「小学生日記」という取り組みについて

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。今回は小学5年生で始めた「小学生日記」という取り組みについてです。

 

小学生日記とは

フォルテでは、小学5年生の人数が他学年に比べて非常に少ないです(よって大募集中です!)。その中で、国語の授業や算数の文章問題の際に、彼らの文章読解力や語彙の少なさが前々から気になっていました。これまでは授業内でのいろいろと工夫して対応してきたのですが、ここは思い切って何か彼らによってプラスになる取り組みを新たに始めようと思い立ちました。

そこで、週に1回提出する形で日記を書いてもらうことにしました。日記を書く頻度は生徒によって違いますが、最低週に1日~としました。

また、配布したノートには以下のような例と注意点を記しています。

 

小学生日記の狙い①

小学生日記による狙いは、まず前述の通りで文章読解力や語彙力の向上です。文章読解力や語彙力の向上と言うと、まずは読書や演習量を増やすなどの方法が真っ先に浮かびます。それらも悪くないでしょう。ただし、やみくもに数をこなしても、学習者の意識が低いとあまり効果があるとはいいがたいと思います。また、現体制では上記の方法で大きな効果をもたらすための管理体制の仕組み作りが難しいです。

また、言葉は自分で使ってみて初めて「自分のもの」となるので、そういった意味では日記は有効な手段だと思います。

 

小学生日記の狙い②

次にアウトプウトを前提とすることで、インプットの質を高めることを期待しています。何かしらを日記で書くというのが前提にあると、まずは書く内容のネタ探しを自分からするようになります。また、同じイベントに対してもそのときの出来事をより詳しく覚えていようと思いますし、自分がその時にどう感じたか、どういう気持ちになったかを意識的に自分の中で考えるようになります。このような癖をつけることで、今まではぼんやりと考えていたことが、言語化する過程で明確になります。

実際に私自身も最近、毎週何かしらブログの記事を上げることを目標にしているので、ブログのネタになることを積極的に探すようにしていますし、「これをブログで書くとしたら、どういう切り口で書こうかな?」といった具合に思考を巡らせます。

 

中学生日記への応用

近いうちに中学生でも日記の課題を始めようと思います。ただ、中学生の場合は小学生のようにただ日記を書くだけでなく、テーマを決めて書いてもらおうかと思います。例えば、「嬉しかったこと」「疑問に思ったこと」「怒りを感じたこと」など。

こういったテーマ設定をすることによって、やはり主体的にテーマに合ったネタを探したり、自分自身の気持ちに向き合うようになると思います。

 

最後に

ということで、今回は「小学生日記」という取り組みについてでした。私個人的には、この取り組みを通して、フォルテに通う子供たちそれぞれが「日々、何をして何を感じているのか」を知ることも楽しみです。

今回は以上です。ではまた!

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言霊(ことだま)は本当にあるのか?

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。 今回は、言霊(ことだま)についてです。

 

言霊(ことだま)とは?

言霊とは、古代から信じられている言葉に宿るとされる神秘的な力のことです。そのため、声に出した言葉が現実の事象に影響を及ぼすと信じられています。

簡単に言うと、前向きな言葉を声に出せばそれが良い結果につながり、後ろ向きな言葉を声に出せばそれが悪い結果につながるということです。例えば、結婚式の時や受験の直前には不吉なことを連想させる言葉を控えるような慣習がありますよね。それも言霊の一種なのかもしれません。

余談ですが、私が言霊という言葉を初めて知ったのは、サザンオールスターズの「愛の言霊」という曲名でした。確か、元スマップの香取慎吾主演のドラマのタイアップ曲だったと思います。

 

言霊(ことだま)は科学的なことなのか?

この言霊は、ただの慣習や言い伝えなのかというと、実はそうでもないようです。以前、このような話を聞いたことがあります。

ある研究によると、人間は後ろ向きな言葉を聞くと、脳のスイッチがオフになってしまうというのです。こういった研究に関連して、ある救急医療の現場では「仕方がない」「無理だ」といった後ろ向きな言葉を発することを禁止しているようです。

救急医療の現場は、いついかなる時に急患が運ばれてくるかわからないので、常に緊張感があり、なおかつ睡眠時間もあまり取れず精神的にも体力的にもキツイことが多いです。それでも、運ばれてくる急患を助けるために、多少無理をしてでも全力を尽くさなければならない環境です。そんな中で、誰かが「仕方がない」「無理だ」などの言葉を発すると、その現場のスタッフの脳のスイッチがオフになってしまい、キツイ状況でのもうひと踏ん張りができなくなってしまい、救える命も救えなくなってしまうとのことです。

 

集団内での言葉の影響力

このような、ざっくりと言うと、良い言葉は周りに良い影響を与え、悪い言葉は周りに悪い影響を与えるというのは、何も救急医療の現場に限った話ではないでしょう。特に集団生活の中では、その集団内の士気や雰囲気にかかわる重要な話だと思います。

例えば、スポーツの場合。サッカーの試合で1点差で負けていて、後半も残り時間わずか。そんな状況で誰かが、「ラストワンプレーで絶対に追いつこうよ!」と言えばチームの士気は高まり勢いも出ますが、「もう無理だよ。追いつけないよ。」と言えばチームの士気が下がって雰囲気が悪くなるでしょう。

例えば、塾の場合。みんなが入試や学校の定期試験に向けて必死に頑張っています。そんな状況で誰かが、「次の模試では絶対1位を取る!」と言えばそれを聞いたクラスメイトも負けじと頑張り切磋琢磨し合うでしょうが、「テストの点数なんてどうでもいいよ。」と言えばその場の凛とした空気が壊れてしまい雰囲気が悪くなるでしょう。

