【中3向け】GWの過ごし方

中3生のGW中の過ごし方についてのアドバイスです。まずは以下の3点を意識しましょう。

①学校の宿題を精度高くやる。

②理社の復習に力を入れる。

③生活リズムが乱れ過ぎないように気を付ける。

 

まず①についてです。恐らく今年度に関しては、例年通りの日程や範囲での定期テストの実施は難しいでしょう。それでも入試の日程に大きな変化がないということは、12月までに内申を確定させなければならないので、「定期テストの時期が大きくずれる」か「定期テスト以外の部分を重視して成績をつける」かのどちらかになります(または両方)。

後者になった場合、今回の休校中の課題の評価はその筆頭でしょう。なので、ただ終わらせるのではなく、しっかり「評価される」形で仕上げましょう。教科によっては上村や佐々木も相談に乗ります(すでに相談に来てくれている子もいます)。気軽にどうぞ!

 

次に②について、こちらはすでに映像授業のQRコードと演習問題を渡しているので、それに取り組みましょう。今後、仮に中3の学習内容が出題範囲から外れることが合っても、中1・2の範囲が外れることはまずないでしょう。むしろそうなったら、中1・2の内容の重要度が増します。特に理社は非常に差が付きやすいです。

なので、今この期間に本気でやって周りに差をつけましょう。ただやるんじゃなくて、本気(ガチ)でやるんだよ?理社は間違いなくやったらやった分だけ実力が付きます。中3生の理社学習の理想的な戦略は、早い段階で基礎内容を確認し、入試問題にどんどん取り組むことです(神奈川県だけでなく、全国の入試問題を解くのが最も効果的です)。全国制覇を目指して、まずは基礎の確認をしていこう。

 

最後に③ですが、実はかなり心配しています。そもそも君たちの健康を考えての休講措置なのに、その期間中に健康に悪い生活リズム(夜更かし→昼まで寝ている、スマホやり放題、マンガ読み放題など・・・)で生活すること自体が本末転倒なのですが、ただ中学生なので自然と楽しい方、楽な方に流れるのは、ある程度仕方ないとは思います(自分が中学生だったとしても自然とそうなっていたと思います)し、ずっと家にいるとストレスがたまりやすくなるので、その発散のための楽しみもそれなりに必要でしょう。ただ、やりすぎは絶対ダメです。

あとは、おうちの人(保護者)の気持ちを考えましょう。この先が見えない状況、君たちも不安やストレスを抱えているとは思いますが、恐らくおうちの人が抱えている不安やストレスは間違いなく君たちとは比にならないくらい大きいです。家にいる時間が長いと、おうちの人が君たちのためにどれだけのことを普段からやってくれているか感じますよね。ただでさえそんな状態のときに、君たちが乱れた生活リズムで過ごしていたら、おうちの人はどうでしょうか?こんな時だからこそ、おうちの人に心配をかけるような行動はやめましょうよ。

また、この期間中にスマホやタブレットの前でYouTubeを流しながらぼけーっとしている1時間も、入試直前の貴重な1時間も同じ1時間です。何も意識せずにこのまま過ごしていたら、休校期間が明けたときに、かなり多くの子たちが「ああ、もっと勉強しておけばよかった・・・。」となるでしょう。その他は、「自分なりにしっかり勉強して、本当に充実した期間だった!」というごくごく少数の意識の高い子か、勉強すべきであったということにすら気付かない残念な子でしょう。

もう君たちには休校期間開けにどうなってほしいかわかりますよね?君たちの本気に期待します。

また、すでにLINEで送っているように土日以外は13:00~18:00で自習室を開放しています。今日は、中1の子が自習に来ましたよ!!家では誘惑をどうしても断ち切れない場合は、是非利用してください。

教材.jpのススメ

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

今回は、小中学生やその保護者の方必見のWebサイトとそこに寄稿した私の記事をご紹介します。

 

まずはこの記事を読んでください!

今回、小中学生の社会の学習に必ずや役立つであろう教材を紹介しました。是非、ご覧ください。

私が執筆した記事(こちらをクリック)

この記事が掲載されているWebサイトや記事完成までの経緯をご紹介します。

 

教材.jpとは

ご紹介した私の記事が掲載されているのは、現場のプロたちが責任を持ってオススメできる教材のみを紹介するWebサイト「教材.jp」です。こちら、11月26日にオープンしたばかりなのですが、既にとんでもない熱量の記事が多数掲載されています。どの記事も各執筆者の方々のそれぞれの教材に対する愛に溢れています

個人的に特にお気に入りはこちらの記事です。最後の「先生よりアドバイス・メッセージ」は共感度100%。フォルテでは、中1から5教科を必修としています。私の前職を含めて神奈川県内の大手塾では中1までは3教科必修(+オプションで理社)とし、中2から5教科必修とするところが多いです。これは、中1の段階から理社の勉強に力を入れてほしいからです。「理社は暗記科目だから、最後に頑張ればどうにかなる」という古来からの固定観念により、理社はどうしても後回しになりがちです。しかし私の経験上では、「確かにどうにかなる子はいるが、大半はどうにかならない。」が正直な感覚です。英数ほどではないにしろ、理社においても積み重ねや計画的な学習が教科内容の定着において重要なのは言うまでもありません。さらに・・・、あっ、話がこのまま脱線しそうなので、戻します。

このサイトの仕掛け人は、ご自身も横浜は元町でイルム元町スクールというスゴい塾を主宰されているカイ先生。そして、ジュクサガスというイケてる塾ポータルサイトを主宰するタグチさん。「教材.jp」からは二人の強い思いが嫌でも伝わってきます。

 

記事完成までの経緯

今回、サイトオープンの大体2週間前くらいにお声掛けいただきました。少し前にカイ先生にはフォルテとしてお世話になったということもありますし、このような世の子どもたちや保護者の方にとって有益な情報を発信する取り組みには是非協力したいという思いがあったので快く引き受けました。それから記事が公開されたのが本日なので、約1か月くらいの時間を要しました。その経緯を簡単に書きます。

まずは何について書くかで結構迷いました。というのも、小中学生を対象とする塾の多くは、市販の教材よりも塾用教材(塾を通してしか買えない教材)を使用していることが圧倒的に多く、フォルテも例外ではありません。個人的な自己研鑽のために市販の教材は買いますが、実際に授業で使っている市販の教材はこちらの記事で紹介されている語彙の本と、こちらの記事で紹介されている全国入試の過去問くらいです。

なので、前職の大手塾時代(というか昨年)に同僚や子どもたちに個人的に薦めていた本を紹介しようと決めました。フォルテ生にも薦めるいい機会になるかなとも思いました。

ただ、お声掛けいただいた時期的に南中と蒔田中のテストがあったので、それがひと段落した11月末に第一案を入稿し、何度かのやりとりを経て脱稿(原稿が完成)しました。こんな感じのやりとりでした。

 

本当に対応が速くて、非常に気持ちの良いやりとりでした。第一案では、教材への99%の愛と1%のアイロニー(皮肉)を込めて書いたのですが、当然の如く後者は編集段階でボツになり、結果として愛のみに溢れた記事になりました(編集ポリシーとしては当然の判断です)。

また、上記のやりとりから実際の掲載まで1週間以上かかったわけですが、それは記事内に挿入されている本の中身の画像の許諾申請を出版社にとってもらったからなのです。これにより、この本の魅力が何割か増しで伝わることになったと思います。とてもありがたいことです。ちなみに、こんな感じのやりとりでした。

