挨拶と成績の相関性

こんにちは、文系担当の上村です。今回、大手塾時代も含めて私の今までの経験から感じている、挨拶と成績の相関性についてです。

 

自分から挨拶をする子としない子

フォルテに通っている子の中でも、塾に入ってくるときに自分から「こんにちは。」と挨拶をする子もいれば、こちらが声をかけて初めて挨拶をする子がいます。感覚値としては、前者が8~9割で後者が1~2割といった具合です(スポーツの習い事をしていたり、運動部に入っていたりする子は大抵自分から挨拶をする印象はあります)。

そして、前者の子、つまり自分から挨拶をする子の方が後者の子に比べて学校の内申点にしても、模擬試験の偏差値にしても入塾後の伸びが高いという傾向がはっきりとあります(そもそも内申点に関しては前者の子の方が、入塾時点で高い傾向があります)。

 

挨拶と成績の相関性を考察

では、なぜこのような差が生まれるのか?あくまで私の考えですが、以下のような理由があるのではないかと思います。

理由①学校の内申点UPや高内申点獲得について

自分から挨拶をする子は、塾だけでなく普段からそうしているのだと思います。そうなると、学校でも先生に対して自分から挨拶をしたり、声をかけたりと言ったコミュニケーションがたくさんあるのではないかと思います。先生も人間ですから、そういった子に対しては自然と良い印象を持ちます

そこで、たとえ別の子テストの点数や提出物の評価が同じだったとしても、こういった好印象がある子については先生の温情(?)によって他の子よりも少し高い成績が付くのではないかと思います(これ自体が内申点の制度上、良いか悪いかは別問題として)。

 

理由②偏差値UPや高偏差値獲得について

自分から挨拶をする子は、全体の傾向として「素直な」子が多いと思います。そうなると、我々のような塾講師や学校の先生方のアドバイスを素直に聞き入れて、それを実行に移す子の割合も高いでしょう。ですから、学力の面でも向上しやすくなります。

私の経験上、偏差値40台~60台前半までで伸び悩んでいる子の多くは、勉強のやり方以前に勉強量が足りていません。フォルテでも特に偏差値UPが顕著な子というのは、まずは言われた課題をしっかりこなします。その上で自分自身に足りない部分を補うための+αの努力をしています。

 

挨拶をしない子が伸びない理由

一方、自分から挨拶をしない子の中には、普段から他人の話をよく聞いていないという子も多いです。そういう子は、基本的な提出物を出し忘れたり、課題や授業中の動きでも言われた通りの最低限のことすら出来ていなかったりします(もちろん、そうじゃない子もいますが)。すると、自然と学校の成績も付きづらくなりますし、学力もアップしづらいです。

こういった子は、変に自分のやり方に固執する傾向もあります。ある程度の土台があって、その上で自分自身のオリジナリティを出すのなら良いのですが、土台すらない状態で自分のやり方に固執する子はほぼ伸び悩みます。それは今までそのやり方で伸びていないのですから、当然と言えば当然なのですが。

 

挨拶をしないのはもったいない

成績云々に関係なく、そもそも集団生活をする中で、自分から挨拶をする人の方が相手に持たれる印象は確実に良くなります。逆に言うと、挨拶をまともにしない人はそれだけでマイナスの印象を持たれてしまいます。こうなると、良好な人間関係は築きにくいですし、そこが会社や学校であれば挨拶をしない人間というだけでフラットな状態で能力や頑張りを評価してもらえません。これは非常にもったいないです。

ですから、我々は子どもたちに「自分から挨拶をするようにしよう!」と伝えることにしています。

今回は以上です。ではまた。

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

英語のラウンドシステムについて①

こんにちは、フォルテの文系講師の上村です。

今回は、近隣の共進中や南が丘中でも導入が決まった、横浜市の公立中学校で広がりを見せている「ラウンドシステム(ラウンド制)」という英語の授業の進め方についてです。

 

ラウンドシステムとは?

ラウンドシステムとは、横浜市立南高校附属中学校で考案された授業の進め方です。一般的な中学校での授業の進め方は、教科書のユニットごとに教科書本文・新出単語・文法を扱っていき、1年かけて教科書を全体を1周して扱います。

それに対してラウンドシステムは、1年かけて教科書を4~5周することで、英語の定着を図ろうとするものです。以下がラウンドシステムの進め方の一例です。

大きな特徴としては、1・2周目の段階では進出単語や各ユニットでメインで使われる文法に関する授業は行わないということでしょう。単純に音声や文字の並びとして本文を暗記するという感じのようです。

現在、横浜市の公立中学校で採択されている英語の教科書「Here We Go!」を発行している光村図書では、このラウンドシステムについての紹介ページを設けています。

こちらのページ

このページでの導入例を見ると、ワークシートなどの共有されているツールもありますが、各中学校や先生ごとに工夫もされているようです。

 

ラウンドシステムに対する個人的な見解

私個人としては、このラウンドシステムを一般の公立中学校で安易に導入することに対しては懐疑的です。

というのも、まずこのシステムを考案した横浜市立南高校付属中学校は、入試では毎年高倍率を誇る公立中高一貫校ですから、横浜市立南高校付属中学校に通う生徒さんたちの学力レベルは極めて高いわけです。となると、授業の進め方やクオリティーに関係なく彼ら自身で主体的に学習する意欲や力を十分持っていることが予測されます

ラウンドシステムに関する様々な記事を見たところ、「このシステムによって『英語の応用力』や『英語の表現力』における学力伸長が見られた」と言った内容が主でした。確かにある程度の英語の単語や文法の知識がある子を「さらに伸ばす」という指導ではラウンドシステムは有効かと思います。また、公立・私立に関係なく中高一貫校というのは、高校受験を気にせずに授業を組み立てることができるため、ラウンドシステムとの相性は非常に良いと思います

一方、一般の公立中学校ではそれこそ中学受験を経験したような学習意欲の高い子から、小学校の授業について行くのも精一杯だった勉強が苦手な子まで、通う生徒さんたちの学力層は様々です。こういった学力層がバラバラな学校でラウンドシステムを導入すると、英語が苦手な子が置いてけぼりされてしまうのではないか、と私は思ってしまいます。実際に今回インターネット上で目にしたいくつかの記事でも、そういった英語が苦手な子に対するフォローについての具体的な方法や取り組みに関する記述は見つけられませんでした。