私の経験上、こういった集団内での士気や雰囲気はものすごく重要で、それは結果にも大きく影響します。というのも、そういった環境に引っ張られず高いパフォーマンスを発揮できるような強靭なメンタルを持った人というのは、全体の中でもごくごく少数だからです。ほとんどの人は多かれ少なかれその場の雰囲気に流されるものです。ですから、フォルテ内でも悪気の有無にかかわらず、マイナス発言をする生徒に対しては、その子自身を思ってもそうですが、その場の士気や雰囲気にも悪い影響があるので必ず注意をするようにしています。

今まではこういうのは単に感覚的なものかと思っていましたが、この記事内で紹介した研究結果や医療現場での話を聞いて、妙に腑に落ちました。

 

自分の言葉の影響を考えよう

人間誰しも辛くなってしまったり、ネガティブな考えに陥ってしまうことはどうしてもあります。そういう時は、自分なりの気晴らしを見つけたり、ごく身近な人(家族・友人・塾の先生など)に愚痴をこぼしたり、相談したりするのも良いでしょう。

ただし、もうひと踏ん張りしなきゃいけない時や、集団内にいるときには自分の言葉が自分自身および周りに対して良くも悪くも影響を与えるということを自覚しましょう。ですから、そういった状況ではたとえキツイ状況だとしても、前向きな言葉を意識的に声に出し、後ろ向きな言葉は胸の内にしまっておきましょう

今回は以上です。ではまた。

 

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人生を豊かにする芸術作品⑭『さかなのこ』

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

このシリーズでは、全小中学生にオススメの映画や小説などを紹介していきます。このシリーズで紹介するのは、私の考える「良い芸術作品」です。

ここでいう「良い芸術作品」とは、その作品に触れることで私たちが「何かしら成長できる」「何かを考えるきっかけを得られる」「何かしらを学べる」「モチベーションが高まる」作品を指しています。

優れた芸術作品(小説でも音楽でも絵画…etc)に触れることで私たちの人生は豊かになります。ここで紹介する良い芸術作品に触れることで少しでも子どもたちの人生が豊かになってくれればと思っています。

 

第十四弾となる今回は、映画『さかなのこ』(2022年)です。

<参考記事>
第一弾:映画『ドリーム』(ココをクリック)
第二弾:映画『ズートピア』(ココをクリック)
第三弾:映画『シェフ~三ツ星フードトラック始めました~』(ココをクリック)
第四弾:映画『トイ・ストーリー4』(ココをクリック)
第五弾:映画『Us(アス)』(ココをクリック)
第六弾:映画『アルプススタンドのはしの方』(ココをクリック)
第七弾:映画『ミッション:8ミニッツ』(ココをクリック)
第八弾:映画『gifte/ギフテッド』(ココをクリック)
第九弾:映画『あの夏のルカ』(ココをクリック)
第十弾:映画『フリー・ガイ』(ココをクリック)
第十一弾:映画『ドラえもん のび太とアニマル惑星』(ココをクリック)
第十二弾:映画『ロスバンド』(ココをクリック)
第十三弾:映画『線は、僕を描く』(ココをクリック)

映画『さかなのこ』とは?

映画『さかなのこ』は、誰もが知る「魚博士」の さかなクン の自伝『さかなクンの一魚一会~毎日夢中な人生!~』の映画化です。私個人は、原作の自伝を読んでいませんので、近いうちに拝読したいと思います。

監督は『横道世之介』『南極料理人』などの映画で知られる沖田修一です。個人的にはあまりこの監督の映画を見ていないのですが、2020年の映画『子供はわかってあげない』は劇場で観ていて大好きでした。この映画でも『子供はわかってあげない』と共通する良さが多くありました。

また、さかなクンと言えば、この映画でも描かれている通り、日本で初めてカブトガニの人工繁殖に成功したこと(しかも中学生時代に!)や、中学1年生の国語の教科書に掲載されている『幻の魚は生きていた』で取り扱われている(それまで絶滅したとされていた)クニマスの生息確認にも貢献するなど、研究者・学者の面での功績も本当に素晴らしいわけですね。

 

あらすじ(公式サイトより)

お魚が大好きな小学生・ミー坊は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、信じて応援し続ける母親に背中を押されながらミー坊はのびのびと大きくなった。高校生になり相変わらずお魚に夢中のミー坊は、まるで何かの主人公のようにいつの間にかみんなの中心にいたが、卒業後は、お魚の仕事をしたくてもなかなかうまくいかず悩んでいた…。そんな時もお魚への「好き」を貫き続けるミー坊は、たくさんの出会いと優しさに導かれ、ミー坊だけの道へ飛び込んでゆくーー。

 

映画『さかなのこ』の見どころ

魅力的な登場人物

主人公のミー坊(のん)。まずこの作品の一番の成功ポイントは、何と言っても主人公のミー坊に のん をキャスティングしたことです。ミー坊は男の子ですが、それを女優の のん が演じています。公開前の予告を見た時点で、「これがあったか!」とハマり役に感じましたが、この透明感や中性的な存在感は唯一無二で、今や のん 以外が演じる姿は想像できないほどです。

 

ミー坊の母・ミチコ(井川遥)。ミー坊にとっての最大の理解者です。ミー坊の他の子との明らかに違うところを心配する父親とは対照的に、それを1つの個性としてまさに全肯定してくれる存在です。ミー坊の成長する姿をミチコが温かい目で見つめるシーンがいくつかありますが、「お母さん、良かったですね。あなたの育て方は間違ってなかったですね。」という思いがこみ上げてきて泣けます。

 

ミー坊の小学校時代の同級生であるヒヨ(柳楽優弥)。小学校時代はミー坊と仲良しでしたが、高校生になるとミー坊と違う高校に通い、「狂犬」と呼ばれる不良になっていました。ただ、それでもミー坊の良き理解者です。個人的にこのヒヨとミー坊の友情が示されるシーンに何度も胸が熱くなりました。不良から足を洗って、自分の将来のために頑張る姿も素敵です。

 

ミー坊の小学校時代の同級生であるモモコ(夏帆)。高校卒業後は、シングルマザーとして娘を育てることになり、ミー坊の一人暮らしのアパートに転がり込みます。ミー坊との間では不思議な友人関係を築いており、ミー坊が「好き」を貫く姿に大きな影響を受けます

