf」のそれぞれでどちらかが合っているので、明らかな誤りの選択肢を見つけることで消去法でも解けます。また表1では、議員数・解散の有無・被選挙権から議院Aが衆議院、議院Bが参議院とわかります。そのため、aが誤りでbが正しいとわかります。衆議院の任期は4年で、さらに4年経つ前に解散によって総選挙が行われる場合もあります。またcは比例代表制のことを言っているので、衆議院・参議院の両方で採用されてるのでcは正しいとわかります。dは「選挙権」は選挙に要評する権利、「被選挙権」が選挙に立候補する権利なので誤っているとわかります。表2では、「連立政権」は複数の政党が与党として協力して政権を担当すること、「法律案の再可決」が衆議院の3分の2以上の賛成によって可能であることを考えるとeが正しく、fが誤っているとわかります。なので答えは5です。

(オ)について。まず基本知識として「京都議定書(1997年)」は先進国に対して温室効果ガス排出量の削減目標を定めたもので、「パリ協定」はすべての国に対して温室効果ガス排出量の削減目標を定めたものであるということです。あとは、温室効果ガスの排出量について現在は中国が1位ですが、中国が世界1位になったのは2000年代なので、1997年当時の排出量1位はアメリカでした。ですので、答えは1です。

ここでは、正答率で言うと(ア)~(ウ)は高く、(エ)と(オ)が比較的低くなるでしょう。

 

問題ごとの解説□7

(ア)について。[ あ ]は温暖な水辺に見られる常緑広葉樹なので、マングローブとなります。バナナは熱帯地域で栽培され、世界の生産量ベスト3はインド、中国、フィリピンです。なつめやし は乾燥帯地域の植物です。ちなみに一般的にヤシの木とされるココヤシや、パーム油の原料であるアブラヤシは熱帯地域の植物なのでここは区別できるようにしましょう。またサンゴ礁に関しては、沖縄のような温暖な海辺にありますが、これは植物ではありません。また、[ い ]は沖縄が日本で最も台風が襲来する地域であるという知識からすぐわかるでしょう。なので答えは6です。

(イ)について。ここでは第二次世界大戦中の沖縄での様子について問われているので、沖縄では日本で唯一地上戦が行われたので2が正解です。1は、原爆が投下されたのは広島と長崎なので×。3は、終戦時に満州などにいた日本人の話なので×。4は、潜水艦が新兵器として用いられたのは第一次世界大戦のことです。

(ウ)について。線②の内容から、琉球王国が室町時代に行っていた中継貿易の内容とわかるので2が正解とわかります。ちなみに1は日明貿易が行われていたころの明のこと、3は1600年ごろのイギリスやオランダのこと、4の朱印船貿易は17世紀初頭~鎖国が行われるまで(江戸時代の確立期)です。

(エ)について。まず資料3は内容的に日米安全保障条約(1951年)であることをおさえます。それを踏まえてaとbを読むと、aが1945年以降の冷戦の話なので正しいとわかります。ちなみにbについては、領事裁判権の撤廃が日英通商航海条約(1894年)、関税自主権の回復が日米通商航海条約(1911年)です。次にcについて資料4を見ながらいくと、資料中で東アジアの国としては中国、日本、韓国の3カ国があり、その中では中国が最も防衛費が高いので×。dは、資料4から国内総生産額が最も低い国を求める問題です。割合の計算ですが、1つ1つ計算はせずに「防衛費が少なく、国内総生産額に対する割合が高い」国を考えます。そうするとサウジアラビアとわかるので×。またこういった感覚がない場合は、計算を必要とする選択肢はあとに回すというのも解く時間に余裕がない子にとっては有効です。eは、まず核保有国として国際連盟の安全保障理事会での常任理事国(アメリカ・フランス・ロシア・中国・イギリス)を頭に浮かべます。その上で資料5では中心から500kmごとに円が描かれているので、一番外側が中心から2000kmとなります。そうなると明らかに中国の領土が入っているのでeは正しいとわかります。なので正解は3です。

 

まとめ

今年も地理は難易度が低いので、上位の子たちはほぼノーミスでいけてほしいですね。また、歴史は時代判別と年代暗記(本当に大事!)で取れる問題を確実にとることが大事です。フォルテ生でもこの部分が強い子が社会で崩れることはまずありませんでした(逆に入試直前でもこの辺が甘いとまず高得点は取れません)。このことは中2にも口酸っぱく言い続けています。

そして資料の読み取りは判別のポイントとなるキーワードや内容を正確に読み取って、知識と結び付けて解く必要があります。また資料を読み取る際には注目すべき部分に〇をつけたり、線を引いたりする工夫ができると良いですね。

また、地理と歴史の資料の読み取りは選択肢の文自体が長いので、英語や国語同様に文字数の多さに対する耐性が求められます。なので普段からこういった文字数の多い入試問題に触れておくのが良いと思います。理科に関しても同じようなことが言えます。

今回は以上です。ではまた!

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