ということで、完成したのが冒頭の記事でした。

自分で言うのもなんですが、相当な熱量で書きました。もし気に入ったら、是非ご購入ください。あ、念のため言っておきますが、私が紹介したこの本がどんなに売れようが、私の懐には出版元である学研さんから一銭たりとも入ってきませんので、安心してください。あとは、私が紹介せずともこの本は結構売れていると思うので、例えるならミスチルの曲を「いいよ!」って薦めているようなものです。こういう利害関係がないからこそ「教材.jp」の執筆陣は、本当に良い教材しか紹介しません。

 

利用の際の注意点

「教材.jp」を利用する際の注意です。このWebサイト、前述のとおり、各執筆陣の熱量が半端ないので書かれている教材全てが素晴らしく思えます。現場のプロである我々が見ても(というか我々だからこそ?)、他の執筆陣が書いた教材が欲しくなるほどです(笑)。ですが、結局は好みや相性の問題もあるので、もし購入を考えるのであれば、実際に本屋さんで現物を手に取ってちょっと見てみましょう。私が紹介している教材はフォルテに置いてあるので、フォルテ生は好きに見てみてくださいね。

そして私の記事でも触れたとおり、教材自体がどんなに素晴らしいものだったとしても、それを対象とする学年や学力層と自分が合っていなければ、残念ながら無用の長物となっていしまいます。また同様に、既に今取り掛かっている問題集や参考書があるという場合も注意が必要です。それが明らかに自分に合っていないのであれば新しいものに切り替えてもらって問題ないのですが、そうでないのに新しいものに手を出すと二兎を追う者は一兎をも得ずの結果になってしまいます。もし、今塾に通っているのであれば、そこの先生に相談してみるのも良いでしょう。

つまり、以下の3点が注意点です。

①気になる教材は手に取って見てみましょう。

②中途半端に手を出すのは避けましょう。

③迷ったら相談をしましょう。

 

最後に

ということで、今回は教材.jpとそこに掲載されている私の記事の紹介でした。紹介した教材が売れるのも嬉しいし、私の記事のアクセス数が増えるのも嬉しいので、良いと思ったら拡散を何卒お願いします。

今回はこんな感じです。ではまた。

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

10月12日(土曜)の中3の家庭学習内容

<社会>
【全国入試問題正解】
◆【P1】北海道□1の問2
◆【P41~42】栃木□2すべて
◆【P59】埼玉□6の問1・問2
◆【P92】石川□2の問1・問2
◆【P98】福井□3の問(1)・問(2)
◆【P159】兵庫□2の1(1)~(4)

→奈良時代・平安時代の授業動画を見た上で進めましょう。
※万が一、QRコードがわからなければ、友人に送ってもらうか、LINEかメールでこちらに連絡ください。該当動画を送ります。

 

<理科>
◆既に配布している12日分の動画と動画後復習プリント
◆13日分の動画と動画後復習プリント(余力があれば来週分の動画も見ておきましょう)

 

<数学>
【極める神奈川】
◆P24、25、36、37
※P25が難しい場合は木曜日に配布した相似プリントを代わりにやってくるでもOKです。

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

長時間の勉強大会から得られること

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

今回は、先週の日曜日に行った、中3南中対象の2学期期末テストにむけた勉強大会についてです。また、今回の記事はフォルテレポート9月号に載せたコラムを加筆・訂正したものです。

 

本題の前に・・・

最近、全国のとんでもない個人塾の先生方が集まる爆裂個人塾長会議というLINEのグループに恐れ多くも参加させていただくようになって、メチャクチャ刺激もらっています。そこで最も感じることは、力のある塾の塾長はとにかく行動力が半端なく、フットワークが軽い。そして手数が多い。

ただ、これこそ個人塾の強みで、自分たちが必要だと思ったことに対してすぐに動ける環境が私たちにはあります。私たち自身がプレイヤーであると同時にマネージャーなので、決断と同時にそれが現場にも反映されます。これは後日また正式に別の記事にもしますが、フォルテでも最近ふと、「結構、LINEを使っている個人塾が多いんだな。うちも公式LINEやってみようかなー」と思い立ち、その日のうちに色々調べて、とりあえず公式アカウントを作成し、次の日には告知をして、現在は一部で試験的に導入しています。このスピード感。

ちなみに、この爆裂個人塾長会議の発起人でいらっしゃる、埼玉は川越市にある知る人ぞ知る最強個人塾、学力向上爆裂松江塾の真島先生は、多い時は1日にブログを10件近く更新していますからね。しかも、その独特の語り口は芸術的。ただ、それは単純にセンスが良いというだけでなく、塾講師としての圧倒的な実力ゆえになせる業。私も大手時代から真島先生のブログの読者ですが、本当に学ばせてもらっていますし、ときどき胸をえぐられる感覚を覚えます。そして、それをすぐ活かす。即行動。これが大事なのです。

 

中3南中で勉強大会開催

さて本題。先日のことですが、定期テストを約10日後に控えた中3南中生を対象に午前11時から夜9時30分までの「勉強大会(仮名称)」を行いました。まぁ、休憩時間も含んではいますが、実に10時間半!このうち、授業の時間自体は最後の2時間程度で大半が自学の時間です。

↓この通りです。

 

勉強大会のメリット①

手前味噌ですが、この取り組み、非常に良かったと思います。というのも、勉強って「質」が大切であることは間違いないのですが、最初から“「質」だけ”を求めることはできないと思います。まずは圧倒的な「量」をこなす”。そして、それが自分の糧となって、いつしか「量」が「質」に転化するというイメージです。なので、自分の勉強法が確立していない多くの小中学生は、まずは圧倒的な「量」をこなすことが大切です。

そもそも、子どもが「何か特定の教科や単元が苦手だ」という場合、そのほとんどが「量」の不足が原因です。勉強に限らず、人間には得意・不得意があります。得意なことは、他の人に比べて大して練習せずともこなせるでしょうが、不得意なことは、他の人よりも圧倒的な練習量をこなすことでやっと人並みになるものです。

そこで、例えば「自分が英語や数学が苦手だ」と自覚している中学生は、テストまでに学校のワークを何周やっていますか?恐らく提出前にやっと範囲が終わるといった感じではないでしょうか?英語や数学のテストで毎回9割近くの点数をとる子は3周とか5周とか平気でやっています。

重要なので、もう一度言います。もし自分に何かしら不得意・苦手なことがあると自覚しているのならば、まずは“圧倒的な「量」をこなすこと”から始めましょう。さらに言うと、それを一度で終わらせず継続させましょう。それが実力に変わります。

 

勉強大会のメリット②

内容云々以前にも、“長時間机に向かう”という経験ができたことも凄く子どもたちにとって大きなプラスになるでしょう。これは、“長時間机に向かう”ことってそれなりの忍耐力や体力が必要で、それは実際に机に向かうことでしか身につきません。普段まともに机に向かっていないのに、定期テスト直前になって急に「よし、今日はメッチャ長い時間頑張ろう。」と思っても、思いのほか集中力が続かず、すぐに周りの誘惑に負けてしまう。よくある話です。なので、定期テストの結果は“テスト直前より前の段階でいかに準備が出来ているか”で勝負がほぼ決まります。定期テストに限らず、入試前やこれから先の人生で長時間机に向かって勉強しなければならないときの練習になります。

これも勉強に限った話ではないです。例えば、フルマラソンを走ろうと思ったら、最初は短い距離から始めて徐々に長い距離を走るにしても、本番前にはフルマラソンと同じかそれ以上の距離を走ったり、またはフルマラソンと同じような負荷をかけた練習(多少距離は短くても空気の薄い高地でトレーニングするとか)をしたりしますよね。前半の「量」をこなす話にもつながりますが、“それなりの負荷をかけないと実力はつきません”。逆にしっかりと負荷をかけ続けて手に入れたものは、簡単には失いませんし、長い目で見たときに人生の様々な面で役立ちます。