 

ミー坊の通う高校の不良のリーダー的存在である総長(磯村勇斗)。不良の一方で、バカっぽい一面や優しい一面も見えます。また、漁師を祖父に持っていることもあってか、魚に対して物すごい知識と熱量を持つミー坊に対しては、一定のリスペクトを持って接しています

 

総長と敵対する高校(=ヒヨの通う高校)の不良のリーダー的存在である籾山(岡山天音)。ミー坊との出会いが彼の人生を大きく変えることになり、それがミー坊にとっても大きな転機になります

 

ミー坊の小学生時代に、近所に住んでいたギョギョおじさん(さかなクン)。魚に異様に詳しい無職の男性で、周囲からは完全に変質者扱いされています。ただ、このキャラクターは、ミー坊(=さかなクン)が一歩間違えたらありえたかもしれない人生の1つであり、この映画の大きなメッセージである「好きを貫くこと」の危うさを示す存在でもあります。

 

ミー坊の高校の鈴木先生(鈴木拓)。この役を演じる、お笑い芸人・ドランクドラゴンの鈴木拓は実際にさかなクンの中学・高校の同級生とのことです。今回の高校のシーンの撮影も二人の母校(神奈川県立綾瀬西高校)で行われたとのことです。

 

この他、ミー坊やヒヨやモモコの小学生時代を演じた子役たちも全員良かったです。

 

テーマとメッセージ

沖田修一監督がこの映画を作るうえで、大切にしたスローガンは「男か女かはどっちでもいい」で、この言葉は映画の冒頭に出てきます。これによってミー坊役を のん が演じていることにも一気に説得力が出ます。

また、映画の持つ最も大きなメッセージは「好きなことを貫き通すこと」の大切さです。そして、その中で「他人に認められることで自己肯定感が高められる」ということだと思います。

劇中では、ミー坊の魚に対する「好き」という圧倒的なエネルギーが周囲を巻き込んでいきます。この映画は大きく分けて小学生時代・高校生時代・青年時代の3つのパートに分かれており、それぞれでミー坊を認め、支えてくれる人々がいます彼らの存在があるからこそ、ミー坊は自己肯定感が高められ、「好き」を貫き通すことができて、成功へとつながるのです

「好きに勝るものなしでギョざいます!」(by ミー坊)

 

数々の笑えるシーン

私が2020年に見た同じ沖田修一監督作品『子供はわかってあげない』同様、コメディタッチで笑えるシーンがたくさんあります。父親とタコのシーン、ミー坊が不良のナイフを使って魚をさばくシーン、映画終盤での母親によるまさかの告白は特に個人的にお気に入りです。

 

パンフレットが良い

『さかなのこ』のパンフレットがまた良いです!メインキャストの俳優さんたちのインタビュー、監督インタビュー、監督とさかなクンの対談、劇中に出てくる魚の図鑑(!)、劇中に出 てくるさまざまな資料の画像など、ボリュームがあります。

この映画が好きな人にとっては、かゆい所に手が届く内容になっていて、マストアイテムです

 

ということで、映画『さかなのこ』は老若男女問わず楽しめる大傑作で、何か好きなことに打ち込んでいる人の背中を押してくれる作品です!超オススメです。

今回は以上です。ではまた。

 

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内容を定着させるための復習方法

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。 今回は、一度受けた授業の内容を定着させるための復習方法についてです。

 

高校時代に通っていた塾

本題に入る前に、私が高校生の時に通っていた塾について簡単にご紹介しようと思います。およそ20年前、私は高校2年生の2月ごろに兄の友人の紹介で「一色塾」という塾に入りました。当時は、私が通っていた金沢文庫校を含めていくつか校舎があったのですが、現在では藤沢校のみになっているようです。どちらかと言うとこじんまりした塾で、そういう空気感とかが個人的には好きでした。また、「担任制」を敷いていて進路などに迷ったときに相談できる先生が明確なのも良かったです。

そんな一色塾で受けた最初の日本史の授業は(良い意味で)とにかく衝撃的でした。そして、最初の授業が終わったときには「この先生について行けば、きっと大丈夫だ。」という不思議な感覚になりました。あれから約20年、何の因果か塾講師となった今では、初見の生徒にこのような感覚持たせることができるような授業をしたいと常々思っています。

ちなみに一色塾に入塾した当時の私は、第一志望合格には学力的に全く届いていない状況でした。実際に高校の進路相談でも「志望校をもっと低い大学に考え直せ。」としつこく言われていました。しかし、そこから大学受験まで約1年間、一色塾に通って、私は第一志望の大学・学部に合格することが出来ました。その大きな要因の1つが、最初の日本史の授業で教えてもらった復習方法を愚直に実践したことだと思います。ちなみに合格を報告した際に、日本史の先生とした握手の感覚はいまだに覚えています。それくらい

 

日本史の先生直伝の復習方法

さて、本題です。今回は私が高校生の時に通っていた塾の先生から伝授された、授業内容を定着させるための復習方法(小中学生向けに多少アレンジしています!)についてです。先に結論から言うと、「24時間以内に復習すること」と「十分な演習量をこなすこと」の2点です。

 

24時間以内に復習すること

まずは1点目「24時間以内に復習すること」についてですが、当然のことながら人間は過去のことについて、時間が経過するとどんどん忘れていきます。そこで、授業で扱った内容を24時間以内に復習してみましょう。ここでいう「復習」とは、そこまでたくさんの時間や労力をかけたものでなくてもよいです。例えば、授業中にとったノートやプリントを5~10分見返す程度でも良いです。ただし、そのときのコツとしては「授業中のことを思い出しながら復習すること」です。「この部分の説明をするときに先生が具体例として〇〇を挙げていたな」とか「この問題を解くために、先生が必要な知識を語呂合わせで教えてくれたな」といったことを思い出しながらノートやプリントを見直しましょう。こうすることで、より授業の内容を記憶しやすくなりますので、その分忘れにくくなります。