ただでさえ、昨年度から学習指導要領の改訂に伴って教科書が一新され、教科書が難化しましたこちらの記事で触れています)。これによって今まで以上に英語の授業についていけない子たちが増えているのではないかと個人的には心配しています。そもそも学校の授業で、もう少し文法用語を教えてもいいのではないか?と思っています。現在はフォルテの中2~中3は満席ですが、過去に途中入塾の中学生で英語が苦手だという子はほぼ全員、「英文は基本的に主語と動詞から書き始めるから、日本語の『~は』と文末に注目する」と言った基本的なことが全くと言っていいほど身についていませんでした(すべての原因が学校の授業にあるとも思いませんが)。

また中高一貫校とは違って、多くの子が公立高校受験を見据えている公立中学校でこのラウンドシステムを行う場合、学校ごとにかなりの工夫をしないと(特に塾に通っていない生徒にとっては)受験勉強との両立は厳しいのではないかと思います

 

今度の動きに注視

ということで、現時点で個人的に気になる点が多いラウンドシステムですが、今後実施し始める中学校の生徒を通して、実際のところどうなのか?というのを注視していきたいと思います。

そして、時期を見てこの記事の続きを書きたいと思います。もしかしたら、1年後には「ラウンドシステム最高!」というブログを書くかもしれません笑。

今回は以上です。それでは、また!

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

問題演習で意識すべき2つのこと

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

今回は、問題演習の進め方についてです。この問題演習、効果や成果のあるものにするためには、「やる内容」「やるタイミング」「やる量」「やり方」が重要だと思うのですが、今回はその中の「やり方」について触れていきます。

 

問題演習の2つのパターン

問題演習に関しては、目的に応じてざっくり分けると2つのパターンがあると思います。1つ目は、学校のワークや一般の問題集を用いて単元や分野ごとの力をつけるために問題演習を行うパターン。2つ目は、受験生が行う過去問などを用いた総合的な力を試したり、付けたりするために問題演習を行うパターン。

そして今回お伝えするのは、前者のような目的の問題演習を進める際に意識すべき2つのことについてです。

 

問題演習の目的とは

そもそも問題演習は何のために行うのか?問題演習の最も大きな目的は、該当単元の授業を受けたり、教科書を読んだりしてインプットした内容を、問題演習というアウトプットを通して、「学習内容を定着させること」「自分の不足していた知識を補うこと」です。

一般的には、インプットとアウトプットの理想的な割合は、「インプット3:アウトプット7」と言われています。もちろん、十分な知識のインプットなしに闇雲にアウトプットばかりやっていても効果はありません。ただし、勉強時間の割に成績が伴っていない子の多くが、インプットの時間ばかりが多くなってしまっていて、アウトプットの時間が少なすぎるのではないでしょうか。具体的には、テスト前にノートや教科書を眺める時間が大半で、それを確認するための問題演習の時間・量が圧倒的に足りていないのではないかと思います。

ということで、問題演習はある程度の量をしっかりこなすことが必要です。それを大前提として、その問題演習をより効果的なものにするための進め方を紹介します。

 

意識すべきこと①「小まめに丸付けをする」

まずは丸つけについて。ここでの鉄則は「小まめに丸付けをすること」です。具体的には見開き1ページごと(教科によっては見開きの半ページごと)に丸付けをして、そのページで身につけるべき内容を確認しましょう。

このように小まめに丸付けをすることで、解いたときの感覚を忘れないうちに答えや解き方を確認ができ、その分だけ自分に足りなかったことが実感しやすくなります。これが解いてから長い時間が経ったあとでは、「あれ、これどんな問題だっけ?そして、自分はどう解いたんだっけ?」という確認からしなければならないので、無駄に時間がかかってしまい、非常に効率が悪いです。

また、このように小まめに丸付けをして確認することで、あとのページで同様の知識や解き方が問われる問題が出てきたときに解くことができるようになっています。そのため、自分自身の成長も長も感じやすいです。

 

意識すべきこと②「時間やスピードを意識して解く」

最近、指導要領の改訂によって難化した教科書の影響か、各中学校の定期テストで問題量が多く、なおかつ難易度が高い問題が増えているように感じます。フォルテの近隣の中学校でも、学年平均が100点中で50点前後なんていうことも少なくないです。

そんな中でよくあるのが、「問題が多すぎて時間が足りなかった。」というパターンです。これは模擬試験や入試でも十分起こりうることですし、試験によっては問題の後半の方に実は易しい問題があることも少ないので、そういった問題を解きそびれてしまったという点では非常にもったいないです。こういった事態に陥らないためには、普段から色々と工夫や意識をすることがありますが、まずは「時間や解くスピードを意識すること」が出発点です。

具体的には「ページごとや大問ごとに時間を計って解く」ようにしましょう。そして、

特にこちらの記事でも触れていますが、神奈川県の入試問題は、どの教科も文章が長いため、急いで解くという意識は絶対に必要です。

 

問題演習のダメな進め方

今までたくさんの子どもたちを見てきた中で、効果や成果がほとんど期待できなく、なおかつ中堅下位の学力層の子がやりがちな、「問題演習のダメ進め方」は、上記とは真逆に「ページごとに丸付けをせず、また時間も気にせずにダラダラと解き進めていく」という方法です。

これは「問題を解くこと自体」が目的となってしまっていて、本来の目的である「学習内容を定着させること」「自分の不足していた知識を補うこと」とは程遠いやり方です。ただ、このやり方をやってしまっている子、実はかなり多いです。特にその教科を苦手としている子によく見られます。そして恥ずかしながら、フォルテにもこういう子は(数は少ないですが)実際にいます。塾内で学校のワークの進捗状況を確認しようとしたときに、「あっ、丸付けし忘れていました。」といった具合です。

模擬試験や定期テストで安定して高得点を取るような子には、こういった問題演習の進め方をしている子はほぼいません

 

まとめ

問題演習を進める際には、その本来の目的を常に意識しましょう。それは繰り返しになりますが、問題演習というアウトプットを通して、「学習内容を定着させること」「自分の不足していた知識を補うこと」です。

これを念頭に置いて取り組めば、上記で紹介したようなダメな進め方は絶対にしません。どうせ同じ内容をやるのなら、やり方や意識次第でより効果や成果の出るようにやりましょう。

またこの他、学校で定期テストの際に提出がある教科ごとのワークに関しては、テスト前に慌ててやるのではなく、普段の授業と並行して計画的に進めていき、テスト前に2週目、3週目と解くことを意識しましょう。

今回はここまでです。ではまた!