 

勉強大会のメリット③

さらに、勉強大会ではこちらから子どもたちに大量の課題などは与えません。なので、子どもたちはその時間をどう使うかも考えなければなりません。正直、ある程度のこちらでやることをコントロールしちゃえば、目の前の定期テストでは結果は出る(出ちゃう)でしょう。ただし、それに依存しすぎると、与えられたものしかできないようになってしまいます。これは定期テストの先の高校入試やその先の人生を考えたときに、子どもたちにとって悪い癖となってしまいかねません。

なので、基本的には自分で何をすべきかを考えてもらいます。その考えるという段階で、もしかしたら初めて現在の自分自身と本気で向き合うかもしれません。そして、やるべきことの優先順位をつけていきます。これがとても大切です。正直、まだまだその上では時間の使い方が下手な子が多いです。ただそれはしょうがないことで、この「考える力」は一朝一夕で身につくものではないからです。

つい先日もカリキュラムの関係上、ある学年の授業中に自学の時間をとることがあり、それを前もって子どもたちに伝えていました。ただ、実際にその時間になってみると、「うーん、それ意味あるかな?」ってことをやっている子、いました。単なる時間つぶしの作業でしたね、それは。本人に自覚があるかどうか。これ以外にも、ちょっと気になるところが最近ある子ではあるんで、個別に話してみようかなって思います。

 

さて、どうする?

これを読んでいる、小中学生(特に中3生)。まずは今週末から来週にかけての土日祝のどれかで圧倒的な「量」をこなしたり、長時間机に向かったりしてみませんか。定期テストが近いとか近くないとか関係ないです。行動を起こすなら絶対に早い方が良いです。特に、勉強においてはこのような経験をする時期が早ければ早いほど有利になりますからね。はい、即行動!即行動!

今日はここまで、それはまた!

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

時事問題対策・注目ニュース(2019年7月②)

※2019年7月~9月までの予想問題はこちら。

こんばんは、フォルテの文系講師の上村です。

フォルテでは、塾内でのお便り(フォルテレポート)に毎号、文系担当の上村が注目したニュースについて書くコーナーがあります。しかし、紙面のスペースの関係上、本来書きたい内容を大幅にカットして掲載しています。なので加筆版(完全版)をこちらに載せたいと思います。

特に南中学校はどの学年の定期試験にも時事問題が出題されますし、今年は蒔田中学校の3年生も出題が予告されていますので、中学生は意識的に日々のニュースに対してアンテナを張っておきましょう。

今月21日に行われた参議院議員選挙について書いた前回の記事の続きです。

今回の選挙結果

以下、各政党の獲得議席数です。

自民党:57議席
公明党:14議席
立憲民主党:17議席
国民民主党:6議席
共産党:7議席
日本維新の会:10議席
社民党:1議席
れいわ新選組:2議席
NHKから国民を守る党:2議席
無所属:9議席

与党(自民党と公明党)としては合わせて71議席を獲得したため、選挙前の最低限の勝利ラインであった53議席はクリアできました。しかし、安倍政権の大目標であった憲法改正に向けて前向きな改憲勢力では81議席にとどまり、目標の85議席クリアできませんでした。

一方、れいわ新選組やNHKから国民を守る党といった既存政党(今までの政党)とは一線を画す政策や選挙戦を繰り広げた新興勢力の政党が議席を獲得したのは大きなニュースでしょう(ともに比例代表で議席獲得)。特にれいわ新選組は前回の記事でも触れた通り、今回の選挙から導入された「特定枠」をつかって、重度の障害を持つ2名を当選させました(これにより、比例代表で最多得票を獲得した山本太郎氏は落選しました)。そして、重度の障害を持つ議員でも活躍できるように、様々な面での国会関連の施設改修が進むでしょう。

 

新たな改憲勢力?公約違反?

そして、ここで新たな展開を迎えました。7月25日にインターネットのある番組内で国民民主党の玉木代表が「私は生まれ変わりました。憲法改正議論をしっかり進めまていきましょう。」という主旨の発言をしたのです。今回の選挙で、国民民主党は立憲民主党・共産党・社民党などの同じ野党と共に13項目の政策を共通にして掲げ、選挙区によっては野党同士で票が割れないように候補者を一本化するなどして戦いました。その共通政策の中には明確に「憲法改正反対」が掲げられていました。

つまり、選挙前には「憲法改正反対」を掲げながら、選挙が終わった直後に「生まれ変わった。憲法改正に向けて話し合おう。」と態度を変えたわけです。選挙では、どのくらいの数かはわかりませんが、「憲法改正反対」を支持して国民民主党やその候補者に投票した人々もいたことでしょう。なので、このような国民民主党の発言・動きに対しては「公約違反だ!」と批判も多いです。

しかし、安倍政権からすると、まさに「棚からぼたもち」。今回の選挙で国民民主党は6議席を獲得していますから、従来からの改憲勢力で獲得した81議席と合わせると合計87議席となり、憲法改正に必要とされる参議院議員全体の3分の2以上の議席を確保できたからです。

何はともあれ、今後も憲法改正についての議論が国会では進められるでしょう。

 

やはり低かった投票率

今回の参議院議員選挙、全体の投票率は48.8%でした。このように国政選挙(衆議院議員総選挙と参議院議員選挙のこと)で全体の投票率が50%を割ったのは、1995年以来24年ぶり2度目です。

特に10代(18歳・19歳)の投票率は31.3%と、3分の1にも満たない結果でした。理由としては、「各党の掲げる政策があまり若者に馴染みのあるトピックではなかった」「選挙前には、ジャニー喜多川氏死去や京都アニメーションの事件、吉本の闇営業などが多く取り上げられ、選挙に関する報道が少なかった」などが挙げられるかと思います。特に参議院議員選挙では、いわゆる政権交代にはならない(たとえ、自民党が大敗しても自民党のリーダーが内閣総理大臣であることは変わらない)ので余計関心が薄くなりがちなのかもしれません。

これ、前回も書いたことですが、このような状況が今後も続いたら、一部の志の高い政党や政治家以外は若者向けの政策を掲げなくなってしまいますよ。選挙は当選してナンボですから、絶対数も少なく投票率の低い若者より、接待数が多く投票率の高い中高年の票を狙う方が高い確率で選挙に勝てます。ですから、若者よりも中高年の利益を優先した政策を真っ先に掲げるようになりますよね。ですから、何にせよ投票に行こうよ、と思います。今まで投票に行かなかった人も、いざ投票に行くとなると、投票前に各候補者や政党について調べるし、ちょっとは考えるようになると思います。そういう小さな変化が起きないと、何も変わらないでしょう。

そして個人的には、オーストラリアやスイスなどで導入されている投票の義務化を導入しても良いのではないかと思っています。特に、罰金などの罰則を厳格に課している国では投票率が軒並み高くなっているという事実もあります。ただ、これは「投票する権利」がある一方での「投票しない権利」もあるので、それを侵害してしまう危険性もあります。

あとは、やはりネット投票のように手軽な投票システムの導入も効果があると思います。もちろん、それに伴って投票システムのセキュリティや有権者のメディアリテラシー(情報を自分で見極めて取捨選択する能力)を高める必要性は出てきます。

いずれにせよ、何かしらの大きな改革がない限り、このような低い投票率の選挙は続いていくでしょう。

今回はこんな感じです。また近いうちに更新します!