 

十分な演習量をこなすこと

次に2点目「十分な演習量をこなすこと」についてです。こちらもとても大切です。たとえ知識があっても、それを使いこなせなければ「成果」は出ません。この場合の「成果」は主にテストの点数や学校の成績を指していますが、これらの「成果」を得るための最も良い方法の一つが「演習量をこなすこと(=様々な問題を解くこと)」です。フォルテから出される宿題もその一つです。ですから、「宿題を期限通りにしっかりこなすこと」が最優先です。ちなみにここでの「期限通りに」という部分も非常に大事です。私の経験上、宿題をチェックする際に「すみません、まだ丸付けが終わっていません。」「すみません、まだ半分しか終わっていません。」などということが頻繁にある生徒で、学校の成績が良かったり、模擬試験で高い点数が取れたりする生徒はほぼいません。逆に言うと、学校の成績や模擬試験で良い成績や点数が取れる子はこう言った基本的なところを確実にこなしている子です。宿題は、「内容」「量」「やるタイミング」がすべて適切である場合に最大の効果が出ると思います。そして普段の宿題の「内容」と「量」は出す側が考えますので、皆さんは「やるタイミング」だけを意識しましょう。つまり、期限まで宿題をこなそうということです。

 

最後に

繰り返しになりますが、一度受けた授業の内容を定着させるための復習方法は「24時間以内に復習すること」と「十分な演習量をこなすこと」の2点です。

このように復習のやり方ひとつで、同じ授業を受けていても内容の定着度や実力向上には大きな差が生まれます。せっかく受けた授業に内容がそのまま忘れ去ってしまうのはもったいないので、出来る限り内容を定着させられるように意識して復習に力を入れましょう!

今回は以上です。ではまた。

 

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挨拶と成績の相関性

こんにちは、文系担当の上村です。今回、大手塾時代も含めて私の今までの経験から感じている、挨拶と成績の相関性についてです。

 

自分から挨拶をする子としない子

フォルテに通っている子の中でも、塾に入ってくるときに自分から「こんにちは。」と挨拶をする子もいれば、こちらが声をかけて初めて挨拶をする子がいます。感覚値としては、前者が8~9割で後者が1~2割といった具合です(スポーツの習い事をしていたり、運動部に入っていたりする子は大抵自分から挨拶をする印象はあります)。

そして、前者の子、つまり自分から挨拶をする子の方が後者の子に比べて学校の内申点にしても、模擬試験の偏差値にしても入塾後の伸びが高いという傾向がはっきりとあります(そもそも内申点に関しては前者の子の方が、入塾時点で高い傾向があります)。

 

挨拶と成績の相関性を考察

では、なぜこのような差が生まれるのか?あくまで私の考えですが、以下のような理由があるのではないかと思います。

理由①学校の内申点UPや高内申点獲得について

自分から挨拶をする子は、塾だけでなく普段からそうしているのだと思います。そうなると、学校でも先生に対して自分から挨拶をしたり、声をかけたりと言ったコミュニケーションがたくさんあるのではないかと思います。先生も人間ですから、そういった子に対しては自然と良い印象を持ちます

そこで、たとえ別の子テストの点数や提出物の評価が同じだったとしても、こういった好印象がある子については先生の温情(?)によって他の子よりも少し高い成績が付くのではないかと思います(これ自体が内申点の制度上、良いか悪いかは別問題として)。

 

理由②偏差値UPや高偏差値獲得について

自分から挨拶をする子は、全体の傾向として「素直な」子が多いと思います。そうなると、我々のような塾講師や学校の先生方のアドバイスを素直に聞き入れて、それを実行に移す子の割合も高いでしょう。ですから、学力の面でも向上しやすくなります。

私の経験上、偏差値40台~60台前半までで伸び悩んでいる子の多くは、勉強のやり方以前に勉強量が足りていません。フォルテでも特に偏差値UPが顕著な子というのは、まずは言われた課題をしっかりこなします。その上で自分自身に足りない部分を補うための+αの努力をしています。

 

挨拶をしない子が伸びない理由

一方、自分から挨拶をしない子の中には、普段から他人の話をよく聞いていないという子も多いです。そういう子は、基本的な提出物を出し忘れたり、課題や授業中の動きでも言われた通りの最低限のことすら出来ていなかったりします(もちろん、そうじゃない子もいますが)。すると、自然と学校の成績も付きづらくなりますし、学力もアップしづらいです。

こういった子は、変に自分のやり方に固執する傾向もあります。ある程度の土台があって、その上で自分自身のオリジナリティを出すのなら良いのですが、土台すらない状態で自分のやり方に固執する子はほぼ伸び悩みます。それは今までそのやり方で伸びていないのですから、当然と言えば当然なのですが。

 

挨拶をしないのはもったいない

成績云々に関係なく、そもそも集団生活をする中で、自分から挨拶をする人の方が相手に持たれる印象は確実に良くなります。逆に言うと、挨拶をまともにしない人はそれだけでマイナスの印象を持たれてしまいます。こうなると、良好な人間関係は築きにくいですし、そこが会社や学校であれば挨拶をしない人間というだけでフラットな状態で能力や頑張りを評価してもらえません。これは非常にもったいないです。

ですから、我々は子どもたちに「自分から挨拶をするようにしよう!」と伝えることにしています。

今回は以上です。ではまた。

 

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人生を豊かにする芸術作品⑬『線は、僕を描く』

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

このシリーズでは、全小中学生にオススメの映画や小説などを紹介していきます。このシリーズで紹介するのは、私の考える「良い芸術作品」です。

ここでいう「良い芸術作品」とは、その作品に触れることで私たちが「何かしら成長できる」「何かを考えるきっかけを得られる」「何かしらを学べる」「モチベーションが高まる」作品を指しています。

