こんにちは、フォルテの文系担当の上村です。
このシリーズでは、全小中学生にオススメの映画や小説などを紹介していきます。このシリーズで紹介するのは、私の考える「良い芸術作品」です。
ここでいう「良い芸術作品」とは、その作品に触れることで私たちが「何かしら成長できる」「何かを考えるきっかけを得られる」「何かしらを学べる」「モチベーションが高まる」作品を指しています。
優れた芸術作品(小説でも音楽でも絵画…etc)に触れることで私たちの人生は豊かになります。ここで紹介する良い芸術作品に触れることで少しでも子どもたちの人生が豊かになってくれればと思っています。
第十六弾となる今回は、7月末の配信から話題沸騰のドラマ『地面師たち』を紹介します。このドラマ、メチャクチャ面白いです!私自身は、配信開始からはかなり遅れて視聴したのですが、あまりの面白さに1日で全話一気見してしまいました。
<参考記事>
第一弾:映画『ドリーム』(ココをクリック)
第二弾:映画『ズートピア』(ココをクリック)
第三弾:映画『シェフ~三ツ星フードトラック始めました~』(ココをクリック)
第四弾:映画『トイ・ストーリー4』(ココをクリック)
第五弾:映画『Us(アス)』(ココをクリック)
第六弾:映画『アルプススタンドのはしの方』(ココをクリック)
第七弾:映画『ミッション:8ミニッツ』(ココをクリック)
第八弾:映画『gifte/ギフテッド』(ココをクリック)
第九弾:映画『あの夏のルカ』(ココをクリック)
第十弾:映画『フリー・ガイ』(ココをクリック)
第十一弾:映画『ドラえもん のび太とアニマル惑星』(ココをクリック)
第十二弾:映画『ロスバンド』(ココをクリック)
第十三弾:映画『線は、僕を描く』(ココをクリック)
第十四弾:映画『さかなのこ』(ココをクリック)
第十五弾:映画『ルックバック』(ココをクリック)
ドラマ『地面師たち』とは?
ドラマ『地面師たち』は、大手動画配信サイトNetflixによるオリジナル作品で、2017年に実際に起きた詐欺事件を基にした小説『地面師たち』(新庄耕)を原作とし、7話構成でドラマ化した作品です。
「地面師」とは、他人の土地の所有者になりすまして不動産会社に土地を売ると言い、偽造書類を使って多額の金をだまし取る不動産詐を行う集団です。地面師グループは、リーダー、交渉役、情報屋、法律担当、偽造書類作成者、なりすましキャスティング担当などによって構成されており、それぞれに緻密かつ高度な犯罪テクニックが必要とされます。
監督は映画『モテキ』『バクマン。』やドラマ『エルピス』などを手掛けた大根仁監督。主演は豊川悦司、綾野剛、北村一輝、小池栄子、ピエール瀧、山本耕史などです。
小説『地面師たち』の元となった事件とは?