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

時事問題対策・注目ニュース(2019年7月①)

※2019年7月~9月の予想問題はこちら。

こんばんは。フォルテの文系講師の上村です。

フォルテでは、塾内でのお便り(フォルテレポート)に毎号、文系担当の上村が注目したニュースについて書くコーナーがあります。しかし、紙面のスペースの関係上、本来書きたい内容を大幅にカットして掲載しています。なので加筆版(完全版)をこちらに載せたいと思います。

特に南中学校はどの学年の定期試験にも時事問題が出題されますし、今年は蒔田中学校の3年生も出題が予告されていますので、中学生は意識的に日々のニュースに対してアンテナを張っておきましょう。

今回は明日の参議院議員選挙に関してです。

※ちなみに結果を踏まえた記事はこちらです。

 

7月21日(日)が投票日

7月21日(日)は第25回参議院議員通常選挙(以下、参議院議員選挙)の投票日です。この参議院議員の選挙は3年ごとに行われ、その度に参議院議員の半数(124名)が改選されます。参議院議員の国会議員は定数が長らく242名でしたが、昨年の法律改正によって248名に増えました。増えた分の6名は今年の選挙で3名、3年後の選挙で3名を従来通りの121名に加えて選出することになっています。そして、参議院議員選挙は選挙区選挙と比例代表制の選挙が行われます。

 

参議院の選挙制度①「選挙区選挙」

まず、選挙区選挙とは、都道府県ごとに選挙区が分けられて(例:神奈川選挙区、東京選挙区など)それぞれに候補者が立候補し、そこから各選挙区の定数(当選する議員の数)に応じて各得票数の多い順に当選者を出します。この方式では合計で74名の国会議員を選出しますが、都道府県ごとの有権者(投票権を持っている人=18歳以上の人)の数に応じて定数は異なります。例えば、人口の多い地域だと、東京選挙区は6名、神奈川選挙区・愛知選挙区・大阪選挙区・埼玉選挙区は4名などとなっています。一方で、人口の少ない地域だと、ほとんどの都道府県は1名ずつ、「鳥取・島根」と「徳島・高知」はそれぞれ2つの県を合わせて1名ずつとなっています。このように2つの都道府県を合わせて1つの選挙区とすることを「合区(ごうく)」と言います。これは前回の2016年の選挙から導入されました。

 

参議院の選挙制度②「比例代表選挙」

次に比例代表制とは、全国を一つの選挙区として扱い、有権者は政党名または比例代表で立候補した候補者名のどちらかを投票用紙に記入して投票箱に入れます。そして、各政党が獲得した票数に応じて議席が配分される形になります。この場合、候補者名が書かれた票に関してはその候補者が所属する政党の獲得票とみなされます。例えば、フォルテ党から佐々木高雅さんと上村清人さんの二人が比例代表で立候補し、「フォルテ党」と書かれた票が1000票、「佐々木高雅」と書かれた票が800票、「上村清人」と書かれた票が500票だった場合、フォルテ党の獲得した票は1000+800+500の合計となり、2300票になります。ちなみに、ここでフォルテ党に1議席が配分された(1名のみ当選者を出せる)場合、個人で獲得した票の多い佐々木高雅さんが当選します。このように、政党だけでなく、個人の人気が高い人ほど当選しやすくなるのが、参議院議員選挙での比例代表制です。このような比例代表制を「非拘束名簿式」と呼びます。なので、元芸能人や元スポーツ選手などが国会議員の選挙に立候補する場合、その抜群の知名度を活かすために参議院議員選挙の比例代表制で立候補することが多いわけです。今回も実際に、元「モーニング娘。」の市井紗耶香さん、元F-1レーサーの山本左近さん、元格闘家の須藤元気さんらが立候補しています。

 

今回初導入の「特定枠」という制度

ただ、今回の参議院議員選挙の比例代表制では「特定枠」と呼ばれる制度が初めて導入されます。これは、通常であれば前述の通り、各政党に配分された議席に応じて、個人での各得票数が多い順に優先的に当選していきます。しかし、この「特定枠」では事前に政党が指定した候補者を各得票数にかかわらず優先的に当選者とすることが出来ます。先ほどのフォルテ党の例で言うと、議席が1の場合、個人での各得票数が多い佐々木高雅さんが当選するのが通常ですが、選挙前にフォルテ党が上村清人さんを「特定枠」として指定していた場合、各得票数に関係なく上村清人さんが当選し、佐々木高雅さんは残念ながら落選します。このように有権者の意思を一部無視して、各政党が当選させたい候補者を選べることになります。この制度の導入については、自民党が主導で動いており、一方で野党からは批判が多いです。そして、実際にこの「特定枠」を今回の選挙で利用したのは自民党とれいわ新選組のみでした。

 

「特定枠」という制度が導入された理由

そもそもなぜこの特定枠という制度が導入されたかというと、前述の通り、前回の2016年の参議院議員選挙での選挙区選挙で「合区」が設定されたことによります。合区が設定されたことにより、「鳥取・島根」と「徳島・高知」のそれぞれの選挙区では、今まで2名が当選できたのが、1名になってしまいました。そこで、今まで立候補していた各政党の候補者がそのまま立候補すると、1つの議席を同じ政党の候補者同士で争うことになります。そのような場合、各政党の支持者の票が割れてしまい、最悪2名とも落選になってしまいます。ですから、そうならないように各政党はいずれかの候補者に対して出馬をさせないという判断をとるでしょう。ただ、それだと流石に出馬を断念した候補者が報われないので、「選挙区選挙での出馬は党の事情で認められないけど、代わりに比例代表制の方で特定枠に指定する」という対応をとるわけです。ちなみに、合区となった選挙区ではここ最近は自民党の議員が当選しているので、この「特定枠」は事実上、自民党のための制度ということが出来ると思います。

 

今回の選挙で注目される議席数

 今回、与党(政権を実際に担当している政党)である自民党と公明党(以下、合わせて自公)の候補者で53議席が取れるかどうかがまず大きな焦点です。それは、今回の選挙後には参議院の議員数が245名になり、現時点で自公は合わせて70の議席を持っているので、53議席獲得できれば、参議院での過半数(245の過半数なので123議席)を自公で占めることになるので、様々な事案の議決の際に自公の議員が意見を合わせれば多数決に勝つことができ、自公の思い通りに話が進みやすくなります。これは、今回の選挙における与党の最低限の勝利ラインと言えます。

次に安倍政権は以前から憲法改正を目指しています。そのためには衆議院・参議院の両方で、総議員の3分の2以上の賛成が必要です。この憲法改正に対して賛成を表明している勢力(改憲勢力)は自公の他、日本維新の会、一部の無所属議員です。現在、改憲勢力では79議席を持っています。ですから、改憲勢力で85議席を獲得できれば、参議院での3分の2(245の3分の2以上なので164議席)を改憲勢力で占めることになります。ここまでの議席が獲得できれば安倍政権としては理想的な結果と言えます。

 

最後に

現在、中3の子どもたちも早ければ3年後の参議院選挙で有権者になるかもしれません。ですので、こういった制度や数字を意識した上で明日の選挙経過・結果を見ると、今までとは違った目線でニュースに触れることが出来るでしょう。

ずいぶん前から、日本では若者の政治離れが叫ばれており、前回の衆議院議員総選挙では10~30代の投票率は30~40%台です。半分も投票していないんですね。

最近では、こんな動画も話題ですね。↓

選挙権は、出身・年齢・性別・経済力などに関係なく平等に認められた権利です。しっかりと考えて、意思表示しましょう。

また、結果を踏まえた続きを書きます!お楽しみに。

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

時事問題対策・注目ニュース(2019年6月)

最新の時事問題はこちらをクリック!