優れた芸術作品(小説でも音楽でも絵画…etc)に触れることで私たちの人生は豊かになります。ここで紹介する良い芸術作品に触れることで少しでも子どもたちの人生が豊かになってくれればと思っています。

 

第十三弾となる今回は、映画『線は、僕を描く』(2022年)です。

<参考記事>
第一弾:映画『ドリーム』(ココをクリック)
第二弾:映画『ズートピア』(ココをクリック)
第三弾:映画『シェフ~三ツ星フードトラック始めました~』(ココをクリック)
第四弾:映画『トイ・ストーリー4』(ココをクリック)
第五弾:映画『Us(アス)』(ココをクリック)
第六弾:映画『アルプススタンドのはしの方』(ココをクリック)
第七弾:映画『ミッション:8ミニッツ』(ココをクリック)
第八弾:映画『gifte/ギフテッド』(ココをクリック)
第九弾:映画『あの夏のルカ』(ココをクリック)
第十弾:映画『フリー・ガイ』(ココをクリック)
第十一弾:映画『ドラえもん のび太とアニマル惑星』(ココをクリック)
第十二弾:映画『ロスバンド』(ココをクリック)

 

映画『線は、僕を描く』とは?

映画『線は、僕を描く』は、水墨画を題材にした砥上裕將による同名小説の映画化で、製作は青春映画の大傑作である『ちはやふる』シリーズの小泉徳宏監督を始めとするスタッフが再集結して担当しています。

私個人的には、原作小説の存在は知りませんでしたが、とにかく映画『ちはやふる』シリーズが大好きで、今回この映画を見ようと思ったのも、『ちはやふる』シリーズの監督や製作陣による映画だったという部分が大きいです。

そして、今作も『ちはやふる』同様、個人的に大好きな映画でした。

 

あらすじ(公式サイトより)

大学生の青山霜介はアルバイト先の絵画展設営現場で運命の出会いを果たす。白と黒だけで表現された【水墨画】が霜介の前に色鮮やかに拡がる。深い悲しみに包まれていた霜介の世界が、変わる。
巨匠・篠田湖山に声をかけられ【水墨画】を学び始める霜介。【水墨画】は筆先から生み出す「線」のみで描かれる芸術。描くのは「命」。霜介は初めての【水墨画】に戸惑いながらもその世界に魅了されていく――。

 

映画『線は、僕を描く』の見どころ

圧巻の水墨画シーン

まずは、何よりも登場人物たちが水墨画を描くシーンが格好良く描かれているところです。『ちはやふる』でもカルタの試合シーンがとても格好良く描かれていましたが、今作の水墨画のシーンも素晴らしいです。共通して言えることは映像と音楽がバッチリ嚙み合っていて、見ていて心躍るような体験ができることです。ちなみに主演の横浜流星はこの映画のために1年以上水墨画を特訓して、撮影に臨んだとのことです。また、パンフレットを読むと、他の役者さんたちもかなりの量練習したようで、その一部の作品が劇中にも多く使われているようです。

映画内でも水墨画のド素人である主人公が、水墨画を始めてから圧倒的な努力を重ねる描写がありました。特に素人の主人公が何かに打ち込むストーリーの場合、こういったシーンがあると、その後の主人公の才能の開花ぶりにも説得力が出るので、非常に良かったです。

さらに、『ちはやふる』では、カルタの試合中に主人公チームのメンバーの動き(上の句が読まれる寸前に一斉に腰上げる動き)に一体感があって、それが見ていて心地よかったです。そして、この映画内でも登場人物たちが水墨画を書き始める際に目をつむって息を整えるという特有の動作があり、それは見ていて心地よさを覚えます(ストーリー的にも主人公がその動作をすることで、師匠と真の師弟関係になったことがわかる)。

 

魅力的な登場人物

メインの登場人物4人はみんな良いです。

主人公の霜介(横浜流星)。実は過去に大きなトラウマを抱えており、いまだにそれを引きずっていて、何事にも前向きに取り組むことが出来ずにいました。しかし、そんなある日に運命的に水墨画に出会い、その魅力にどんどん引き込まれます。また、彼が過去のトラウマに向き合って克服することがこの映画のストーリー的には大きなテーマになっています。

 

霜介の師匠であり、水墨画の巨匠である篠田湖山(三浦友和)。霜介を一目見て、彼の中にある可能性を感じて弟子に誘います。決して口数が多いキャラクターではないですが、彼の一言一言には温かみがあり、映画の後半での彼のセリフには何度も泣かされました。

 

湖山の孫であり、新進気鋭の水墨画家の篠田千瑛(清原果那)。自分自身が湖山から水墨画を満足に教えてもらえない中で、急に湖山の弟子となった霜介に対して、嫉妬心に近いライバル心を抱きます。彼女は、去年の賞コンテストで審査員から酷評されて以来、納得のいく水墨画が描けず、完全にスランプに陥っていました。そんな中、霜介との出会いをきっかけに、「自分らしい線」とは何かということに向き合います。

 

湖山の一番弟子であり、霜介や千瑛たちの兄貴分的な存在の西濱湖峰(江口洋介)。普段は湖山の家で身のまわりの世話などをしていますが、一番弟子というだけあって水墨画に造詣が深いです。性格的に荒々しい部分がありますが、根は優しくて、霜介や千瑛を様々な面でサポートしています。個人的には、この西濱湖峰が一番好きなキャラクターです。はっきり言って江口洋介のベストアクトだと思います!