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

同じミスを繰り返さないために

こんにちは、文系担当の上村です。

テストや演習問題において一度もミスをしないのが理想ですが、現実は人間誰しもミスはするものです。だからこそ、同じミスを犯さないように気を付ける必要があります。

今回は、同じミスを繰り返さないための意識や行動について書いていきます。

ここでいうミスとは、「実力的には正解できるはずの問題を間違えてしまった」という所謂ケアレスミスのことを指しています。

 

そもそもそれって本当にケアレスミス?

まずは、本題に入る前に子どもや保護者の方の中でも割と多い勘違いについてです。

子どもたちとの会話や保護者の方との面談の際にも「『ケアレスミス』が多いんです~」という話はよく出てくるのですが、それが本当に実力がある中で思わずやってしまった「ケアレスミス」であることは意外と少ないです。ストレートに行ってしまうと、単に実力不足であるという場合が多いです。にもかかわらず、それを「ケアレスミス」と軽視してしまうために、実力不足を補う行動を起こさないので、同様の間違いが繰り返されるというのがあります。

なので、まずは「自分の実力が不足しているのでは?」と考えるのが良いでしょう。また、既習内容でそのような実力が不足している場合は、「知識が不十分である」「アウトプットが不十分で知識や理解が定着していない」「定期的に復習していないので忘れてしまった」などが主な原因だと思います。なので、テキストやノートを見直したり、該当の単元の演習問題に取り組みましょう。

 

ミスをした自覚をする

さて、ここからが本題です。

まず第一に自分が以前したミスを覚えておくことが大切です。また、同様に「自分は〇〇のようなミスをする人間なんだ」と自覚することも大切です。そうすれば、同じようなシチュエーションで、そのときのことがフラッシュバックして同じミスをしないように意識するでしょう。

例えば、以下のような(  )内の一般動詞の形を直す問題の場合。

例題 She(  play  )soccer in the park yesterday.

ここでの正解は played ですが、それを間違えて plays と書いてしまったとします。これは、一般動詞を過去形にすべきところを現在形で書いてしまった時制のミスです。こういった形式の問題は、主語と時制に注目する必要があるのですが、主語には注目できたものの、時制の判断ができなかったのです。

このときに、単に「あー、これは過去形なのかー。」で済ませるのか、「主語がsheだから三単現のsだと思ったけど、文の最後にyesterdayがあるから過去形か。文の最後にキーワードを見て時制を判断することを忘れていたな。次からは文末にも十分注意して解こう。」と考えるのかで次回以降の結果に大きな違いが出るでしょう。

これは日常生活でのミスに置き換えるとよりわかりやすいです。例えば、食卓で家族一緒に食事をしているときに、遠くのおかずを取ろうとして手を伸ばします。自分の手元に運んできたその拍子に近くにあった醬油差しを倒してしまい、自分のお気に入りの白いパーカーが醤油まみれになってしまいました。こういった経験があると、次からは醤油差しの位置を確認したり、何かを取ろうと手を伸ばすときに他のものに触れたり、倒したりしないかを確認するでしょう。これと同じことを勉強でもできれば同じようなミスは減ります。

 

ミスをしないようにする行動の工夫

次にただ自覚をすることに加えて、意識を強める行動が伴うことでミスを防止することができます。例えば、先ほどの問題であれば、注意すべき主語のsheと時制の判断ポイントとなるyesterdayの部分に線を引いたり、〇を付けたりすることで、頭の中だけでなく視覚的にも意識できます

私の経験上からも、こちらが指導せずともこういった行動ができている子はやはりミスが少なく、正答率が高いです。国語の文章読解でも、解いた後の本文を見ると重要だと思う部分に線を引いたり、印をつけている子と、全くそういったものがなく綺麗なままの子とがいます。当然、前者のような子の方がよくできています。

人間は多くの感覚を駆使することで物事が覚えやすくなったり、問題が解きやすくなります。例えば英単語を覚えるときには、ただ英単語を眺めるだけ(視覚のみを使う)よりも、それに加えて実際に描いたり発音したりする(触覚?+聴覚を使う)方が覚えやすいでしょう。

最後に繰り返しますが、人間誰しもミスはします。ただその後に、同じミスを繰り返すのか、繰り返さないのかは自分自身の意識や行動1つで大きく変わります。同じミスを繰り返さないようにしてきましょう!

今回は以上です。ではまた!

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

日本語の語句や英単語の意味調べの注意点

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

今回は、国語の語句や英単語の意味調べをする際の注意点についてです。

 

感心した中2女子の質問

さて、先日のこと。少し感心したことがありました。それは、授業前に国語の模試の解き直しをしていたある中2女子が「先生、『目から鱗が落ちる』ってどういう文で使うんですか?」と質問してきたことです。

感心したのと同時に「あ、この子は絶対に伸びる子だな。」と思いました。

 

意味調べは例文とセットで!

フォルテでは、小5~中3まで模試実施後には必ずその解き直しを宿題として課します。そして、国語の解き直しのときには、模試の問題に登場した語句についてその意味が分からない場合は調べるように伝えています。

そういったときに大抵の子は、辞書やインターネットを使って意味を調べてメモして終了です(まあ、一般の小中学生のレベルからすると、このように意味を調べてメモするだけでもかなりましな方だと思いますが)。

これは国語に限った話ではなく、英語でもわからなかった英単語や英熟語については、自分で調べるようにしてもらっていますが、やはりここでも多くの子は意味だけをメモして終了です。

しかし、ここで終えてしまうのは非常にもったいないです。日本語や英語に関係なく、言葉はそれ自体の意味を知っているだけでは不十分です。その言葉を実際に文章や会話の中で、どういった意味やつながりで使うのかを理解して初めてその言葉は自分のものになります。ですので、必ず言葉の意味を調べる際には例文もセットで調べるようにしましょう

あとは実際にその言葉を使って身のまわりの人々と会話をするのも非常に効果的です。相手が大人であればより良いでしょう。なぜなら、使い方やニュアンスがおかしければ、その場で訂正してもらえるからです。言葉の中にはどうしても辞書の中の意味だけでは伝わり切らないニュアンスや使われ方があります。

同様に学校に提出するノートにおいても、単純な語句や英単語の意味だけでなく、例文も添えて書いておくと先生からの評価は圧倒的に高くなります。なぜなら、先生を含む多くの大人は、語句や英単語の意味を調べるときには例文とセットで調べることが自然と身についているからです。

現在、小5・小6・中2・中3では国語の授業冒頭に語句のテストを行っています。これもまた、単に語句の意味だけでなく、実際の文脈の中での使い方を身につけて欲しいから行っています。こういった語彙力は、文章読解を行う上で必要不可欠です。

 

英単語を調べるときは品詞を意識する!