こんにちは、フォルテの文系講師の上村です。

フォルテでは、塾内でのお便り(フォルテレポート)に毎号、文系担当の上村が注目したニュースについて書くコーナーがあります。しかし、紙面のスペースの関係上、本来書きたい内容を大幅にカットして掲載しています。なので加筆版(完全版)をこちらに載せたいと思います。

特に南中学校はどの学年の定期試験にも時事問題が出題されますし、今年は蒔田中学校の3年生も出題が予告されていますので、中学生は意識的に日々のニュースに対してアンテナを張っておきましょう。

今回、取り上げる6月のニュースは「G20大阪サミット開催」です。

 

G20サミットとは

G20サミットとは、メンバー国や招待国の首脳、国際機関など、37の国や機関が参加し、経済分野を主要議題として毎年開催される国際会議です。2019年は日本が議長国となり、大阪で6月28日~29日に開催されます。また首脳会談は大阪で開催されますが、時期を前後して日本各地で様々な会議が開かれています。最近では、6月8日~9日に福岡で財務大臣による会議が行われ、そこでは「GAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)」と呼ばれるアメリカ大手のIT企業の国際的な課税逃れを防ぐための「デジタル課税」について、2020年1月に大筋合意するとした経済協力開発機構〔OECD〕の作業計画が承認されました。

 

G20に参加するメンバー国や国際機関とは?

G20のメンバー国は、G7(フランス・アメリカ・イギリス・ドイツ・日本・イタリア・カナダ・欧州連合〔EU〕)のほか、アルゼンチン・オーストラリア・ブラジル・中国・インド・インドネシア・メキシコ・韓国・ロシア・サウジアラビア・南アフリカ・トルコ(アルファベット順)となっています。また、招待国・国際機関は、オランダ、シンガポール、スペイン、ベトナム、ASEAN議長国(タイ)、AU議長国(エジプト)、チリ(APEC議長国)、セネガル(NEPAD議長国)、国連(UN)、国際通貨基金(IMF)、世界銀行、世界貿易機関(WTO)、国際労働機関(ILO)、金融安定理事会(FSB)、経済協力開発機構(OECD)、アジア開発銀行(ADB)、世界保健機関(WHO)となっています。

 

今、大阪が熱い!

また大阪と言えば、先月号でもご紹介した百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録される見込みですし、ちょっと先ですが2025年に実に55年ぶりに万博(万国博覧会)も開催予定です。さらに政治の面では、4月の統一地方選挙に加え、政治資金問題で前市長が辞職したことに伴って行われた先日の堺市市長選挙でも大阪維新の会の候補者が勝利したことから「大阪都構想」についての議論も再び行われるでしょうし。しばらくは大阪の話題が事欠かないですね。

 

その他、6月のニュース

今回紹介したニュース以外には、

「安倍首相のイラン訪問中にすぐ近くのオマーン湾のホルムズ海峡付近で日本のタンカーが攻撃を受ける」

「エンゼルスの大谷翔平選手が、メジャーリーグで日本人初のサイクルヒット達成」

「イギリスのメイ首相が保守党の党首辞任」

「陸上のサニブラウン選手が9秒97で100mメートルの日本記録更新」

などが中学校の定期試験では狙われそうです。フォルテ生には来週あたりにまとめ版を渡しますので、そちらで4~6月のニュースを復習してテストに備えましょう!テストまであと2週間。教科による偏りがないように残り期間を有意義に過ごして、テストを迎えましょう!

今回はこんな感じです。それでは、定期テスト頑張ってください!

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

集中力を向上させる「ポモドーロテクニック」について

こんにちは。フォルテの理系担当佐々木です。

今日は勉強においてとても需要な『集中力を高める方法』について書きたいと思います。勉強しようと思っていてもなかなか集中力が続かずにダラダラしてしまって、結局時間だけが経っていったなんて言う人も多いのではないでしょうか?では、どうすれば集中力が続くのか?意志や忍耐力が足りないから集中力がないのか?何か特別な方法はないのか?などについて書いていきます。

 

集中力が続かないのは意志が弱いからではない。

集中力が続かないのは、意志が弱いからとかやる気がないからとか忍耐力がないからではありません。例えば、好きなゲームをしていたり漫画を見たりしていると、1時間や2時間があっという間に経ってしまった!なんていうことがある人は、集中するのに必要な最低限の力は持っているということになります。集中力を引き出すやり方さえ知っていれば、意志の強さは必要ありません。中には、『本気になれば集中できる』などと考えている人もいますが、その『本気』がくる数日後にテストや入試が来たのでは時すでに遅しです。また、自分の本気に過度の期待を抱いていても、思ったほど集中出来ていない自分にショックを受けてしまうことになるでしょう。では、どうすればよいのでしょう?集中できないのは自分が悪いのではなく、集中するためのテクニックを知らないからです。

 

困難は分割せよ。

よく人間の集中力は最大で90分だとか言われていますが、特に科学的根拠はありません。正直、90分間も集中していられるという人はとても少ないと思います。むしろ60分でも長いと思います。そう考えると、適度に分けていく方が賢明です。そこで、この名言の登場です。

困難は分割せよ。

これは近代哲学の祖と言われているデカルトが『方法序説』の中で述べた言葉です。また、中3であれば、国語の教科書に載っている井上ひさしの『握手』でルロイ修道士が言っていたセリフとしても思い浮かびますね。「どんなに難しいことでも細かく分けていけばやり遂げることが出来る」というような意味で、まさに勉強においてもピッタリ当てはまるのではないかと思います。取り組むべき内容を細かく分けることで覚えやすくなったり、集中力が続いたりします。

例えば、ケータイ電話の番号を単純に090□□□□△△△△とするのではなく、090-□□□□―△△△△のように分けた方が覚えやすかったりします。また、一般的なテレビドラマは1話が約1時間(CM含むので実際は40分ちょっと)のものが多いですが、1話を圧倒的に短くしてもしっかりと成立している例として、NHKの連続テレビ小説、通称『朝ドラ』があります。毎朝15分(日曜日を除く)という短さにも関わらず、常に高視聴率を取り続けています(私はあまり見ていないですが・・・)。これが毎朝、40分ほどの長さだと、流石に朝からそこまで集中してみる人は少なくなるでしょう。

もっと短い例としては、今年で放送50周年を迎える、世界で最も長く放映されているテレビアニメ番組としてギネス世界記録を更新中の『サザエさん』があります(私が子供の頃は、日曜夜の定番として、6時からの『ちびまる子ちゃん』を見て、6時半からの『サザエさん』を見るというのがゴールデンパターンでした)。『サザエさん』は30分(CM含むので実際は22分ほど)の番組で、1回の放送が3話構成になっているため、1話がなんと6分55秒という衝撃の短さです。7分足らずで1つの物語を完結させているなんて凄すぎますね。この構成も『サザエさん』が長年愛される秘密なのかもしませんね。

これらの例のように、物事を細かく分けることは様々な場面で有効なのです。これは余談ですが、『サザエさん』はなぜ海にちなんだ名前が多いのかご存じでしょうか?原作者の長谷川町子さんが、仕事を依頼されてから、どんな内容にするかを妹さんと一緒に毎日海岸を散歩しながら考えていたので、登場人物がみんな海産物の名前になったらしいです。

「ポモドーロテクニック」とは

それではここで主題である「ポモドーロテクニック」について紹介していきます。「ポモドーロテクニック」とは1990年代前半に、イタリアの起業家であり作家でもあるフランチェスコ・シリロ氏によって生み出された、仕事や勉強の成果を高めるための方法です。