 

他にも、主人公・霜介の大学の同級生である古前と川岸や、元々は湖山に並ぶ巨匠で今は水墨画評論家の女性・翠山もなかなか良いキャラクターです。

 

良いセリフ

劇中に良いセリフがたくさんあります。特に主人公・霜介に対するセリフは、霜介に感情移入して見ている我々に投げかけられていると思えるので、よりエモーショナルに感じます。以下、印象的なセリフです。

「できるかできないかじゃない。やるかやらないかだよ」(湖山)

「何かになるんじゃなくて、何かに変わっていくもんかもね」(湖峰)

「そろそろ前に進むときだろ」(古前)

余談ですが、↑の湖山のセリフは、私が会社員時代の新人のときに当時の上司に全く同じセリフを言われたのを思い出して、ドキッとしました。

 

テーマとメッセージ

先にも述べた通り、「過去のトラウマを克服して、未来に向けて新たな一歩を踏み出すこと」です。その中で、「生と死」が大きなテーマとして掲げられています。それは、霜介の過去のトラウマ、登場人物の一人の身に起こることのほか、食料の調達の仕方や食事の場面での登場人物たちの動作などでもこのテーマを連想させるシーンが多くあります。食の裏側には命があるということです。

 

画面作り

とにかく光を上手く使った画面作りが印象的です。本当に音楽と光の使い方が素晴らしい映画だなと見ていてずっと感心していました。

また、劇場で2回目に見たときには、画面の中の色に注目すると青やネイビーを基調とした画面作りが徹底されていることに気づきました。何気ない小道具や登場人物たちの服装など、至るところに青・ネイビーが使われていました。もし二度目以降に見返す場合は注目してみてください。

 

(多少ネタバレあり)主人公たちの成長

タイトルにもある通り、技術云々とは別に水墨画の線はその人自身を表しています。そして、その人らしさが感じられる線こそ「良い線」なのです。逆に言うと、人を真似て描いたのでは「良い線」ではないし(劇中では「悪くはない」と表現されています。)、心の中に迷いのある人が描く線にはやはり迷いがあります。

霜介は過去のトラウマと向き合うこと、千瑛は身近な人の生死を目の前にすることで、自分自身と向き合い、心の中の迷いをなくしていきます。それによって、二人は「良い線」の水墨画を描くことができるようになります。

また、主人公が過去のトラウマを乗り越えるときに、場面としては時間帯が夜から朝になります。つまり、過去のトラウマによって立ち止まっていた主人公にも夜明けが訪れて、そこからまた前に進みだすことができるということを示しています。

映画『ちはやふる』シリーズ同様、この映画も超絶オススメです!

パンフレットも良かったです!

今回は以上です。ではまた。

 

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ユニクロのUTme!でオリジナルTシャツを作りました!

こんにちは、文系担当の上村です。今回は、ユニクロのサービスを使ってオリジナルTシャツを作った話です。

 

UTme!というサービス

先日、Twitterのフォロワーの方のとあるツイートでユニクロのUTme!というサービスを知りました。これは、簡単に言うとユニクロのTシャツやパーカーなどのボディーに文字や写真・イラストなどをオリジナルでデザインして発注できるというものです。このサービス自体は2014年から開始していたようなのですが、恥ずかしながら全く知りませんでした。

私自身は今まで、オリジナルのTシャツやパーカーをここ数年いくつも作ってきました。そして、その際には近所のお店やオンラインサービスのラクスルを使用していました。このときには「ユナイテッドアスレ(United Athle)」や「グリマー(glimmer)」でした。

これはこれで定番だけあって、それなりに良い感じです。

また、このサービスでは自分のためにオリジナルTシャツやパーカーやトートバッグを作られるだけでなく、自分がデザインした製品を販売することも出来るようです。なので、ユニクロの店頭に売られていないデザインのユニクロ製品が欲しいと言う人にもお勧めできるサービスです。

 

デザインしてみる。

まずはUTme!のアプリをインストールします。

アプリを起動し「つくる」をタップするとすぐにデザインをすることができます。

 

少し苦労した、というかストレスに感じたのが、画像や文字の大きさを親指と人差し指で変える際に、画像や文字がどうしても斜めになってしまい、それを補正する機能があると助かるなと思いました。また、私は今回使いませんでしたが、画像や文字をスマホをシェイクすることによってわざとブレさせたり、スプラッシュ感を出させたりする機能もあるので、これらを活用すればより個性的でオリジナルな1枚を作ることが出来そうです。

また、デザインが完成したあとには、ユニクロ側でそのデザインが著作権や肖像権を侵害していないかのチェックがあります。今回作ったTシャツも最初はこのチェックではじかれてしまい、非承認となりましたが、申請時の記入欄に自分自身が権利を有している旨などを記載して再申請したら大丈夫でした。

そして再申請後から3日後には届きました。早い(速い)!

 

実際に届いたTシャツ

以下が実際に届いたTシャツです。今回は、うちのオリジナルキャラクターの他、チラシで使用したイメージイラストバージョンも作ってみました。

↓オーバーサイズTシャツのバックプリント

これから活躍するであろうロンTも作ってみました。

これはUTme!に限った話ではないですが、インクジェットプリントだと黒地に印刷したときと白地に印刷したときとで色合いが全く違いますね(生地自体の違いもあるかもですが)。ちなみに黒の場合は白に比べて加工料が発生して1000円くらい高くなります。

初めてUTme!を利用しましたが、とりあえず出来には満足です。また利用しようと思います。

今回は以上です。ではまた!

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人生を豊かにする芸術作品⑫『ロスバンド』

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

このシリーズでは、全小中学生にオススメの映画や小説などを紹介していきます。このシリーズで紹介するのは、私の考える「良い芸術作品」です。

ここでいう「良い芸術作品」とは、その作品に触れることで私たちが「何かしら成長できる」「何かを考えるきっかけを得られる」「何かしらを学べる」「モチベーションが高まる」作品を指しています。

優れた芸術作品(小説でも音楽でも絵画…etc)に触れることで私たちの人生は豊かになります。ここで紹介する良い芸術作品に触れることで少しでも子どもたちの人生が豊かになってくれればと思っています。

第十二弾となる今回は、映画『ロスバンド』(2022年)です。

<参考記事>
第一弾:映画『ドリーム』(ココをクリック)
第二弾:映画『ズートピア』(ココをクリック)
第三弾:映画『シェフ~三ツ星フードトラック始めました~』(ココをクリック)
第四弾:映画『トイ・ストーリー4』(ココをクリック)
第五弾:映画『Us(アス)』(ココをクリック)
第六弾:映画『アルプススタンドのはしの方』(ココをクリック)
第七弾:映画『ミッション:8ミニッツ』(ココをクリック)
第八弾:映画『gifte/ギフテッド』(ココをクリック)
第九弾:映画『あの夏のルカ』(ココをクリック)
第十弾:映画『フリー・ガイ』(ココをクリック)
第十一弾:映画『ドラえもん のび太とアニマル惑星』(ココをクリック)

 

映画『ロスバンド』とは?