これに加えて、英単語に関しては品詞を意識するとさらに良いです

私の経験上、英語が苦手な子は十中八九、この品詞への意識が低いです(というより、そもそも日本語の単語の品詞すら非常に怪しいです)。入塾したての子どもたちに対して、英語の授業中に「これって何詞?」って発問すると、名詞や動詞などの答えはまだ返ってきやすいですが、前置詞や副詞や助動詞などはほぼ返ってこないです。

これは、恐らく中学校の授業であまり品詞について触れていないからだと思います。名詞や動詞が答えとして返ってくるのは、とは言え授業中に先生が説明の中で口にする回数や頻度が高いからでしょう。逆に言うと、普段の授業から品詞名をしっかり使っていれば子どもたちにも浸透すると思います。

実際にフォルテでも、通塾歴の長い生徒ほどこういった発問に対してしっかりとした答えが返ってきます。それは私が意識的に授業中に品詞の名前を挙げているからです。高校以降の勉強を考えても、品詞への意識が低い子は必ず言語系の教科は伸び悩むでしょう

初めて見る英単語でも、辞書などで品詞を調べてみると、必ず自分が今までに習ったことのある何かしらの単語と同じ品詞です。ですので、自分が今まで使ったことがある単語と同じように英語の文の中で使えばよいのです。普段からよく使っている日本語の言葉の場合は、今まで日本語を日常的に使ってきた経験の蓄積により、そういった品詞を意識しなくてもある程度の会話は成り立ちますし、簡単な文は作れます。

逆に言うと、日本語を勉強したての外国の人が話す日本語に対して、私たちが違和感を持つのはその人にこの蓄積や細かい品詞の理解がないからです。そこで、英単語や熟語を調べる際に最悪なのは、こういった品詞や例文の全く載っていないGoogle翻訳などで済ませることです。これはYahoo!やGoogleで「〇〇(←調べたい英単語)  意味」などで検索すると最初に出てくるので、一見とても便利ですが、明らかにおかしな翻訳もたくさんあり、場合によっては子どもたちの学習の妨げになってしまうでしょう。インターネットで調べるのなら、少なくともWeb上の辞書や辞典のサービスを利用すべきです。

 

今回のまとめ

◆日本語の語句や英単語を調べるときは、言葉の意味だけでなく例文もセットで調べましょう。

◆調べた日本語の語句を深く理解するためには、身のまわりの人との会話の中で使ってみましょう。

◆英単語は品詞もセットで調べるようにして、すでに知っている英単語と結び付けて覚えましょう。

 

こういった勉強の仕方は、小学校・中学校の内容にとどまらず、その先の勉強でも必ず役立ちますので、今のうちにしっかりと身につけておきましょうね!

今回はここまでです。ではまた!

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

来年度から使われる英語の新しい教科書について

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

先週、南図書館で来年度からの新教科書の展示会がやっているということで、早速実物をチェックしてきました。今回は、各方面で話題になっている英語の教科書について書きます。

 

学習単元増により、内容が難化

今まで高校での学習内容であった、「現在完了進行形」や「仮定法(基礎内容)」や「原形不定詞」が中学での必修単元となりました。そのため、従来までの学習単元が前の学年に下りてきたり、学年はそのままでも扱うタイミングが早くなったりしている部分が多くみられました。

特に中1ではそれが顕著で、今回改定された新教科書では初っ端から「be動詞」「一般動詞」「助動詞のcan」が登場します。現行の教科書では、「助動詞のcan」が登場するのは中1の後半(横浜市で現在使われている『COLUMBUS21』だとUNIT8)ですから、かなり大きな改訂と言えます。

そして、これは私のこれまでの経験と実感値から言うことですが、現在の中2また中3の子で「英語の成績が5段階中の2(または2に近い3)」という場合、そのほぼ全員は、「be動詞」と「一般動詞」をしっかりと使い分けることができません

例えば、「私は昨日英語を勉強した。」というのを英文でつくろうとしたとき、平気で【 I was study English yesterday. 】と書くのです(正解は【 I studied English yesterday. 】)。

今ですら、こういった現状ですから、「be動詞」と「一般動詞」をほぼ同時にやることで、それぞれのルールを区別することができない上記のような子たちがさらに増えてしまうのではないかと危惧しています

また、ちょっと話は反れますが、現在の中学校の各教科の成績は5段階で付けられていますが、そのうちの3というのは決して平均的な成績ではありません。その証拠に、偏差値50(いわゆる平均)前後の公立高校に合格している子どもたちの平均の成績は9科目で31~32ほどです。これは、1科目あたりだとおよそ3.5なので、やはり3では足りません。つまり、5段階評価での3は明らかに平均以下なのです。

 

難しい単語・表現の登場

今回の学習指導要領の改訂によって、小学校で学習した語に加えて、中学では1600~1800語を学習するという方針が出ています。これは現行の1200語の約1.5倍にあたり、その分今までは教科書で扱われていなかった難しい単語も中1から多く登場します。例えば、以下のような単語です。

creative
gabage
graduation
neighbor
dirty

これを見て、中2・3のほとんどの生徒は意味が分からないでしょう。ちなみに上記の単語の意味は

「創造的な」
「ごみ」
「卒業」
「近所の人、隣の人」
「汚い」

です。①に至っては、日本語の意味すら中1の子にとっては難しいでしょう(笑)。

こういった単語は、入試問題の他、英検では多く出題されます。なので、今まで以上に教科書内容をしっかり勉強することが英検の勉強にはつながるとは思います。特に英検の3級は、かなりの部分が単語や熟語の語彙力勝負と言えるので、そういった部分は今回の改訂がプラスに働く部分かもしれません。ただし、上記のようなレベルの高い単語を覚えるためには、その下地となる英語の力がある程度必要です。

 