やり方を簡単に説明すると、

① やるべきタスク(課題)を選ぶ。
② キッチンタイマーで25分を設定する
③ キッチンタイマーが鳴るまでタスクに集中する。
④ 3~5分間休憩する。
⑤ ①~④までの作業を「1ポモドーロ」として、これを4ポモドーロ行う。
⑥ 4ポモドーロ終えたら15分~30分休憩する。

これを繰り返していくだけです。この「25分集中」+「5分休憩」を繰り返し、4回繰り返したら長めの休憩を入れるという時間管理術が「ポモドーロテクニック」です。高い集中力を長時間保ち続け、生産性を向上させるのに役立つ方法として知られています。

「ポモドーロテクニック」の優れている点は、25分間という短い時間で休憩をはさむため、ストレスがほとんどたまらずに取り組めることです。それにより、勉強がはかどり、集中が続き、気づいたら時間が過ぎていきます。疲れたと思い始めたころには長めの休憩が入るため、長時間勉強していてもそれほど苦になりません。

ただし、どんな良い方法でも実際にやらなければ効果はありません。「今はまだ勉強をやる気が起きない。テストが近くなってきたらそのうちやる気が出るだろう。」と思っている人がいるかもしれませんが、やる気は待っていても起きません。テストの数日前に慌てふためいても後の祭りです。まずは、行動してみましょう。やってみると意外と25分が短く感じればしめたものです。行動することにより、やる気が出てきます。

ちなみに「ポモドーロ」とはイタリア語でトマトの事で、フランチェスコ・シリロ氏が学生時代に使っていたトマト型のキッチンタイマーにちなんでつけられたそうです。私がこの「ポモドーロテクニック」を知ったきっかけは、メンタリストDaiGo氏の著書『自分を操る超集中力』で紹介されていたからです。この本は集中力を上げるための具体的な方法がたくさん載っているので気になる方は是非読んでみてください。

 

集中力を高める方法「ポモドーロテクニック」

「ポモドーロテクニック」において必要な道具はキッチンタイマーのみです。このキッチンタイマーについてはなるべく1分や1秒ずつではなく、ワンタッチで10分計ることが出来るものなどを活用しましょう。

例えば、フォルテにあるのがこちらです。

ケータイのアプリ等で計ってもよいのですが、目の前にケータイを置いておくと、ついいじってしまったり、ラインが来たりして気が散ると良くないので、自制心のがよほど強くない限りは、なるべくキッチンタイマーを活用しましょう。それと、「25分集中」の時にケータイがなったりすると勉強の妨げになるので、ケータイもサイレントモードや思い切って電源を切るなどして集中できる環境を作りましょう。

そして、最も重要なことがポモドーロの途中で中断しないようにすることです。中断には内的要因と外的要因の2種類が考えられます。内的要因は、のどが渇いたり、急に誰かに連絡する用事を思い出したり、メールやラインをチェックしたくなったりすることです。

このような形で作業が止まってしまったり、先延ばししたりする内的中断が起こらないようにするには、事前に水分補給をしたり、緊急の用事以外は連絡を取るのは長い休憩時間の時のみにすると決めておくことです。

一方で外的要因は、一人ではなく複数で勉強している場合などに起こることが多くなります。例えば、一緒に勉強している友達からわからない所を質問されたり、勉強している最中にご飯食べに行こうなどと誘われたりする外的中断に対しても、あらかじめルールを決めておくと良いと思います。わからない所や伝えたいことがあったら、休憩時間の時に聞いたりして、極力ポモドーロを守ることを最優先にしていきましょう。

また、「ポモドーロテクニック」において、休憩の使い方も非常に重要です。「25分集中」した後の「5分休憩」もしっかりキッチンタイマーで計りましょう。「気が付いたら10分も経っていた」などとならないようにするのと、「よしっ。タイマーがなったからまた25分間頑張るぞ」という、次のポモドーロにスムーズに移行するためです。また、「5分休憩」の時にケータイでメールやラインの返信を行ったりすると、再度返信が来たりして気になってしまい集中を乱すもとになりかねないので、出来る限りケータイをいじるのは4ポモドーロ終了時の長い休憩の時のみにしましょう。「5分休憩」では、体操をする・歩く・筋トレするなど体を動かしたり、水分を補給したり、瞑想したりするのがお勧めです。そもそも「5分休憩」するのは何のためかを考えると良いでしょう。ゆったりくつろぐのではなく、勉強の生産性を上げ、集中力を持続させるのが目的です。

また、1ポモドーロの「25分間」では、基本的には1つのことに集中しましょう。例えば、数学の問題を解いていたと思ったら英単語を覚え始めたり…とならないように。数分で終わるものが幾つかあって、それを組み合わせて1ポモドーロにせざるを得ないときはしょうがないですが、理想は、「このポモドーロでは数学の方程式の問題を解くぞ」となれば、それ以外の余計なことを考えなくて良いので、「方程式の問題を解くこと」に全ての力を注ぐことができ、集中力が高まります。

 

苦手科目の克服にも役立つ「ポモドーロテクニック」

苦手科目がないという人はあまりいません。では、その苦手科目を克服するにはどうすれば良いのでしょうか?苦手科目というのは、そもそもその科目にかける勉強時間が少ないから苦手なわけです。「一番熱心に時間も労力も注いでいるけれど、苦手です。」という人はまずいませんよね。やらないから、出来ない。出来ないから楽しくない。そうするとますますやらなくなり、そのままにしておくとやがて取り返しがつかなくなります。

本来勉強は、最初のうちは苦手だとしても、理解して出来るようになるとそれなりに面白く感じるようになります。ですので、まずはその科目に費やす勉強時間を増やすようにしましょう。いきなり苦手科目を1時間勉強するのは大変だと思うので、例えば、『このポモドーロでは苦手の英語を勉強して、次のポモドーロでは得意の数学をやろう』というように、まずは25分間苦手科目の克服に時間を割きましょう。それが出来るようになってきたら、2ポモドーロ(50分間)にチャレンジしてみましょう。2ポモドーロ連続でやるのが難しければ、例えば「英語を25分間集中」⇒「休憩5分」⇒「数学25分間集中」⇒「休憩5分」⇒「英語を25分間集中」のように、他の科目を間に挟んでも構いません。結局は苦手な科目もしっかりと勉強時間を取ってあげれば克服できます。

ただし、中学校三年生で、英語のbe動詞や三単現のSがわかっていなかったり、数学の一次方程式の計算が出来ていなかったりすれば、根本的な理解が出来ていないので、相当な時間と労力がかかってしまいます。少なくとも夏までには手を打たないと(ある程度克服された状態にしないと)、志望校の選択肢は限りなく少なくなってしまうでしょう。。

 

終わりに

多くの小学生や中学生は勉強が嫌いだったりつまらないという人が多いですが、その最大の原因は勉強しない(もしくは勉強時間が極端に短い)からです。勉強はどんな科目であってもある程度出来るようになるとそれなりに面白くなってきたり、やる気が出てきたりするものです。そこまで到達していないから、わからないしつまらないのです。集中力がないとかやる気が出ないという人は、まずこの「ポモドーロテクニック」を活用して25分間1つのことに集中してみましょう。そこから、「昨日は1ポモドーロやれたから、今日は2ポモドーロ頑張ってみよう」というようになってくればだんだん勉強が出来るようになっていき、知識も増えて、理解が深まっていきます。そうすることで自然と「勉強ってちょっと楽しいかも」と思えるようになってきます。この「ちょっと楽しい」という感情が芽生えてくることは勉強していく上で、とても重要なことです。勉強でもスポーツでも仕事でもあらゆることに関して言えることですが、楽しんでいる人が一番強いといえます。