『ロスバンド』は、それぞれが悩みを抱える4名の少年・少女が主人公にしたノルウェー発の青春映画です。タイトルの通り、主人公たちはロックバンドとしてノルウェーロック大会の決勝に出場するために、地元から遠く離れた町・トロムソにキャンピングカーで向かう、いわゆるロードムービーです。

ノルウェー本国では2018年に公開されたようですが、日本では今年の2月に公開され、その際に文部科学省選定作品になっているだけあって、老若男女問わず全方位的におススメできる心温まる作品だと思います。

 

あらすじ(公式HPより)

ドラム担当のグリムと、親友でギター兼ボーカルのアクセルはノルウェーのロック大会に出るために練習に励む毎日。グリムはアクセルの音痴が気になってしかたがない。真実を言い出せないまま、念願の大会出場のチケットを手に入れたものの、ベースもいなければ、開催地は遥か北の果ての町・トロムソ。ベーシストのオーディションにやってきた9歳のチェロ少女のティルダを仲間に入れて「ロスバンド」を結成し、近所に住む名ドライバーのマッティンの運転で長旅のドライブに出かけるが……。果たして4人はトロムソに無事たどり着いて、ロック大会で演奏することができるのか。

 

魅力的な主人公4人

この映画では、それぞれに別々の悩みを抱える4人の少年・少女が主人公です。彼ら・彼女らがみんな魅力的で、それがこの映画の素晴らしい点の1つです。

1人目は、両親の不仲に悩んでいる、バンド「ロスバンド・イモターレ」のドラム担当のグリム。小さいころに初めて両親と行ったライブの際に、当時のノルウェーで最高のドラマーと写真を撮ってもらい、「夢を追い続けろ(Follow your dream)!」というメッセージをもらって以来、バンドのドラマーとして相棒のアクセルと一緒にノルウェー・ロック大会への出場を目指して頑張ってきました。この健気な彼の姿は良いです。

 

2人目は、恋に悩んでいる、バンド「ロスバンド・イモターレ」のギター兼ボーカル担当のアクセル。学校のアイドル的存在のリンダに恋をしているが、全く自分に振り向いてもらえず、かなりこじらせています。また、グリムの相棒でギターの腕前はピカイチですが、歌が致命的に下手クソで本人はそのことに気が付いておらず、グリムもそれを指摘できずにいました。ちなみにデモテープを作る際には、グリムが音楽ソフトでアクセルの歌の音程を補正していました。個人的に感心したのは、このアクセルが最初に出てきてグリムと会話をする場面で、セリフの言い回しを聞いた時点で「あ、コイツは確実に歌が下手だな。」と観客にわかるところです。

 

3人目は、家では両親に放っておかれていて、学校でも友達が1人もいない、9歳のティルダ。そんな日常から抜け出すために「ロスバンド・イモターレ」のベーシストオーディションに参加し、唯一の参加者であったがチェロの腕前は相当なものだったため合格し、バンド入りする。個人的には、この映画で最も魅力的な役が、このティルダです。年齢の割にませた感じの役ですが、時折見せる年齢相応の表情が素敵です。また、バンドのメンバーと時間を共にするうちに、「自分の居場所はここなんだ」と気づくところも良いです。

 

4人目は、父親が経営する板金屋さんで働きつつ、父親にラリードライバーとしての指導を受けているマッティン。実はマッティンは、この春にロンドンの音楽専門学校に合格していて、本当はそこに通って音楽の道に進みたがっていましたが、「音楽で食えるはずがない」という父親の鶴の一声で、進学を断念していました。父親の前では「音楽を諦めた」と言っているものの、彼の心には音楽への強い思いがまだあったのでした。ロスバンドには、会場までバンドメンバーを連れて行くキャンピングカーの運転手として参加します。バンドメンバーの兄貴分的な存在で、事あるごとに他のメンバーを気づかうナイスガイです。

 

劇中の音楽とノルウェーの風景が良い。

音楽映画ということで、劇中に流れる曲がどれも良いです。メインテーマやバンドが大会で演奏する歌もそうですし、キャンピングカーで会場に向かう道中に流れる歌も素晴らしいです。私は鑑賞後にパンフレットやYou Tubeを駆使して曲名やアーティスト名を調べて、数曲ダウンロードしました。

また、この映画はノルウェーを南から北へ縦断するロードムービーということで、様々なノルウェーの風景が印象的に映ります。ノルウェーに対する知識がない中でも、その雄大さや美しさには圧倒されます。

 

青春映画としての良さ

この『ロスバンド』は主人公4人の成長を描いた青春映画として傑作です。この映画では、彼ら・彼女らの人生を決定的に変えるような大きな出来事は起きませんし、ストーリー自体に大きなひねりやどんでん返しはありません。それこそ、彼ら・彼女らがキャンピングカーでノルウェーロック大会の会場となる町を目指しているように、映画として(これはいい意味で)物語のゴールは予め決まっているような作品ともいえます(だからそこ安心して見られる良さはあるでしょう)。これは映画として大きな起伏がないと言うだけであって、つまらないということでは決してなく、映画の中で愛おしく思えるシーンは本当にたくさんあります

ただし、その道中において、それぞれ悩みを抱えていた4人が、時に壁にぶつかり、時に仲間に支えられながら、自分の進むべき道を決めます。このストレートでわかりやすいストーリー展開も、青春映画として良いところだと思うし、だからこそ見終わった後の爽快感を覚えるのかもしれません。

また映画を見終わった後に「またアイツら(=4人のメンバー)に会いたいな」と心から思えます。個人的にこう思えるかどうかは、青春映画というジャンルの中では、それが良い作品か否かを分ける大きなポイントだと思います。

 

映画『ロスバンド』のメッセージとは?