デジタル対応で学習の幅が広がる

いまや、塾用教材や市販の参考書では当たり前になってきているQRコードを読み取ることによって、音声が流れたり、補足の内容を閲覧できたりするサービス(QRコンテンツ)がついに教科書にも導入されます。

すでに各教科書会社のホームページは案内が掲載されています。↓は横浜市が現在採用している『COLUMBUS21』を発行している光村図書のホームページです。

光村図書『Here We Go!』のデジタルコンテンツ(ココをクリック)

今まではこういったプラスαのものは、別途冊子やCDの購入が必要でしたが(そして、値も結構張る!)、それがデフォルトのサービスとしてついてくるのはとても良い試みでしょう。

 

内容がアップデートされている

当然ながら、時代に合わせて教科書の内容や表現もアップデートされています。例えば、多くの教科書に小中学生が誰でも知っているような若いスポーツ選手が載っていたり、トピックも「ドローン」や「AI」などが採用されていたりします。

さらに、教科書によっては子どもたちの服装や人種などが以前にも増して多様性に富んでいます。中にはヒップホップダンス好きの先生が登場する教科書もありました。

こういった時代に合わせた内容のアップデートはとても大切ですね。

また、これは余談ですが、現行の横浜市採用の『COLUMBUS21』ですが、来年度からは教科書の名前自体が『Here We Go!』という名前に変わるようです。光村図書のホームページを見る限り、変更の理由は書いていないのですが、これももしかしたら近年のコロンブスという人物(一般的には新大陸を発見したことで有名な人)に対する評価の見直し(主にネガティブ方向に…)などが関連しているのでは?と邪推してしまいます(あくまで個人的な意見です)。

 

小学生のうちにやっておくべきことは?

(色々と便利になった部分はあるにしろ、)こういった大きく難化した教科書を使用して授業が行われるということは、今よりも「英語ができる子」と「英語ができない子」の差が大きく広がることにつながるでしょう。そのときに「英語ができる子」でいるためには、小学生のうちから手を打っておく方が断然良いです。

具体的には、以下の4点をオススメします。

アルファベットの大文字・小文字を完璧にする!
小学校の授業で触れた単語をできる限り覚えておく!
(塾や習い事で)be動詞と一般動詞のルールを区別できるようにしておく!
ローマ字(できれば、中学で習うヘボン式ローマ字)に慣れておく。

フォルテでも、現小6の英語の授業のカリキュラムを変更し、彼ら・彼女らが万全の状態で中学に進学できるように全力でサポートしていきます!

今日はここまでです。では、また。

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

教材.jpのススメ

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

今回は、小中学生やその保護者の方必見のWebサイトとそこに寄稿した私の記事をご紹介します。

 

まずはこの記事を読んでください!

今回、小中学生の社会の学習に必ずや役立つであろう教材を紹介しました。是非、ご覧ください。

私が執筆した記事(こちらをクリック)

この記事が掲載されているWebサイトや記事完成までの経緯をご紹介します。

 

教材.jpとは

ご紹介した私の記事が掲載されているのは、現場のプロたちが責任を持ってオススメできる教材のみを紹介するWebサイト「教材.jp」です。こちら、11月26日にオープンしたばかりなのですが、既にとんでもない熱量の記事が多数掲載されています。どの記事も各執筆者の方々のそれぞれの教材に対する愛に溢れています

個人的に特にお気に入りはこちらの記事です。最後の「先生よりアドバイス・メッセージ」は共感度100%。フォルテでは、中1から5教科を必修としています。私の前職を含めて神奈川県内の大手塾では中1までは3教科必修(+オプションで理社)とし、中2から5教科必修とするところが多いです。これは、中1の段階から理社の勉強に力を入れてほしいからです。「理社は暗記科目だから、最後に頑張ればどうにかなる」という古来からの固定観念により、理社はどうしても後回しになりがちです。しかし私の経験上では、「確かにどうにかなる子はいるが、大半はどうにかならない。」が正直な感覚です。英数ほどではないにしろ、理社においても積み重ねや計画的な学習が教科内容の定着において重要なのは言うまでもありません。さらに・・・、あっ、話がこのまま脱線しそうなので、戻します。

このサイトの仕掛け人は、ご自身も横浜は元町でイルム元町スクールというスゴい塾を主宰されているカイ先生。そして、ジュクサガスというイケてる塾ポータルサイトを主宰するタグチさん。「教材.jp」からは二人の強い思いが嫌でも伝わってきます。

 

記事完成までの経緯

今回、サイトオープンの大体2週間前くらいにお声掛けいただきました。少し前にカイ先生にはフォルテとしてお世話になったということもありますし、このような世の子どもたちや保護者の方にとって有益な情報を発信する取り組みには是非協力したいという思いがあったので快く引き受けました。それから記事が公開されたのが本日なので、約1か月くらいの時間を要しました。その経緯を簡単に書きます。

まずは何について書くかで結構迷いました。というのも、小中学生を対象とする塾の多くは、市販の教材よりも塾用教材(塾を通してしか買えない教材)を使用していることが圧倒的に多く、フォルテも例外ではありません。個人的な自己研鑽のために市販の教材は買いますが、実際に授業で使っている市販の教材はこちらの記事で紹介されている語彙の本と、こちらの記事で紹介されている全国入試の過去問くらいです。

なので、前職の大手塾時代(というか昨年)に同僚や子どもたちに個人的に薦めていた本を紹介しようと決めました。フォルテ生にも薦めるいい機会になるかなとも思いました。

ただ、お声掛けいただいた時期的に南中と蒔田中のテストがあったので、それがひと段落した11月末に第一案を入稿し、何度かのやりとりを経て脱稿(原稿が完成)しました。こんな感じのやりとりでした。

 

本当に対応が速くて、非常に気持ちの良いやりとりでした。第一案では、教材への99%の愛と1%のアイロニー(皮肉)を込めて書いたのですが、当然の如く後者は編集段階でボツになり、結果として愛のみに溢れた記事になりました(編集ポリシーとしては当然の判断です)。

また、上記のやりとりから実際の掲載まで1週間以上かかったわけですが、それは記事内に挿入されている本の中身の画像の許諾申請を出版社にとってもらったからなのです。これにより、この本の魅力が何割か増しで伝わることになったと思います。とてもありがたいことです。ちなみに、こんな感じのやりとりでした。