ここで、中国の思想家である孔子の論語の言葉を紹介します。

子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。

孔子は言った。あることを理解している人は知識があるけれど、そのことを好きな人にはかなわない。また、そのことを好きな人であってもそのことを楽しんでいる人には及ばないものである。

まさに「好きこそものの上手なれ」です。勉強でもスポーツでも仕事でもそれを楽しみながらやっている人が一番ですね。

最後に、フォルテの中でも、集中力がないもしくは集中力をつけたいという生徒向けに「ポモドーロテクニック」を使った勉強のやり方を取り入れていこうと思っています。なので、その前に(実験的な意味合いもありますが)、実際にポモドーロテクニックを使って勉強してみたい方がいたら無料でやり方を教えます(タイマーさえあればだれでも出来ますが…)。日程としては、フォルテの授業がない金曜日で、なおかつ中学生のテストの対策のない日なので、5/31(金)か6/28(金)か7/5(金)あたりです。フォルテ生でもフォルテ生じゃなくても集中力をアップさせたいという方は是非。詳しくは045-334-8930またはforte.idogaya@gmail.comまで。ちなみにその際に、フォルテ生以外に子に対して強引な勧誘等は一切しませんのでご安心を。

最後にいつもの名言・格言を。

どんな泥をなめてもいいし、はいつくばってでも結果出せばそれが一番かっこいい

高木琢也(カリスマ美容師)

小学生におすすめの本を紹介!教科書の名作をもう一度。

こんばんは。フォルテの文系講師の上村です。

今日は、フォルテ内の貸し出し用の本として最近手に入れた本を紹介します。

今回紹介する本について

今回、紹介する本は『光村ライブラリー15』です。

・・・と言っても何のことやらですね。えっ?15!?って感じだと思います。これは、多くの自治体で英語や国語の教科書が採択されている教科書会社の光村図書が刊行しているシリーズ物(全18巻)です。このシリーズでは、過去に光村図書の教科書に掲載された様々なの作品群が対象の学年(低学年・中学年・高学年)ごとに分けられてパッケージングされています。今回の15は高学年向けの作品集です。

教科書に載っていた作品なので、一つ一つが比較的短く読みやすいです。読書感想文の題材としても良いのではないでしょうか。

 

収録作品の紹介

今回紹介する『光村ライブラリー15』は高学年向けの作品が5本収録されています。

その5本とは、
『その日が来る』(森忠明)
『赤い実はじけた』(名木田恵子)
『ガラスの小びん』(阿久悠)
『どろんこ祭り』(今江祥智)
『との様の茶碗』(小川未明)
です。

 

おすすめ作品

私個人の子どものころの体験としては、今回の収録作品の中では『赤い実はじけた』が印象的ですが、私がここで最もおすすめしたいのは『ガラスの小びん』です。作者は作詞家としても有名な阿久悠さんです。この作品自体は教科書収録用に書き下ろされたもので、この作品を一般的に読むことが出来るのはこの『光村ライブラリー15』のみです。

<あらすじ>
主人公の少年の父は、甲子園に出場した経験を持つ元高校球児。ガラスの小びんに入っている、そのときに持ち帰った「甲子園の土」は父にとって特別なもので、当時から数十年たった今でも「甲子園の土」は父に自信を呼び起こさせたり、力を与えたりします。それだけでなく、その「甲子園の土」は他人にもご利益があると父は思っており、息子である少年がテストの前には、小びんから一つまみとった土を息子の頭や肩にかけることもありほどです。その恩着せがましさに対して、心の中で反発していた少年は、ある日父から叱られたときの怒りにまかせて小びんの中の土を捨ててしまい・・・。

この作品は、「宝物とは、他人にとっては価値がないものでも、自分にとってはかけがえのないものである。」という価値観についての話で、「わたし(=少年」」は果たして宝物を見つけることができるのだろうか、というのがメインのテーマです。

そして、「わたし(=少年)」の物語であると同時に、父親の物語でもあると私は思うのです。作品内で描かれてはいませんが、息子の一時の感情に任せた軽率な行動によって、思いがけず宝物を失ってしまった父親。果たしてそんな父親は不幸だったのでしょうか。私はそうは思いません。むしろ、過去の栄光という「呪い」から解放されて、今まで以上に「現在」を力強く生きる父親の姿が思い浮かびます。このように、「人間は今よりも前に進むためには時として何かを失わなければならない」というメッセージも感じた作品でした。

ちなみに阿久悠さんのお父さんは、実際に甲子園出場経験のある元高校球児らしく、この作品自体が阿久悠さんの半自伝的な内容になっています。私がこの作品を知ったのは、この仕事を始めてからで、とある教材会社の国語の文章問題に使われていたことがきっかけでした。この作品に限らず、国語の文章問題で出会った作品をあとで単行本や文庫本で手に入れて読み直すことは非常に多く、私にとって国語の文章問題を解くことは、良い文学作品と出会うきっかけにもなっています。

そして、たいていの場合、国語の文章問題で使用されているのは該当作品のほんの一場面なので、作品全体を通して改めて読むことで主人公や文章自体に対する印象が大きく変わることも珍しくありません。

最近では、何気なく手に取った文庫本に、同じく国語の文章問題で知った『さかあがりの神様』(重松清)が収録されていたので、読み返してみましたが、やはり作品全体を通して読むことで大きく印象が(良い意味で)変わり、大好きな作品となりました。

 

(おまけ)作詞家・阿久悠とは

『ガラスの小びん』の作者である阿久悠さん(1937~2007年)は、前述のとおり、作詞家として数々のヒット作を世の送り出したことで有名な方です。とくに有名なのは、ピンクレディー「サウスポー」「UFO」・石川さゆり「津軽海峡冬景色」・沢田研二「勝手にしやがれ」などです。また、アニメ作品の主題歌や童謡も多く手がけており、「さらば~地球よ~♪」でおなじみの宇宙観戦艦ヤマトの主題歌も阿久悠さんが作詞した作品です。

しかも、作詞家として日本歴代で2位のシングル売り上げを記録しています(ちなみに1位はAKB48などの楽曲でおなじみの秋元康さんです)。

日本人なら誰もが阿久悠さんの作詞した楽曲を一度は聞いたことがあるでしょう。それくらい多くの人々の心に響く言葉を紡ぐ名作詞家だからこそ、同じように人の心に残るような文学作品を書けたのでしょうね。納得です。

今日はこんな感じです。ではまた!