この映画は、「自分の道は自分で決めろ。」「好きなことをとことん突きつめろ。」ということです。これは、ノルウェーロック大会でロスバンド・イモターレが演奏する曲名が「Walk Your Own Way(=自分自身の道を歩め)」であることからも明らかです。

このような「好き」を突きつめることの大切さがメッセージの作品と言えば、同じく今年公開された さかなクン の半自伝映画である「さかなのこ」も同じですね(「さかなのこ」では、その危うさも同時に提示していましたが)。

映画『ロスバンド』は現在、黄金町近くの映画館・シネマジャック&ベティで10月21日(金)まで公開中です。できれば劇場で見てほしいですが、今年の年末や来年の始めにはブルーレイやDVDなどのソフト販売、または各種サイトで配信もされると思います。なので、是非ご覧ください。

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横浜高校野球部に学ぶ凡事徹底

こんにちは、文系担当の上村です。今回は、私の趣味である野球観戦をしていて感じたことについてです。

横浜高校の試合前練習の凄さ

先日サーティーフォー保土ヶ谷球場で行われた高校野球の秋季大会の決勝戦を観てきました。決勝は【横浜高校 対 慶應義塾高校】でした。今回の秋季大会に限らず、サーティーフォー保土ヶ谷球場で横浜高校の試合があるときは、私の友人(横浜高校野球部OB)に誘われてよく観戦しています。

その中で毎回感心するのが、試合前に行われる横浜高校の練習です。最初のキャッチボールから一球一球に集中していて、その動きのスピード感と正確性は他の高校の練習と比べても群を抜いています。その後のノックでも、捕球ミスや送球ミスはほとんどありません。また、試合中に控えの選手が行うグラウンド整備についても、フォーメーションを組んで、てきぱきとこなしていて、これも他の高校のそれとは明らかにレベルが違います。

そこで、「凡事徹底(ぼんじてってい)」という言葉があります。これは「何でもないような当たり前のことを徹底的にやること」という意味ですが、横浜高校の試合前の練習やグラウンド整備こそ、この言葉通りで、横浜高校野球部の強さの根底にはこういった部分があるのではないかと思いました。

 

勉強における「凡事徹底」

そして、「凡事徹底」は、勉強においても大切です。各教科の基礎内容、例えば算数・数学で言えば「計算」、英語で言えば「単語・文法」、国語で言えば「漢字・語彙・文法」、理科と社会で言えば「重要用語の一問一答」などでしょう。このようなそれぞれの教科の基礎的な内容を疎か(おろそか)にしていては、応用問題や実戦問題を解くことはできません。

では、このような基礎内容の力をつけるためにはどうすればよいのでしょうか?私個人の考えでは、「『必ず覚える』『ミスしないで満点を取る』といった強い意識を持って数をこなすこと」が大切だと思います。

 

自分がしがちなミスを自覚する。

さらに「今までに自分がやってしまった間違いやミスを自覚しておくこと」も大切です。ここを自覚せずにただ数をこなしても、同じミスが出てしまいます。

中学生の子たちは「毎日英語課題」で同じようなミスをくり返していませんか?小学生の子たちは国語や英語の確認テストで同じようなミスをくり返していませんか?こういった意識があるかどうかは、宿題をチェックしていてもわかります(宿題を毎回確実にこなすことも「凡事徹底」ですね!)。

間違えた問題に対して、ただ赤ペンで答えだけを書いている子と、それに加えて気を付けるべきポイントをメモしている子。この違いの積み重ねが、その後の成長に大きな差を生みます。フォルテ生には「凡事徹底」ができる子であってほしいです。

 

今回は以上です。ではまた!

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チラシ完成!2022年夏。

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

今回は、つい先日完成した夏のチラシについてです。

思えば昨年2021年夏のチラシは実際に通塾していたフォルテ生の写真を使ったチラシでした(⇩です)。

※実際のチラシを少しぼかし加工しています。

 

そのあと、2021年秋にはココナラというサービスでオリジナルイラストを募集して、チラシを作成しました(⇩です)。

このイラストのタッチは個人的にとても好きで、また実際にかなり評判も良かったので、また今年の秋か冬のタイミングで同じイラストレーターの方にお願いしようかと思っています(同時に今回はフォルテ生の中からモデルとなる子も募集しています)。

また、つい先日にはこのイラストに着想を得た形でフォルテオリジナルパーカーも完成しました。

 

そして、2022年春は3期生の入試結果を踏まえたチラシでした(⇩です)。また、こちらを作成する際に3期生の多くの保護者の方がお子さんの写真の使用を許可してくれたのも嬉しかったです。

※実際のチラシを少しぼかし加工しています。

 

そして、今回。再びココナラでイラストを依頼して(2021年秋とは別のイラスレーターの方に依頼しました。)、2022年夏のチラシを作成しました。今回は漠然と「エモい」をテーマにし、あまり塾のチラシでは見ないようなタッチのイラストを描かれているイラスレーターの方に依頼しました。そのイラストを使って、完成したのがこちらです(⇩です)。

また、裏面に関しては相変わらずで、大手塾のようなゴチャゴチャ感を排して、情報量を極力絞っています(⇩です)。

そもそもフォルテの場合、例えば塾の理念・年間費用・講師紹介などの情報はホームページ上ですべて公開しているので、チラシはあくまででうちに興味を持ってもらうためのツールです。そして、興味を持ったらホームページを見ていただく、というスタンスです。ですから、チラシには「情報量」よりは「何かフックとなるもの」を意識して作りました。

今回は以上です!ではまた。

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