ということで、完成したのが冒頭の記事でした。

自分で言うのもなんですが、相当な熱量で書きました。もし気に入ったら、是非ご購入ください。あ、念のため言っておきますが、私が紹介したこの本がどんなに売れようが、私の懐には出版元である学研さんから一銭たりとも入ってきませんので、安心してください。あとは、私が紹介せずともこの本は結構売れていると思うので、例えるならミスチルの曲を「いいよ!」って薦めているようなものです。こういう利害関係がないからこそ「教材.jp」の執筆陣は、本当に良い教材しか紹介しません。

 

利用の際の注意点

「教材.jp」を利用する際の注意です。このWebサイト、前述のとおり、各執筆陣の熱量が半端ないので書かれている教材全てが素晴らしく思えます。現場のプロである我々が見ても(というか我々だからこそ?)、他の執筆陣が書いた教材が欲しくなるほどです(笑)。ですが、結局は好みや相性の問題もあるので、もし購入を考えるのであれば、実際に本屋さんで現物を手に取ってちょっと見てみましょう。私が紹介している教材はフォルテに置いてあるので、フォルテ生は好きに見てみてくださいね。

そして私の記事でも触れたとおり、教材自体がどんなに素晴らしいものだったとしても、それを対象とする学年や学力層と自分が合っていなければ、残念ながら無用の長物となっていしまいます。また同様に、既に今取り掛かっている問題集や参考書があるという場合も注意が必要です。それが明らかに自分に合っていないのであれば新しいものに切り替えてもらって問題ないのですが、そうでないのに新しいものに手を出すと二兎を追う者は一兎をも得ずの結果になってしまいます。もし、今塾に通っているのであれば、そこの先生に相談してみるのも良いでしょう。

つまり、以下の3点が注意点です。

①気になる教材は手に取って見てみましょう。

②中途半端に手を出すのは避けましょう。

③迷ったら相談をしましょう。

 

最後に

ということで、今回は教材.jpとそこに掲載されている私の記事の紹介でした。紹介した教材が売れるのも嬉しいし、私の記事のアクセス数が増えるのも嬉しいので、良いと思ったら拡散を何卒お願いします。

今回はこんな感じです。ではまた。

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

人生を豊かにする芸術作品⑤映画『Us(アス)』

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

このシリーズでは、全小中学生にオススメの映画や小説などを紹介していきます。このシリーズで紹介するのは、私の考える「良い芸術作品」です。

ここでいう「良い芸術作品」とは、その作品に触れることで私たちが「何かしら成長できる」「何かを考えるきっかけを得られる」「何かしらを学べる」「モチベーションが高まる」作品を指しています。

優れた芸術作品(小説でも音楽でも絵画…etc)に触れることで私たちの人生は豊かになります。ここで紹介する良い芸術作品に触れることで少しでも子どもたちの人生が豊かになってくれればと思っています。

第五弾となる今回は、ホラー映画の『Us(アス)』です。

<参考記事>
第一弾:映画『ドリーム』(ココをクリック)
第二弾:映画『ズートピア』(ココをクリック)
第三弾:映画『シェフ~三ツ星フードトラック始めました~』(ココをクリック)
第四弾:映画『トイ・ストーリー4』(ココをクリック)

現在公開中の映画『アス(Us)』を見てきた。

現在公開中(と言いつつ、かなり多くの劇場が既に公開終了に…)の映画『アス(Us)』を桜木町のブルク13で先日観てきました。この作品、日本では9月6日に公開されたので、公開してから既に4週間近く経ってますが、個人的にはずっと前から観たかった作品でした。なぜかというと、この作品の監督である、ジョーダン・ピール監督の前作『ゲット・アウト』(2017年)が大大大大傑作だったからです。ジョーダン・ピール監督は初監督作にして、『ゲット・アウト』でアカデミー脚本賞を受賞し、一気に名を上げました。かく言う私も、『ゲット・アウト』を公開当時に劇場で観て、かなりヤラれたので、ジョーダン・ピール監督の次の作品も絶対に劇場で観ようと思っていました。

 

映画『アス(Us)』のあらすじ

アデレードは夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンと共に夏休みを過ごすため、幼少期に住んでいた、カリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れる。早速、友人たちと一緒にビーチへ行くが、不気味な偶然に見舞われたことで、過去の原因不明で未解決なトラウマがフラッシュバックする。やがて、家族の身に恐ろしいことがことが起こるという妄想を強めていくアデレード。その夜、家の前に自分たちとそっくりな”わたしたち”がやってくる・・・。

(公式ホームページより)

 

実際に見た感想

今回の『アス(Us)』、約半年前に公開されていたアメリカでは好評で、大手レビューサイトのRotten Tomatoesでは批評家の支持率が93%でした。そして、嫌でも期待が高まる中で鑑賞しましたが、やはり前評判通り、かなりの傑作でした。

この作品は、黒人一家の別荘に自分たちと全く同じような見た目の家族(劇中で”テザード”と呼ばれます。)が侵入してくる話で、いわゆる『ホーム・アローン』などに代表される“インベージョン物”と呼ばれる定型です。ただし、後半は話が拡大していき、最終的にはゾンビ映画に近い形になっていきます。実際に主人公の黒人一家は、自分たちと見た目がそっくりなテザードたちと、ゾンビ映画で生き残った人間とゾンビが戦うがごとく、必死に戦っていきます。これが中盤の見せ場になっているわけですが、いかにもホラー映画な画面が続く中でも、時折笑えるシーンが入り込んでおり、このバランス感覚が最高です。これは元々コメディアン出身であるジョーダン・ピール監督の作風と言えるでしょう。

そして、最後の展開。もちろん、ここではネタバレはしたくないので書きませんが、思わず「えっ、マジ?」というオチがあります。そして、そのオチから考えると、そこまでの間に数々の伏線と言える描写があり、すべてはそのオチに繋がっていたことに気づきます。そして、「あれ?もしかしたら、他にも見落としている伏線があるのでは?」と思い、二度、三度と見たくなる作品です。良い映画って大抵はそういうものですね。

また、個人的には見た後に何とも言えないモヤモヤする感覚が強くあったので、劇場パンフレットを買って読んだり、You Tubeでのレビュー動画をいくつも観たりして、モヤモヤを解消しました。こういう、自分が感じたモヤモヤは、その都度調べて解決することって勉強でも大事です。個人的な経験からすると、そういうのって後々になってまた必要になってきて、結局「あの時調べておけばよかったー!」ってなりますから。模試の解き直しもそうです。同じような知識が問われたときに、以前の解き直しがイケてないと、同じ間違えをします。大事なので、もう一度言います。自分が感じたモヤモヤは、その都度調べて解決しましょう