このドラマの原作である小説『地面師たち』は実在の事件を基としています。
それは2017年に大手ハウスメーカーの積水ハウスが地面師詐欺に遭い、55億5千万円をだまし取られたという事件です。これは東京の五反田駅近くに「海喜館」という旅館があり、そこはかねてから不動産業界に注目されている土地でした。この土地に目を付けた地面師たちが、積水ハウスに対して売却の話を持ち掛け、積水ハウス側がまんまと騙されてしまったのです。
大手の会社が50億円を超える大きな被害の詐欺に遭ったということで、当時はメディアで多く報道されていたようですが、なぜか私自身はこの報道の記憶が全くありませんでした。
ドラマ『地面師たち』の魅力①
まずこのドラマの大きな魅力の1つは映画ジャンルで言う「ケイパーもの」として面白さです。「ケイパーもの」とは、チームで大金や宝物を強奪するというジャンルで、有名どころだと「オーシャンズ11」のシリーズが挙げられます。またチームで難易度の高い作戦に挑むという点では、トム・クルーズ主演のミッション・インポッシブルシリーズに近い部分もあります。
今回は、不動産業者を騙して多額の金を手に入れるために、「不動産業者が欲しがる土地を探す」、「地主になりすます人物を見つけて、演技指導をする」「必要書類を作成する」「不動産業者との面接で契約をする」ということが必要です。
それぞれを担当するメンバーがいて、それぞれがプロの詐欺師として仕事をこなしている姿は、見ていて全く飽きません。そして、犯罪行為という本来は悪いはずのことをしていると分かっているのに、見ている我々はいつの間にか彼らに感情移入してしまい、ちゃんと成功するかをハラハラしながら見ることになります。
ドラマ『地面師たち』の魅力②
2つ目の魅力は各キャラクターと俳優さんたちです。
地面師グループのリーダー・ハリソン山中を演じる豊川悦司は、独特の怖さを持っていて、普段から誰に対しても落ち着いた様子で敬語を使って話すのですが、それが逆に恐さを増長させています。
地面師グループの交渉役・辻本拓海を演じる綾野剛は、実は悲惨な過去を持っている人物で、その陰の部分が仕事ぶりや話し方から伝わってきます。
地面師グループの情報屋・竹下を演じる北村一輝は、グループ内で担っている役割から恐らく能力自体はとても高いのだけれど、完全にネジが外れてしまった薬物依存者を怪演しています。
地面師グループの法律担当・後藤を演じるピエール瀧は、胡散臭い関西弁を話す、口達者な the オヤジといった役柄で、完全にはまり役です。ピエール瀧以外の俳優が演じているのはもはや想像できません。
地面師グループのキャスティング担当・麗子を演じる小池栄子は、年上の男性に対してもガンガン暴言(?)を吐いているような勝気な女性である一方で、他者への慈悲を見せる場面もあるキャラクターでこれも小池栄子以外はなかなか想像できません。
地面師グループのニンベン師(書類偽造などを担当する人)・永井を演じる染谷将太は、ミッションインポッシブルシリーズに出てくるベンジーのような存在で、いわゆるゲームやネットに精通するオタク役で、その風貌や言葉の軽さがいい感じです。
他にも、今回メインで騙される側である大手ハウスメーカー・石洋ハウスの営業部長・青柳を演じる山本耕史の振り切った感じや、第1話で騙されるマイクホームズの社長・真木を演じる駿河太郎のイケイケ社長ぶりも、後々に彼らが被害者となるときに見ている我々の心が痛まないように、ちゃんといけ好かない人物となっていて最高です。
また、メインキャラクター以外にもクセが強い俳優が脇を固めており、それぞれが素晴らしい存在感を示しています。
ドラマ『地面師たち』の魅力③
3つ目は、真似したくなるセリフがたくさんあることです。特に独特の言い回しをするハリソン山中はその手のセリフが多いです。
私が一番好きなのは6話で登場する、
「最もフィジカルで、最もプリミティブで、そして最もフェティッシュなやり方でいかせていただきます。」
です。また、これに対して言われた側の人物が、
「何言ってるのかわからねえ。」
と、ストレートすぎる返しをするのも最高です。
ドラマ『地面師たち』の魅力④
最後に紹介するのはサウンドトラックです。今回、このドラマの音楽を担当したのが石野卓球です。石野卓球は、この作品にも出演しているピエール瀧と電気グルーヴという音楽ユニットを組んでいる人で、日本のテクノミュージックの大御所です。
この石野卓球による4つ打ちの音楽が、ドラマの雰囲気とばっちりとハマっています。今、この文章もメインテーマを聴きながら書いています。
ということで、今回はドラマ『地面師たち』を紹介しました。Netflixに加入していないと見られないですが、正直この作品を見るためだけに1カ月だけ(広告付きだと月額790円)加入する価値はあると思います。
今回は以上です。ではまた!
進学塾フォルテ|俺たちが井土ヶ谷・蒔田・弘明寺地域を熱くする!|各学年12名までの少人数制対話型集団授業