模擬試験の解き直しの重要性と偏差値の見方

こんにちは。フォルテの文系講師の上村です。

フォルテでは、中学生には年に数回模擬試験受けてもらいます(中3はほぼ毎月、中1・2は年に4回)。模擬試験は、学校の定期テストに比べて範囲が広く、問題の形式も大きく異なります。これは、既習内容の知識の確認だけでなく、先々の高校入試に向けた応用力を養うことを目的としているためで、その分だけ難易度が高くなっています。恐らく、多くの生徒が学校の定期テストに比べると、模擬試験の方が点数は低く、間違えている問題の数も多くなるでしょう。そこで重要となるのが模擬試験の解き直しです。解き直しをしっかりすることで、自分の弱点を把握し、なおかつ同様の形式の問題や同様の知識を問う問題に備えることが出来ます。この解き直しは、しっかりやれば本当に効果があります。これは私自身の学生時代の経験上からも間違いないです。今日はそのことについてお話しします。

 

大学受験のころの私のヒーロー

思い返すと、大学受験の記憶が蘇ってきます。私は大学受験で自分の第一志望の大学に合格することが出来ました。当時、私が通っていた塾の先生方は本当に熱心に指導してくださり、まさにプロの講師として常に的確なアドバイスを私にくれました。特に日本史の先生は当時の私にとってヒーローでした。授業が抜群に面白く、なおかつわかりやすくて、「この先生についていけば絶対大丈夫だ。」と初回の授業を受けた時から自然に思えました。今思えば、それはとても幸運な出会いでした。そして、その先生に習っていることが私の誇りでもありました。高校3年生当時、学校の担任の先生との進路面談では「その大学はお前には絶対に無理だ!受験校を考え直せ。」と散々言われていた中でも、私には不思議と自信があり、結果的に第一志望の大学に無事合格することが出来ました。その合格を報告した際に、日本史の先生とした握手の感触はいまだに覚えています。

 

解き直しの重要性

改めて成功の要因を考えてみると、塾での素晴らしい授業やアドバイスがあったことはもちろんですが、それらだけでは合格することは出来ません。というのも、塾で勉強する時間は限られており、それ以外の家庭学習の時間の方が圧倒的に長いからです。そこで当時の私は、過去問や模擬試験を解いて自己採点をした後には、必ず解き直しをしっかりやっていました。また、それだけでなく、毎回の授業の復習(授業を受けた24時間以内にテキストの見直しとその部分の問題を解くこと)も必ずやっていました。当時は、塾の先生にやれと言われていたのでやっていたというのが正直なところでしたが、今思い返すとこれらがあったから、私は着実に力を付けていくことが出来、それが自信となり、その結果として第一志望に合格出来たのだと思います。しっかりとした解き直しや復習を習慣化することで必ず成績は上がるのです。

 

実際の解き直しの例

解き直しの重要性はわかったけど、どのようにやれば良いかわからないですよね。ここで、実際に私が指導した卒業生の例をお見せします。

 

このように「自分自身の解答、「模範解答」、「解く上でのポイント・答えの根拠」を書くようにしましょう。このような解き直しをフォルテでは専用のノートで管理します。その際には、子どもたち一人ひとりにそれぞれノートをこちらが準備します。こんな感じです。

細かいことですが、このように全て異なった表紙(偉人の名言やマスキングテープを色々変えてます。)でノートを作成しています。これは大前提として私自身が楽しんでやっているというのもありますが、私なりに子どもたち一人ひとりに向けてメッセージを込めて作っていて、それぞれに“エクスクルーシブ感”を出したいと思っています。この場合のエクスクルーシブ(exclusive)は本来の単語の意味である「排他的な」「閉鎖的な」という意味ではなく、アパレル業界や音楽業界などで使われる「〇〇限定の」という意味です。

つまり、「その子のためだけの」世界に1冊のノートを作っています。今までの経験上、こうすることで、子どもたちの解き直しのクオリティや提出率が格段に高くなると強く感じています。そして、提出されたノートには必ず各担当講師(と言っても、二人しか講師はいませんが・・・)から学習面のアドバイスや解き直し自体に対するコメントを付けて返却していきます。

  

模擬試験での偏差値の見方

模擬試験は受験してから約1か月後(受験者が多い模試の場合、模試業者のデータ処理の関係で返却までこれくらいの時間がかかります。)に成績表が返却されます。その際に、点数とともに偏差値が出ます。この偏差値ですが、簡単に言うと「同じテストを受けた集団の中で自分がどの位置にいるかを知る数字」だと思ってください。その集団内の平均点をとると、偏差値はちょうど50となります。つまり、100点満点中で同じ点数をとったとしても、同じ問題を解いた集団内の平均点によって自分の偏差値は変わるのです。例えば、平均点が60点のテストで70点を獲れば偏差値は50を上回りますが、平均点が75点のテストで70点をとれば偏差値は50を下回ります。

このように模擬試験においては、自分が何点をとったかよりも、平均点と比べて何点をとったかが大切です。(細かい話だと、同じ平均点でも受験者ごとの点数のバラつきによっても偏差値変わります。)

 高校においてもこのような偏差値を用いてランク付けがされています。ここで気を付けていただきたいのが、高校の情報誌やインターネットの情報サイトに載っている偏差値をとらなければ、その高校に合格できないかというと、必ずしもそうではないということです。特に中1と中2は実際に合格している生徒の多くは、情報誌やサイトに乗っている偏差値よりも低い偏差値です。これは実際に高校を受験する層と中1・2の段階で模擬試験を受験する層のレベルが大きく異なっているからです。イメージはこんな感じです。

中1・2の段階で模擬試験を受験しているのは、中1・2の段階で塾に通っている子、または塾には通っていないが自主的に模試を受けている子です。この両者に共通することは、本人または保護者の勉強に対する意識が高いことです(個人差はあります)。そしてもちろん、その意識の高さは学力の高さにもつながりますので、中1・2の段階で模擬試験を受験する層は、集団全体のレベルが高いと言えます。これが実際の入試本番や中3の模擬試験になってくると、今まで塾に通っていなかった層までもが受験します。この今まで塾に通っていなかった層は全体で見ると、早いうちから塾に通っていた層と比べるとどうしても学力は低くなります。もちろん、独学・自学でしっかりと力を付けている子もいますが、それは全体から見ると明らかに少数派と言えます。

 そのため、もともと塾に通っていたメンバー内での偏差値は変わらなかったとしても、中1・2のころに比べると、言い方は良くないかもしれませんが、中3では自分よりも低い層が多く受験するようになるので、同じテストを受けた集団内(この場合だと、同じ塾内の生徒&塾外で同じ模擬試験を受けた受験者)での平均点を基準にしている偏差値は相対的に上がるのです。

 

中1における模擬試験の偏差値感覚

私の今までの経験上の感覚値ですと、中1のころから塾に通っている生徒であれば、規模の大きい模擬試験においての偏差値は中1から中3にかけて5~10は平均的に上がると思っています(もちろん個人差はあります)。なので、イメージとしては情報誌や情報サイトで偏差値65くらいの高校(この地域で受験者がいる学校だと光陵高校や横須賀高校)に進学したいと思っているのならば、中1の段階で偏差値50台後半~60くらいが目安になるでしょう(もちろん高いに越したことはないです)。ただ、あくまでも合格目安というよりも受験目安と思ってください。

 

中学・高校・大学の偏差値の違い

最後に、今までの模擬試験の偏差値の話と同じようなことが言えるのが、中学受験・高校受験・大学受験における学校の偏差値です。そもそも学校の偏差値はどのように決まっているのでしょうか?これは大手の模試業者が、模試の受験者とその志望校、そして実際の入試の結果を踏まえて決めています。

 つまり、それぞれの受験をする人々が偏差値の対象となる集団になります。中学受験をするのは神奈川県だと小学生全体の25%程度、大学受験をするのは全国だと高校生全体の55%程度と言われています。それに対して、高校受験をするのは公立中学校に通うほぼ100%です。

 そして、中学受験と大学受験は対象となる集団は多くが学力上位層となるので、当然集団自体のレベルが高くなります。そのため、同じ偏差値50でも、「中学受験・大学受験における偏差値50」と「高校受験における偏差値50」では大きく異なります。ですから、予め覚えていただきたいのは、例えば偏差値50の高校に通う高校生が偏差値50の大学に合格したいと思ったら、その高校内で上位1~2割の成績をとっていないと厳しいということです。

 このような点を踏まえた上で、高校選びをしていきましょう。

それでは今日はここまで。ではまた!