 

良いホラー映画の特徴

この『アス(Us)』に限らず、良いホラー映画には共通の特徴があると個人的に思っていて、それは直接的または間接的に”現実社会の問題点を映し出している”という点です。例えば、『Us(アス)』で言えば、映画内で直接セリフや字幕で説明はありませんが、明らかにアメリカ国内またが世界で広がる経済格差の問題を取り上げている作品です。それは劇中に「ハンドアクロスアメリカ」という1980年代のイベントのCMやそれを連想させるテザードたちの動きから示唆されています。

過去には、まさに当時起こっていた戦争、黒人の権利上昇に対する白人側から見た恐怖、大手チェーンの台頭による地域経済の破壊など、リアルタイムに世界で起きている事柄や問題意識がホラー映画に反映されることが多々ありました。ホラー映画ではないですが、怪獣映画の金字塔『ゴジラ』も元々は原爆や戦争といった、当時の日本人が最も恐れていたものが反映されていました。間接的であれ、こういった「現実感」があるからこそ、観客は目の前で起きていることが単なる他人事と思えず、その映画に引き込まれるわけです。

また、こういった表のストーリーの裏に作り手の問題意識を描いたり、別の何かを象徴させることをメタファーと言います。映画にしろ小説にしろ、それぞれの作品内のメタファーを読み取ることは、物事の本質を読み取る力につながります。ですから、優れた映画や小説などの芸術作品(一般的にはジャンル映画として低くみられている節のあるホラー映画や怪獣映画であっても!)を単に消費するだけでなく、こちらの意識次第では絶好の学びの機会にもなるのです。

 

最後に

つまり、何を言わんとしているかと言うと、学びの機会はどこにでも転がっているんだ、ということです。それが映画にしろ、本にしろ、音楽にしろ、ゲームにしろ、スポーツにしろ。なので、何かに夢中になることはとても良いことです。そのバランスさえ間違えなければ。ですから、色々ものに興味を持って、そこからたくさん学びましょう。

そして、これを書いた後に気づいたのですが、映画『Us(アス)』はどうやらR-15指定らしく、小中学生は今すぐには観られないようです(笑)。やってしまいました。ただ、せっかく書いたのをお蔵入りにするのがもったいないので、今回の作品云々に留まらず、とても大切なことを書いているのであえて公開します。なので、気になる人は高校生以上になってから観てね。

今回はこんなところで。また、更新しますね。ではまた。

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

フォルテの日常②「模試を解く後ろ姿」~姿勢と成績の相関性~

こんばんは、フォルテの文系担当の上村です。

前回の記事に続き、「フォルテの日常」の第二弾です。

今回は、子どもたちが模試を解く後ろ姿からわかることです。

 

模試を解く後ろ姿

本日、中2が模擬試験の日でした。問題を解く姿を後ろから見ていると、普段の授業以上に子どもたちの姿勢に差が出ます。

今日は理社なので40分でしたが、その間ほとんど姿勢が変わらず解き続ける子がいる一方、20分ほどが経過したころに姿勢が崩れ始め、壁に寄っかかる子がいます。そして、当然のことながら、前者の子の方が学校の成績や塾で受ける模試の偏差値が高く、後者の子はそれらが低い傾向にあります。

自学中でも、すぐトイレに立つ子とそうでない子がいます。そして、前者よりも後者の子の方が学校の成績や塾で受ける模試の偏差値が高い傾向にあります。というのも、前者の子は本当にトイレに行きたいというよりも、長い時間座っていることがキツイのでしょう(もちろん毎回がそうだとは思いませんが)。

 

学校の成績が比例する理由

学校の成績が姿勢に比例する理由を2つ挙げます(他にもあるでしょうが)。

第一に、今回のような姿勢を同じように学校でもしているからでしょう。このような姿勢の差はそのまま先生からの印象に直結します。なので、成績の中の関心・意欲の観点で差が付きます。学校の先生方も人間なので、自分の授業を前のめりに受ける生徒とグダッとした姿勢で受ける生徒がいたら、当然前者の生徒に好印象を持つでしょうからね。

また第二に、姿勢が良い子はその分だけ授業に積極的に参加しているでしょうから、授業内容も頭に入りやすいです。一方、姿勢が悪い子はたとえ同じ授業を受けていても、姿勢の良い子ほど授業内容が頭に入っていないでしょうから、授業内の小テストや定期テストでも必ず苦労します。

 

模試の成績に比例する理由

模試の成績に比例する理由を2つ挙げます(他にもあるでしょうが)。

第一に、先ほど挙げたものと同様に塾で同じ授業を受けていても、その姿勢が良ければ授業内容がしっかり頭に入りますし、姿勢が悪ければ授業内容は頭に入りません。もちろん、授業中に姿勢が悪い子は我々も注意しますが、結局は本人の意識次第なので、こちらがいくら注意しようと本人に改善する気がなければ、馬の耳に念仏でしょう。

第二に、模試中に最後まで良い姿勢がキープできる子は、その分集中力が高く、解くスピードも速い子が多いので、見直しまでしっかりとやります。ですので、ちょっとしたミスを見つけやすく、高い得点・偏差値がとれます。一方で、姿勢が悪い子はたいてい、一通り解き終わったら集中力が切れますので、見直しなどまともにしません。もちろん、これに関しても我々から注意することはありますが、結局は本人次第です

 

最後に

このような話を中2生にしました。今回、気になったのは主に男子でしたが、この話を聞いているときに彼らの様子を見ていると、どうやら自覚があるようでした。逆に女子は比較的姿勢が良かった印象です。普段の授業からもそんな感じです

そして、こういった姿勢は急に直そうと思っても難しいです。なので、日ごろから意識して矯正していかなければなりません。それも子どもたちには伝えました。まずは来週の月曜日に英数国の模試もあるので、そこでの彼らの様子にまずは注目していきたいと思います。

今回はこのへんで。また近いうちに更新します。

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業

長時間の勉強大会から得られること

こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。

今回は、先週の日曜日に行った、中3南中対象の2学期期末テストにむけた勉強大会についてです。また、今回の記事はフォルテレポート9月号に載せたコラムを加筆・訂正したものです。

 

本題の前に・・・

最近、全国のとんでもない個人塾の先生方が集まる爆裂個人塾長会議というLINEのグループに恐れ多くも参加させていただくようになって、メチャクチャ刺激もらっています。そこで最も感じることは、力のある塾の塾長はとにかく行動力が半端なく、フットワークが軽い。そして手数が多い。

ただ、これこそ個人塾の強みで、自分たちが必要だと思ったことに対してすぐに動ける環境が私たちにはあります。私たち自身がプレイヤーであると同時にマネージャーなので、決断と同時にそれが現場にも反映されます。これは後日また正式に別の記事にもしますが、フォルテでも最近ふと、「結構、LINEを使っている個人塾が多いんだな。うちも公式LINEやってみようかなー」と思い立ち、その日のうちに色々調べて、とりあえず公式アカウントを作成し、次の日には告知をして、現在は一部で試験的に導入しています。このスピード感。

ちなみに、この爆裂個人塾長会議の発起人でいらっしゃる、埼玉は川越市にある知る人ぞ知る最強個人塾、学力向上爆裂松江塾の真島先生は、多い時は1日にブログを10件近く更新していますからね。しかも、その独特の語り口は芸術的。ただ、それは単純にセンスが良いというだけでなく、塾講師としての圧倒的な実力ゆえになせる業。私も大手時代から真島先生のブログの読者ですが、本当に学ばせてもらっていますし、ときどき胸をえぐられる感覚を覚えます。そして、それをすぐ活かす。即行動。これが大事なのです。

 

中3南中で勉強大会開催

さて本題。先日のことですが、定期テストを約10日後に控えた中3南中生を対象に午前11時から夜9時30分までの「勉強大会(仮名称)」を行いました。まぁ、休憩時間も含んではいますが、実に10時間半!このうち、授業の時間自体は最後の2時間程度で大半が自学の時間です。

↓この通りです。

 

勉強大会のメリット①

手前味噌ですが、この取り組み、非常に良かったと思います。というのも、勉強って「質」が大切であることは間違いないのですが、最初から“「質」だけ”を求めることはできないと思います。まずは圧倒的な「量」をこなす”。そして、それが自分の糧となって、いつしか「量」が「質」に転化するというイメージです。なので、自分の勉強法が確立していない多くの小中学生は、まずは圧倒的な「量」をこなすことが大切です。

そもそも、子どもが「何か特定の教科や単元が苦手だ」という場合、そのほとんどが「量」の不足が原因です。勉強に限らず、人間には得意・不得意があります。得意なことは、他の人に比べて大して練習せずともこなせるでしょうが、不得意なことは、他の人よりも圧倒的な練習量をこなすことでやっと人並みになるものです。

そこで、例えば「自分が英語や数学が苦手だ」と自覚している中学生は、テストまでに学校のワークを何周やっていますか?恐らく提出前にやっと範囲が終わるといった感じではないでしょうか?英語や数学のテストで毎回9割近くの点数をとる子は3周とか5周とか平気でやっています。

重要なので、もう一度言います。もし自分に何かしら不得意・苦手なことがあると自覚しているのならば、まずは“圧倒的な「量」をこなすこと”から始めましょう。さらに言うと、それを一度で終わらせず継続させましょう。それが実力に変わります。

 

勉強大会のメリット②

内容云々以前にも、“長時間机に向かう”という経験ができたことも凄く子どもたちにとって大きなプラスになるでしょう。これは、“長時間机に向かう”ことってそれなりの忍耐力や体力が必要で、それは実際に机に向かうことでしか身につきません。普段まともに机に向かっていないのに、定期テスト直前になって急に「よし、今日はメッチャ長い時間頑張ろう。」と思っても、思いのほか集中力が続かず、すぐに周りの誘惑に負けてしまう。よくある話です。なので、定期テストの結果は“テスト直前より前の段階でいかに準備が出来ているか”で勝負がほぼ決まります。定期テストに限らず、入試前やこれから先の人生で長時間机に向かって勉強しなければならないときの練習になります。

これも勉強に限った話ではないです。例えば、フルマラソンを走ろうと思ったら、最初は短い距離から始めて徐々に長い距離を走るにしても、本番前にはフルマラソンと同じかそれ以上の距離を走ったり、またはフルマラソンと同じような負荷をかけた練習(多少距離は短くても空気の薄い高地でトレーニングするとか)をしたりしますよね。前半の「量」をこなす話にもつながりますが、“それなりの負荷をかけないと実力はつきません”。逆にしっかりと負荷をかけ続けて手に入れたものは、簡単には失いませんし、長い目で見たときに人生の様々な面で役立ちます。

 

勉強大会のメリット③

さらに、勉強大会ではこちらから子どもたちに大量の課題などは与えません。なので、子どもたちはその時間をどう使うかも考えなければなりません。正直、ある程度のこちらでやることをコントロールしちゃえば、目の前の定期テストでは結果は出る(出ちゃう)でしょう。ただし、それに依存しすぎると、与えられたものしかできないようになってしまいます。これは定期テストの先の高校入試やその先の人生を考えたときに、子どもたちにとって悪い癖となってしまいかねません。

なので、基本的には自分で何をすべきかを考えてもらいます。その考えるという段階で、もしかしたら初めて現在の自分自身と本気で向き合うかもしれません。そして、やるべきことの優先順位をつけていきます。これがとても大切です。正直、まだまだその上では時間の使い方が下手な子が多いです。ただそれはしょうがないことで、この「考える力」は一朝一夕で身につくものではないからです。

つい先日もカリキュラムの関係上、ある学年の授業中に自学の時間をとることがあり、それを前もって子どもたちに伝えていました。ただ、実際にその時間になってみると、「うーん、それ意味あるかな?」ってことをやっている子、いました。単なる時間つぶしの作業でしたね、それは。本人に自覚があるかどうか。これ以外にも、ちょっと気になるところが最近ある子ではあるんで、個別に話してみようかなって思います。

 

さて、どうする?

これを読んでいる、小中学生(特に中3生)。まずは今週末から来週にかけての土日祝のどれかで圧倒的な「量」をこなしたり、長時間机に向かったりしてみませんか。定期テストが近いとか近くないとか関係ないです。行動を起こすなら絶対に早い方が良いです。特に、勉強においてはこのような経験をする時期が早ければ早いほど有利になりますからね。はい、即行動!即行動!

今日はここまで、それはまた!

 

進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業